最強FIRE民は配当金+住民税非課税の説

2024-02-27

経済的自由・FIRE 投資

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サラリーマンが懸命に働き給与が増えると、累進課税で税率があがり、最悪、55%の課税(所得税が最大45%+住民税10%)となります。

ところが自分は働かず上場株式の配当金で稼ぐFIRE民の「配当金コース」は、配当金を幾ら得ようとも約20%税金で済みます。

さらには、住民税非課税世帯として国民健康保険料や国民年金保険料の減免措置、医療費負担の軽減措置、保育料や大学授業料の無償化を享受できる可能性もあります。

これは源泉分離課税を活用した方法です。

今回の確定申告から適用される「住民税の申告不要制度の廃止」の流れからも、好調な株式市場下で安定した企業業績のなかでは、今後はますます「配当金コース+住民税非課税」を最大限に活用するFIRE民が最強とも思えます。*ちなみに僕は収入源分散コースとして資産所得源を分散していて配当金比率は低いゆえ最強ではありません。

今回は、最強説のある「配当金コース+住民税非課税」を綴ります。

配当金でFIREメリットを出す環境設定

既知の基本情報ですが、配当金コースのFIREを進めるには税制を上手に使う環境設定が必要です。

まず、証券会社で特定口座(源泉徴収あり)を作ることです。

そのうえで、新NISAで高配当株を確保し、また余力があるならば特定口座にて上場株式等を買い進めるのが王道です。

仮に資産2億円を上場株式で運用して配当金を年4%得ると、年間800万円の配当金で、そこから約20%の源泉徴収を天引きされても手元に640万円が残る計算です。

もちろん新NISAでの配当金非課税分があれば手残りは増えます。

なお、上場株式等での配当金の課税方式は3つあって、

①総合課税

②申告分離課税(これは異なる証券口座の損益通算目的に使うのであまり関係ありませんが)

③源泉分離課税(申告不要)

で、申告者本人が任意にこれらから課税方式を選択できます。

なのでこの「③「源泉分離課税(申告不要)」を選択すれば、確定申告が不要です。

仮に、他の所得があったり何らかの理由で確定申告をする場合でも配当金は申告不要として含めずに手続きすれば良いのです。

これによって配当金の受領時に既に天引きされている約20%の源泉徴収で納税は分離終了しているので確定申告によって「所得」として認識されることはありません。

これが、住民税非課税世帯としてのメリットを得る可能性を高めます。

住民税非課税世帯とは

住民税は、都や区市町村が行う住民に対する行政サービスに必要な経費を住民が広く分担して支払うものです。

前年の所得金額に応じて課税される「所得割」、定額で課税される「均等割」で構成されます。

なので、住民税非課税世帯とは、その名の通り住民税が非課税(住民税がかからない)なる世帯で、その要件を満たすには、「所得割や均等割の負担が困難な低所得者」という認定を受ける必要があります。

区市町村でこの認定基準は異なりますが、僕が住む区では(23区内は)前年の合計所得金額が、

・独身(同一生計配偶者及び扶養親族がいない):45万以下

独身や既婚で扶養親族がある場合:35万x(本人+被扶養者数)+31万

となると非課税世帯となります。

ただ、情報を聞いたところでピンとこないと思います。

なのでこの住民税非課税世帯を目指すうえでどう戦線に臨むべきかという観点で少し解説します。

住民税非課税に向けた税制度マップ

「住民税非課税世帯」を目指すうえでは、この図の「合計所得金額」という位置での総額が(僕のような23区在住の独身者は「45万円以下」)になることが必要です。

合計所得とは、FIRE民にありがちな事業所得、不動産所得、雑所得などの「総合所得」と、上場株式等の配当所得や譲渡所得等の合計金額です。

それゆえサラリーマンであれば給与収入が入るのですぐに適用不可となります。

また、FIRE民でも、FXや仮想通貨で得たカウントは「雑所得」となるので、ここでいう「合計所得金額」や「総所得金額」などに効いてきます。

だからこそ「上場株式等の配当所得」を”源泉分離課税(申告不要)”で処理すれば、それは合計所得金額に含まれないので、住民税非課税の可能性を高めます。

45万円のシュミレーション

ただし、FIRE民や年金受給者でも数字的に45万円以下というハードルは厳しいとみえます。
厳しいですがこれは「所得」なので、所得の種類ごとに少しばかり違います。

事業による収入ならば、所得金額=収入金額-必要経費。

年金収入ならば、年金所得=年金収入-公的年金控除額。

*それぞれ年間単位です。

なので年金なども住民税非課税の足かせにはなりにくいのです。

例えば、東京都内在住の65歳独身、年金収入155万円なら、

→年金収入155万円ー公的年金等控除110万円=45万円=「住民税非課税世帯」

年金収入なら155万円以内であれば住民税非課税世帯(*東京23区の場合で独身、他の扶養なしの前提です)ですし、同じように、セミリタイアとしてのパート的な仕事ならば「給与収入」なので給与所得控除を踏まえると100万円までです。

