FIRE生活を経て、気づけば一つの形になっていたものがあります。それが、僕の「資産運用ルールブック」です。
サラリーマン時代の僕にとって、お金は増やすものでした。資産を最大化することが、最も合理的だと思っていたからです。
ですがFIRE後は、その前提が変わりました。
いまの僕にとって大事なのは、「人生の満足度を最大にすること」です。
お金はそのための手段となり、最大化から最適化へと役割が変わりました。
今日は、FIRE生活での試行錯誤の結果、どのような資産運用ルールブックとなったか、その骨格について綴ります。
人生観が資産の羅針盤になる
サラリーマン時代から、アセットアロケーションや資産運用はしていました。
ただ、その最上位には常に「お金を増やす」という目的がありました。
FIRE後、その軸は「後悔しない人生」へと移りました。
穏やかで豊かな日々を感じながら、興味や関心に従って世界が広がっていくこと。
いわば、平穏と冒険の両立です。
これを反映したものが資産運用ルールブックの目的の規定です。
資産運用の目的(人生観):「穏やかで豊かな日々を過ごしながら、興味や関心に従って世界が広がる」を資産(経済インフラ)によって実現する
譲れないこと(価値観):平穏と冒険の両立。お金の不安を持たずにやりたいことに臨み、それが日々の平穏さや豊かさを損なわないこと
資産運用の前提を置き直す
こうした考えのもとで、資産運用の前提も変わりました。
資産運用の前提:効率的にお金を増やしながら、安心してお金を使える状態をつくる
つまり、世間で言われる「老後資産は安全運用」とは違い、「守りながら増やす。増やしながら使える」を実現します。
相反する二つを同時に成立させることを前提にしています。
試行錯誤から見えてきた3つの構造
この4年間、仮説と検証を繰り返しながら、資産の持ち方を整えてきました。
その中で見えてきたのが、平穏と冒険、増やしながら使うを両立するための、3つの構造です。
①精神的自由の確保
どんな状況でも生活と平穏が揺らがないラインを先に定めること。
資産の毀損率(毀損した結果の残資産額を受け入れられること)をもって検証しました。過去3回、資産毀損シュミレーションをして心の平穏さへの影響を自分に問いかけました。
②出口戦略を設定
僕の出口は、65歳時点で「生活費<資産所得」となることです。
現在はその過渡期にあり、資産所得で生活費の約8割をカバーしています。
残りは「取崩し準備金」としてあらかじめ予算化しています。
この移行期間においても、「平穏と冒険」「増やすと使う」のバランスを崩さないことを重視しています
黒字化が目的となって、節約をするのは冒険を損ない、人生の楽しみや自由を奪います。
なお、その微妙なバランスを「生活の手触り」で指標設定しました。
実験(例えば、「お金を目いっぱいブレーキなく使う実験」)と、そこでの「仮説と検証」で、自分にとっての最適なライフスタイルを指標(データ)を導きました。
例えば、指標としては以下のようなものがあります。
・生活費に占めるゆとり費(生活を豊かにする支出)を50%以上にする
・支出(生活水準)は段階的に上げる:FIRE後、2段階目あげ、今は現役時代の20%増
・生活費の取崩し額(赤字キャッシュフロー)を把握する:資産所得で生活費76%カバー率
FIRE後の生活費は資産所得で賄えるか?~僕のキャッシュフロー実例
などがあります。
③自由を確保する
僕にとってFIREは、いくつかの自由をもたらしました。
その中でも、お金と直結するのは、人間関係・場所・行動の自由です。
これらを「お金がない」という理由で、仲間との交流を制限したり、旅行や移住先の希望がかなわなかったり、やりたいことができないのは、僕にとって機会損失です。
だから僕は、「自由投資予算」を作って、いざやりたいことが必要となった段階で、「お金が気になりブレーキを踏んでしまうことなく、即時実行する」ための予算です。
機会損失を阻止して、生活の広がりや刺激を確保する狙いです。
この自由投資予算も、取崩し準備金も、それは資産の一部を割り当てています。
つまり、資産は、リアルなお金の収支や資産構成をみる(財務会計)と、こうしたお金の使途目的での”予算割り当て”のようにする(管理会計)、そんな資産区分を使っています。全体像としてはこの記事に記載しています。
終わりに
こうして振り返ると、僕が作ったのは、自分の人生観や価値観、ライフスタイルを反映した「お金のルールブック」です。
そして、僕がバランスを取ろうとしていたのは、単なる「生活費と資産所得」の関係ではありません。
「平穏と冒険」、「増やすことと使うこと」。
この二つをどう両立するか。
その設計こそが、お金の役割だったのだと思います。
資産運用とは、数字を増やすことではなく、僕にとっては自分の人生観を形にするプロセスでありツールなのかもしれません。
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