「富裕層の人口、トップはNY=東京2位―英社調査」の記事について思うこと

2023-04-19

投資 日常の雑記

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今日は複数のメディアで「世界の富裕都市のランキングで東京が世界の第2位に食い込んだ」という記事を見ました。

この記事によると東京都のミリオネア(USD100万=1 Million)、つまり億万長者というのが29万人いるというものです。

東京都の人口は1395万人(*1)なので、人口比率でいけば2.1%という計算になります。

*1:23区だけでなく東京都の数値です。東京都発表。

そうなると「50人に1人がミリオネア」ということですね。

皆さんはこれが多いと思うか少ないと思うか、いかがでしょうか?

僕の感想

この記事を読んで直感的に感じたことは、

・東京都の億万長者(ミリオネア)が50人に1人というのは多すぎる気がする

・東京都の億万長者(ミリオネア)の数が世界第2位というのも高ランキングすぎる

・その億万長者の人口の伸び率がマイナス5%であり、記事では「景気の悪さ」を指摘しているが、的外れな気がする

といったことです。

それぞれ見ていきます。

記事について

この記事は、原文はHenley & Partners社(英国コンサルティング会社)が最近発表したもので、これを時事通信が日本語化して配信したところ、複数のメディアに取り上げられています。

原文では、HNWIs(High-Net-Worth Individuals)、つまり日本語訳で「富裕層」と言いますが、その定義を「投資可能な財産を100万USドル以上を所有する人」としています。

投資可能な財産は、原文で「investable wealth」となっていて、およそ自己の居住用不動産は含めませんが、投資用の不動産は含められます。コレクション収集する美術品、骨とう品、ワイン等々の財産や耐久消費財などは含みません。

配信された記事の原文は以下の通りです。

英コンサルティング会社ヘンリー・アンド・パートナーズ(H&P)が18日発表した「世界の富裕都市」ランキングで、こんな結果が明らかになった。2位には東京が食い込んだ。  トップ10には、米国と中国(香港含む)から3都市ずつがランクインした。両経済大国の主要都市に富が集まっていることが改めて浮き彫りとなった。  H&Pによると、昨年末のニューヨークの富裕者は34万人。東京は29万300人だった。ただ、ニューヨークが10年前と比べて40%増だったのに対し、東京は5%減となり、景気の勢いが反映された形となった。
10億ドル以上の資産を持つ層に限ると、東京は23位に後退する。  H&Pは、ニューヨークのほか5位に入ったシンガポールなどは、外国からの直接投資の見返りに居住権や市民権を付与する制度を持ち、投資を積極的に奨励して富裕層を呼び込んでいると分析した。(出典:https://news.yahoo.co.jp/articles/5a2298a9941692939049169249e1d1d94e8c851e)

億万長者が29万人(50人に1人)

今回のデータは投資可能な財産(investable wealth)なので、投資用不動産を含めることが可能となります。

すると、野村総合研究所が発表する有名なピラミッドで使われる定義の「純金融資産保有額」よりも、その不動産評価額の分、より多くの人が富裕層に該当してきます。

ただし、不動産経営をしている富裕層は、借入金でレバレッジをしているので、そうした負債額を引くことになりますし、当然、自己利用の居住用不動産はこの投資可能な財産には含まれませんので、50人に1人というのは、やや多い気がします。

なお、野村総合研究所のデータについて少し言及した記事がこちらです。

https://www.tokyoearlyretirement.com/2023/03/blog-post_31.html

億万長者の多い世界第2位の都市

都市別ランキングでは、億万長者の数を比較しているので、人口の多い都市ほど有利です。

ましては、この都市上位に中国勢が少ないというのが実態です。

上海(2971万人)、北京(2096万人)、重慶(1646万人)、天津(1382万人)広州(1368万人)など、東京より人口が多く、貧富の差があるとはいえ富裕層も多い中国勢が上位を独占しても不思議ではありません。

ただ、某国で個人資産を公表する勇気をもった人は多くないでしょうし、統計を取れているのか?といった疑問もあります。

億万長者の人口の伸び率がマイナス5%

なお、前年度から億万長者の数としては東京がマイナス5%だとのことですが、この調査が実施された時期(年末)で比較すると、2022年末は2021年末より、為替レートだけで85%ほどに減ってしまいます。

つまり、2021年末に億万長者に該当していた人も、その試算が85%になって、該当しなくなった割合も多く含まれるはずです。

マイナス5%というのは、そうした為替レートの要因であって、記事に書いているような「景気の勢いが反映された」という点には違和感を感じます。

終わりに

以上が今日、目にした記事についてのざっとした感想です。

ちなみにHenley & Partners社(英国コンサルティング会社)は、富裕層が資産をグローバル分散させたり、税制の有利な国への移住についてのアドバイザーでもあるので、何かと、都市別に「魅力があるのはどこか」といったことを追っかけています。

東京が第2位として注目されるのは良いですし、実際、外国人が日本の不動産を買ったり、日本のVISAを得たり、口座を開設するなど、日本人が海外諸国でそれをやるよりも楽な面もあります。

もちろん、海外からの投資誘致のため特別なプログラムを作っている諸国・都市もあり、そこと比較すると、日本・東京の立ち位置はやや中途半端な面もありますが。

日本円を持っている日本人の富裕層は海外に資産を逃がし、一方で強い外貨を持っている外国人は日本買いをする、ということが進んでいくと、いったいどうなるのかと、複雑な心境です。



自己紹介

2022年3末に完全リタイア。FIREの自由で創る”自分らしいセカンドライフ” としてFIRE-Driven Lifestyle Innovationをテーマに、日々の気づきや経験を発信して精神的に豊かなFIREを応援します。
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