ただし、これらは表のように、すべてを合算した「合計所得金額」として判定されます。

そこで、冒頭の通り上場株の配当金で得た「配当所得」は確定申告に含めないことで、この合計所得金額を減らすことができます。

*以前は「住民税の申告不要制度」で都合良い申告ができましたがそれが廃止されたのも大きな理由です。

「FIRE民=税的特権階級」はいよいよ崩壊か

配当金生活のFIREのメリット・デメリット

以上の通り、配当金を使ってFIRE生活をする「配当金コース」たるFIRE民は、僕のように複数の所得分散を得てFIREを組み立てる「収入源分散コース」たるFIRE民よりも、基本、有利であると感じます。

収入源の配当金を全て所得に組み込まなければ、残る収入は限定的で、この住民税非課税と組み合わせられる可能性が高いからです。

そして後述の各種メリットを得られます。

ただ、この配当金で生計をたてるデメリットであり弱点は「経費*」を使えないことです。

*先物や信用などで経費となりうるとも聞いたことはありますが、僕は現物取引しかしませんし、いわゆる「飲み食い」的な経費はどっちにしろ株式の譲渡所得や配当所得では無理との前提で組み立てています。

合計所得を構成する他の所得は、ものによって経費化できます。

事業所得や不動産所得もできますし、雑所得(その他)であっても複数の収入源があれば可能です。

例えば、FXや仮想通貨、外貨売却時の為替差益等で利益が出たとしても、他の雑所得で経費があって赤字なら、内部通算(雑所得内部同士で相殺する)もできるので、局地ごとの節税方法もあります。

住民税非課税世帯のメリット(まとめ)

住民税非課税として、区から「あなたは貧乏ね」と認められると、一般には、国民健康保険料の減免は7割減額、5割減額、2割減額で、国民年金保険料の免除は全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除などを受けれます。

手続きは申告主義なので「貧乏です」と言い出して手続きしないといけないものが多くあります。*そのままの用語で言わないでくださいね!

ちなみに僕の場合は、完全リタイアで国民健康保険に加入していて、住民税非課税世帯の恩恵を受けています。

本来は国民健康保険は約7.7万円のところ、実際は均等割額が7割減額により実質1.7万円弱の支払いです。

その他、僕には関係ありませんが保育料や大学授業料の無償化などのメリットもあったり、医療費についても高額療養費制度があり、自己負担上限額は年齢や所得に応じて変わりますが、自己負担上限額は同月内は最大数万円ですみます。

終わりに

今回、「税制度マップ」のフローで、節税や制度恩恵の争点となる所在地を明確にした基本的な仕組みについて言及しました。

こうした税制度をみれば、やはり目下の経済状況も追い風に、配当所得を中心に住民税非課税世帯を得る組み合わせがかなり最強だといえます。

なお、別の考え方としては、こうした「タダ乗り」のために、資産所得の幅を広げずに配当収入一本に絞るのは機会損失にならないかということも大事な視点ではあります。

僕も実際、FIREのライフスタイルとしては「遊びか仕事かわからない」という日々になりつつあります。

もし、遊びでやっていることが利益を生んでそれを適正な範囲で経費化すれば、生活コストは削減(経費で負担)できるわけで、都合よい暮らしをする方法にもなります。

なので、一概に、配当金コースのFIREが万能ということではありません。

FIREは、趣味やら生きがいやらの「生活設計」も大事ですが、その生活に合った投資や節税や経費化などの「投資&税務設計」も大事、だと思えます。

もちろん心持として、住民税非課税世帯として襟を正し、地域の活動に参加したりボランティアしたりなどの恩返しも必要だと思います。

次回以降、こうした基本的な仕組みを踏まえ、今年の確定申告でどういった節税方法をつかったかを書いていきます。

注:税制に関するコンテンツは万全を期すようにしていますが、居住地による差や制度の解釈差もあるかもしれません。あくまでも自分のFIRE生活の設計方法をエンタメ的知識としてご案内するものなのでその点をご留意のうえ、各自での確認やご判断にてお願いします。


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自己紹介

2022年3末に完全リタイア。FIREの自由で創る”自分らしいセカンドライフ” としてFIRE-Driven Lifestyle Innovationをテーマに、日々の気づきや経験を発信して精神的に豊かなFIREを応援します。
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