人間は1億円ないと自由になれないのか?

2025-06-30

経済的自由・FIRE

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FIRE(経済的自立と早期リタイア)が身近に語られるようになった今、完全リタイアを前提にすると「資産1億円」はひとつの基準として意識されています。

確かに明快な数字ですし、「1億円を達成して仕事を完全に辞めよう」といった目標としても自然なのでしょう。

ただ実際には、経済的・精神的にも自由になるうえで、1億円の有無が本質的な分かれ目になるとは限らないと思います。

今日はその理由について綴りたいと思います。

「1億円にこだわる人」の違和感

FIREを目指している人の中には、「とにかく1億円が必要だ」と考えている方が少なくありません。

しかしその背景には、そもそもその金額の根拠が曖昧なまま、がむしゃらに追ってしまっているというケースがあるのではと感じます。

つまり、「どんな生活を送りたいのか」、「月にいくらあれば満足できるのか」、「どのような人生を歩みたいか」といった前提が曖昧なまま、ただ「目立つ目標」としての「1億円」という数字だけを信じてしまっているように見えるのです。

これでは、目的と手段が逆転していると言わざるを得ません。

自由は分解すると見えてくる

では、あらためて「自由」という言葉を因数分解して、その構造を明確にしてみます。

自由とは、以下のようなものだと僕は捉えています。

①やりたくないことをやらなくて済む自由

②お金のかかる選択肢を選べる自由

③時間の使い方を自分で決められる自由

④他人の期待から離れて自己決定できる自由

⑤人生を自分で設計できる自由

これらは、必ずしも「1億円を超えたら自動的に得られる」というものではありません。

それより、「自分にとっての”納得資産”」がどこにあるかを理解することのほうが、はるかに重要だと感じています。

納得感は、使ってみないとわからない

ただし、この「納得できる資産水準」は、資産形成期には明確に定められません。

僕自身も当時、「基本的生活なら月○○万円で暮らせるが、リタイア後、旅行や趣味などゆとりある生活をするなら月△△万円が必要かも」と、あくまで仮説ベースで考えていました。

その感覚が本当に妥当かどうかは、実際にリタイア生活のなかでお金を使ってみなければわからないというのが正直なところです。

僕がリタイア生活を通じ、実際に時間とお金の使い方に自由ができてはじめて、「基礎生活費」と「ゆとり費」の黄金バランスがどの程度か、体感として見えてきました。

それは、「基礎生活費:ゆとり費=1:1」という比率が、自分にとって心地よく、納得できるバランスだというものです。

FIRE後の「ゆとり比率」を分析した(2024年実績)

自由と1億円を対比した

この納得感を得た上で、先ほどの5つの自由について、「1億円がなければ実現できないのか?」という視点で再確認してみました。

① やりたくないことをやらなくて済む自由

→ 仕事をしないで暮らすには、基礎生活費を満たせば十分に実現可能。

② お金のかかる選択肢を選べる自由

→自分の興味関心のキャパ次第ですが、そのキャパを埋める「コスト」 として、旅行・娯楽・恩返しや自由投資予算で自分のやりたい選択肢はカバーしている。

③ 時間の使い方を自分で決められる自由

→ 「やりたくないことをしない」、「自分の感性に素直に反応する」ための土台があれば自分の時間を自由に、そして創造的に決めていける。

④ 他人の期待から離れて自己決定できる自由

→ ①の自由があれば、他人への忖度することもなければ、お金のために他者の期待や依頼に応えることからも不要であり自由だと感じる。

⑤ 人生を自分で設計できる自由

→ 健康寿命の間であれば、「やりたいこと」が多少インフレしても、生活費:ゆとり費=1:1.5 程度で十分にカバーできる。

このように、自由を存分に味わうために「1億円」が絶対条件ではないと、リタイア後、体感としてわかってきました。

ただ、実際にリタイア生活を送ってみないと見えてこないことがたくさんあり、それは、自分の「A.基礎生活として望んでいる生活水準レベル」、「B.興味関心を満たす必要コスト」、「C.消費欲の大きさ」、次第(僕はほぼA+B)ということを感じます。

終わりに

人間は1億円ないと自由になれないのか?と問われたら、僕は「それは違う」と答えます。

本当に必要なのは、前述にあげたような自由の種類をもとに、「自分に心地よい自由な暮らしは何か?」と自問し、それを見つけることが大事です。

そうすれば、そのためにどれくらいの資産があれば安心できるかもわかりますし、あとは、実生活を通じて満足できる自由であるかの納得感を得ることだと思います。

1億円を「仮の目標」として置いておくことは否定しませんが、自分のめざす「自由」の解像度を上げ、必要な所要額(=納得資産)を探ることも大事なアプローチだと思います。


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自己紹介

2022年3末に完全リタイア。FIREの自由で創る”自分らしいセカンドライフ” としてFIRE-Driven Lifestyle Innovationをテーマに、日々の気づきや経験を発信して精神的に豊かなFIREを応援します。
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