アーリーリタイア生活に入ると、サラリーマン時代が別世界のことのように感じます。
それだけ距離があるサラリーマン時代のことでも、なかなか心から薄まっていかない「後味の悪い経験」でのネガティブな気持ちがあります。
それは仕事で「感情のまま怒ってしまった出来事」です。
「叱るべきところを怒ってしまった」という理性に欠けた行動にマイナス感情がこびりついている気がします。
今回、リタイア後も引きずる「感情のまま怒ること」を掘り下げて、アンガーマネジメントの大事さなど、現役時代の人に伝えたいと思います。
怒ると叱るの違い
ちなみに「怒る」と「叱る」の違いを認識されていますでしょうか?
「感情のままに相手を怒る」のが「怒る」で、「仕事の目標に沿って相手を正しい方向に導く」のが「叱る」です。
こうした違いを頭で理解をし、仕事の局面でも「怒るより叱る」を心がけていました。
ですが稀に怒ってしまうことがありました。
怒らずに叱ることはあらゆる場面で重要です。
仕事に限らず子育てでも、危険なことをする近所の子供に対しても、適切に優しく叱ることが必要な場面も出てきます。
怒ってしまったシチュエーション
和気あいあいと楽しく仕事をするのが理想で、怒ったりしてピリピリ緊張感のある雰囲気は居心地を良く感じません。
きっと、根が平和主義ゆえ怒るのも嫌ですし、人が怒鳴ったりしているシーンに遭遇するのも嫌です。
それでも仕事のなかで、こうした気持ちに自分がなってしまうことがありました。
チームで打ち合わせをしている時、仕事の目標を達成しようと協力する姿勢に欠けたり、チームの意欲や士気を削ぐ発言や行動を目にした時などです。
「皆も一生懸命に目標達成方法を考えているのになぜもっと協力しないの?」とか「なんで頑張れないの」と批判的に厳しく言ってしまいます。
「じゃあ目標達成には何が必要?」と聞いても提案がなかったり「できない」とか「無駄だ」という返答に「やりもしないで何がわかる」と怒ってしまう具合でした。
思い返すと、会社の目標やゴール達成のプレッシャーもあったり自分自身に余裕がない時期だったと思います。
自分の怒りを分解すると
そんな怒りを深く分析すると、組織として厳しく求められる目標や成果に対し「全力で努力すべきだ」とか「お互い協力すべきだ」といった自分の価値観やスタイルにこだわっていたからです。
それに沿わない発言や行為がとても嫌に感じて拒否(あるいは自己防衛)をしていたのだと思います。
自分が大切にしたり拘っていることに固執して感情で怒るより、理性的に「事実」や「理由」をもって叱るべきでした。
事実とは例えば「目標達成のためのアイデアがチームから沢山出てきているじゃないか」といったことで議論の必要性を説明したり、理由とは「目標達成方法をチームで議論することでお互いに新しい学びがある」といった理由を説明したりすることです。
自分の好き嫌いとか大事にしているマイルールを押し付けたり不足を批判したりしないことです。
自分の至ら無さであり相手に期待しているから
こうしたことは、仕事に対する自分の熱意があるときほど、怒りとは紙一重の状態だったとも思います。
ちなみに僕と対極の考え方をした人がいて、びっくりしたことがあります。
同じ立場にいる他のラインの人はある意味、利口に対応していました。
「社員を怒って反感を買っても、自分のマネジメントができていないというリスクになるだけ。そんな社員は放置しておけばいい」といったことを言う人がいました。
怒りも叱りもせずに放置する。自分が損とならないよう切り捨てるような割り切った考え方です。
社員の成長や育成も考えて相手に働きかけることは、そうした感情面のリスクがあります。それを取るべきか、無駄なリスクを背負わずに放置すべきか・・。
相手に期待しないことが良いことなのか、悩ましいところですね。(が、僕はどうも前者で期待してしまいます)。
アンガーマネジメントについて
こうした局面でアンガーマネジメントという自己管理の手法があります。
僕のように相手に期待したり成長を願ってしまうタイプならなおさら、そうならない時の自分の焦りや怒りをコントロールする義務もあります。
怒りの損得や原因を理性的に特定し、適切に感情をコントロールする方法です。
怒りを抑える方法や正しい叱り方などもスキルの1つです。
僕の場合、アンガーマネジメントで学んだことは、「自分の怒りは自分の拘りや価値観が原因」ということに気が付いたことです。
原因がわかることで「自分の価値観を押し付けていないか、それが怒りの原因ではないか?」と自問します。
それでも自分を100%コントロールするのは簡単ではありませんが、「自分の価値観や拘りをリリースしよう」と緩めて解決することがやり易くなります。
終わりに
アンガーマネジメントの極意は「自分の受け取り方を変える」という自分自身で解決を図ることです。
リタイアをした今でも心から離れないのは、僕は「多様性」を重んじていたのに、なんら自分が多様性を受け入れた対応ができていない、という自分への不甲斐なさです。
仕事上の目標などで切羽詰まっている場面で、自分の価値観や考え方を強要することだったり、相手の成長を願っているといった自分の傲慢さかもしれません。
それも含めて、実は問題は相手というより自分自身にあるもので、それを変えることがアンガーマネジメントです。
さて、ネガティブな感情がなかなか薄まらないのはなぜか?
僕は仕事の対応は淡々として理性的でしたが、内面的にやや熱めだったのか、チームに対して思いや愛情が少し強かった分、傷つけてしまったと後悔があるのだと思います。
いま現役サラリーマンの方で、仕事や人的関係に熱いタイプの人は、アンガーマネジメントを体得実践することが必須です!
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