世の中には「コントロールできないもの」があります。
例えば、天候、経済・社会情勢、老化、他人(の感情)などです。
そんな「コントロールできないもの」が原因で何かモノゴトが上手くいかないとき、サラリーマンの頃はストレスを感じて「ついてない!」とか「なんでこうなるの!」といった感情が湧くこともありました。
ところがFIRE後は「割り切り」ができるようになります。
それは「人間ができて心が広くなったのか?」と考えてみたわけですが、それはどうも違うのだということが、そんなFIRE生活とコントロールできないものの関係から見えました。
コントロールできないもの
まず、個人の力でコントロールできないものとして主要なものをリストします。
例えば、
天候:人間の力で左右できない天候で、計画していた旅行が中止になったりイベントごとを楽しめないことがあります。
経済・社会情勢:経済や社会情勢の変化によって生活での収支(税金、出費、資産運用からの収益)の影響を受けます。
老化:年齢とともに身体機能が低下するのも避けられません。
他人:他人の行動や感情は自分の思い通りにコントロールできません。
他にも沢山あるとは思いますが、僕が影響を受けている(受けていた)これら代表的なものを少し掘り下げます。
天候への対処
最も頻繁にあるのが旅行などが台風でキャンセルとなったり、旅行先のせっかくの景観が天候で楽しめなかったりとなることです。
そんな天候は個人の力ではどうしようもないのですが、やっぱりうまくいかないと「ついてない」と思って嫌な気持ちになります。
多少、旅行を計画するうえでは統計データ(例えば、南の島に行くときはその月の平均降水量やら台風発生の発生可能性など)を探ったりしますがそれも確率を下げるだけでしかありません。
あるいは雨が降った時のアクティビティとして代替案を考えておくなどの対処です。
サラリーマンの頃はそれでもやはり上手くいかないと「せっかくの休暇での旅なのに」とイラっとするわけですが、リタイア後は「天候に恵まれなかったらまた次回行けばよい」と、時間が豊富にあるがゆえの割り切りができるようになりました。
時間という解決策です。
経済・社会情勢への対処
サラリーマン時代の給与は、経済や社会情勢の変化で、会社が利益を多く出したとしてもそれで給与が著しく上がることもなく、かといって業績が悪くなったからと大幅カットもありませんでした。
それだけ経済や社会情勢の変化を会社が吸収していたといえます。
リタイア後はそんな安定性ある給与収入がなくなるので、物価高や経済市況が悪化すれば生活支出が増えたり投資収益が減ったりとより直接的な影響を受けます。
経済や社会情勢の変化はコントロールすることもできなければ予測もできません。なのでせいぜい家計が破綻しないよう最悪シナリオを見越して予め対処することしかできません。
それゆえリタイア資金をしっかり確保したり、万が一の時は生活費を切り詰めたりライフスタイルを変更するバックアップ方法を考えておく程度です。
そういった意味では「お金」という解決策を取ったといえます。
老化への対処
加齢とともに体力も低下したり健康も損なう可能性が高まります。
そんな老化現象ですが、なるべく影響を受けないように毎日運動をしたり健康に気を遣った食生活をしたりしています。
サラリーマンの頃は、そもそも働きすぎで健康を害したり、仕事のプレッシャーなりのストレスも健康に悪影響を及ぼしたり、加えてプライベートの時間も限られているので毎日運動するといったこともできませんでした。
リタイア後はこうして可処分時間が増えたことで運動する時間をしっかり取ることもでき体力面もそうですし、ストレスが少ない生活から精神的な健全化もできています。
これも解決策は時間というものです。
他人(人間関係)への対処
人の気持ちは自分でどうこうコントロールできるものでもありません。(機嫌を取ることはできるかもしれませんが・・)
そんな自分の力ではどうしようもないことを、サラリーマン時代は仕事のために、上手にやりくりをしないといけませんでした。
当然ながらリタイア後はこうした人間関係は整理をできるので何ら不要なものを対処する必要がありません。
不要な人間関係を整理する(断捨離する)といったことでそもそもコントロールできないものを捨てるということです。
これは経済的自立をすることで働く必要がなくなったという意味では「お金」が解決したとも言えます。
終わりに
以上の通り、リタイア後は「コントロールできないものごと」に対して「なったらなったで事後対処すれば良い」とか「不要なものは捨てれば良い」との割り切りの構えになります。
それができるのが「時間とお金」で、
時間→天候や老化
お金→経済・社会情勢や人間関係
といった解決関連性になっていると思います。
いまのリタイア生活は、サラリーマンの頃よりも「コントロールできないものごとに自分の気持ちや生活が左右されるのは意味が無い」と心底割り切れるようになっています。
それが生活上のストレスを無くしQOLを上げる大きな要因でもあります。
それは「心が広くなった」ともいえる状態ですが、こうして分析するとなんら「人間ができた」とかではなく単に「時間と資産でコントロール不可なことをより解決できるになっただけ」という落ちでした。
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