アーリーリタイアをしてから、通勤電車とはまったく無縁の生活になりました。
出かける用事があっても、平日の朝の通勤時間はなるべく避けるようにしているからです。
ところが先日、やむを得ない用事があり、朝8時頃に地下鉄で移動することになりました。
久しぶりに、通勤ラッシュの電車に乗ることになったのです。
朝8時のホームが“異空間”に見えた
駅の階段を降りる途中、暑さのなかをスーツ姿で歩くサラリーマンの姿が目に入りました。
「そうだ、これが“通勤”だったな」と、思わず昔の自分を思い出しましたが、同時に、「この暑さでスーツは大変だな・・」、「もう自分には無理だ」とも感じました。
通勤のストレスに加え、この暑さのストレスは、もうリタイア民の体には適応不可能な気がします。
そう考えながら、階段を降りきったタイミングで、ちょうど電車が発車しようとしていました。
僕は運よく、最も近くにあった1号車に飛び乗ることができましたが・・。
車両が・・
乗車した車両はやや空いていて、僕は車内の後方に向かって歩き始めました。
すると、なにかがおかしいのです。
座っているのも、立っているのも、すべて女性・・「あれ、女性ばかり?」
ふとドアの横に目をやると、そこには「女性専用車両」の文字がありました。
「しまった!」と内心で焦りましたが、すでに扉は閉まっており、次の駅までどうすることもできません。
目立たないように、移動もやめて、無言で窓の外を眺めて過ごしました。
次の駅で男性が乗り込んできた
次の駅までの2分がすごく長く感じられました。
ようやく到着すると、今度は男性客が次々と乗り込んできます。
「・・え?」と一瞬戸惑い、ドアの案内表示を見てみると「女性専用車両 ~8:00まで」とありました。
時計を見ると8時3分。
「あ、僕が乗ったのは8時1分だった。ぎりぎりセーフだった・・!」と胸をなでおろしました。
ルール違反ではありませんが、それでも場違い感は否めず、気まずさと寿命の縮むような気分が残りました。
終わりに
今回の一件は、結果的には笑い話で済んだ失敗でした。
FIRE生活で得た「自由な時間感覚」と引き換えに、サラリーマン時代の感覚を忘れていくものです。
ましては「通勤」なんていった会社員時代の「大変で辛い部分」を喜んで思い出すなんてことはしないので、結果、こうした「社会との感覚のズレ」も生まれてしまうのでしょう。
ですが、そんなズレも悪くないかもしれません。
会社員の頃の「女性専用車両=当然の存在」が、こうしてリタイア後は、「そんな車両が必要な世の中こそ異常」と思うわけで、ある意味まともな感覚に改善されたのだとも思います。
それもFIRE生活の良さです。
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