FIRE4年の節目を迎え、金融資産の暴落シミュレーションをしました。
暴落シミュレーションの目的は、恐怖を増やすことではなく、リスクを受容するためです。
経済恐慌が発生した場合、金融資産がどこまで減少し得るのかを数値化し、資産全体の安全性や耐久性を構造的に理解します。
結果、「起きうる損失<耐えられる範囲」であれば、もはや資産の増減に過剰に反応する必要はないと割り切れ、人生の残り時間は、お金以外の資産(健康、時間の使い方、人間関係、好奇心、体験、知識やスキル獲得)に関心を向けていけます。
今日は、2年ぶりに行った暴落シミュレーションの結果を綴ります。
暴落シミュレーションの結果
前回(2024年2月)と比較した資産クラス別の毀損状況と残存率は以下の通りです。
結論、金融資産の残存率は前回の62%から今回60%となり、想定する下落幅は前回より大きくなりました。
資産クラス別の前提条件
2年前よりも株式相場は高く、円安による外貨資産の膨張もあるため、これらの毀損率を前回より高く(厳しく)見積もっています。
株式投資や海外不動産
例えば、リーマンショック時には主要株価指数がピークから50%を超えて下落したケースもあったため、今回のシミュレーションでは60%下落する(残存率40%)と見立てています。
海外不動産も同様に、投資額の40%が残存するとしました。
*海外不動産はローンがなく、処分を前提としているため、金融資産ポートフォリオの中で一貫して管理しています。
外貨預金や外貨建て資産運用
外貨預金、社債、年金保険の残存率は、前回の60%から50%へ引き下げ、より厳しい前提としました。
株式等の残存率(40%)より高く設定しているのは、満期まで保有すれば元本を受け取れる商品が中心であり、主な資産毀損リスクは発行体の破綻だからです。
そのため、ここでは通貨変動リスクを中心に見立てています。
当時と比べると、ドルは約4%上昇(147円→153円)、ポンドは約11%上昇(188円→208円)しています。その上昇分も考慮し、今回は前回より厳しく、残存率を60%から50%へ引き下げました。
暴落後の残存額を受容できるか
以上の前提では、今の金融資産を100とすると、経済恐慌によって60まで減少することになります。
ただ、僕の場合、この60%という残存額を若いころほど深刻には受け止めておらず、十分に受容できます。
理由は明確です。企業年金などの固定的な収入があり、さらに5年ほどで公的年金の受給も始まるからです。
つまり、資産毀損の影響を受ける期間が比較的短く、生活のベースを支える収入も、配当金や不動産収入などの変動的なものだけでなく、固定的な年金等へ移っていくからです。
この安心感は、資産額だけではなく、「年金受給までの距離」「人生の残り時間」「固定収入比率」といった変数によって生まれています。
だからこそ、暴落耐性やリスク受容度は人それぞれであり、一般論だけでは測れません。
重要なのは、自分固有の条件で構造を把握することです。
終わりに
暴落シミュレーションは、悲観するための作業ではありません。資産の耐久性を構造として可視化し、その残存額を自分が本当に受け入れられるかを確認するためのものです。
それによって、経済的な安心感を身体感覚として持てるようになります。
資産が大きく減った状態を想像し、そのうえで何に頼り、どう立て直せるかが見えれば、日々の生活に対する向き合い方も変わります。
お金に過剰に反応しなくなり、使う・使わないの判断も落ち着いたものになります。
そうして、お金は人生を支配する対象ではなく、すでに役目を果たしつつある「背景」に下がっていきます。
お金の存在感が薄れるほど、健康や時間、人との関係といった、本当に重要なものが自然と前に出てくる。その状態をつくれることこそが、僕にとってのお金の大きな効力でした。
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