FIREや早期退職など大きな局面で判断が迷う背景には、判断材料の不足よりも、「価値観が曖昧」という構造があります。
なので迷いを無くすには、端的には「価値観の核に照らして判断する」ことが必要です。
でもこれは難しく、例えば「なぜFIREするの？」という質問に明確に自信をもって答えられる人も少ないのと同じです。
僕自身、FIREをして4年経過のなかで、その価値観も微妙に揺れています。
そこで、今回は少し乱暴ながらFIREの実現タイプを4つにわけて、それぞれ典型的な価値観を反映してみました。
FIREでの価値観とは何か
FIREをするうえでの価値観というは、「どう生きたいか」、「何に幸福を感じるか」といった、経済的自立や早期リタイアの行動の奥にある根本的な欲求です。
その欲求を大きく分けると、次の4つの分類になると考えています。
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開放型FIRE（仕事や制約から解放されている状態が幸せ）
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自由型FIRE（働く・働かない等を決められる状態が幸せ）
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探求型FIRE（やりたいことに時間を費やせる状態が幸せ）
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転換型FIRE（生き方や自分のアイデンティティを変えたい）
同じ「FIREをしたい」でも、価値観が違うと必要な資産額も、判断基準も、リスク許容度も異なります。
僕のFIREスタイル
僕自身は、FIRE前は「自由型ｘ５割、転換型ｘ3割、開放型ｘ1.5割、探求型ｘ1.5割」というイメージでいました。
実際、僕の価値観のコアは自由型で、「人生で選択肢がある状態がなにより居心地がよい」とブレることなくずっと感じています。
「仕事をする・しない」の選択で「しない」を選び続けていることも、「いつ、誰と、どこで、何をする」も自由に決められる、そんな「自由裁量」が幸せの源泉です。
ただ、振り返るとその価値観（欲）は少しブレがあります。
・FIREの初期→「会社からの解放状態（開放型）」が6割を占めていた
・FIRE１～2年→解放感は漸減していき、「自由型が5割＋転換型が４割」となった
＊転換＝会社員やその習慣、発想を捨てきって、FIRE後は違う考え方や行動を取りいれた
・FIRE3年経過→FIRE生活の日々がルーティンとなって暇ではないが退屈を感じたので、それを補完するため探求が増えた（自由型5割＋探求型４割）
＊FIRE3年目から自由投資予算を作って新たな探求をやりだした
結論、僕の価値観のコアは「自由型」ながら、その他は時系列で価値の重さが変化しました。
なので、判断においては「コアは変化が少ないので見誤らない」が鉄則です。
また価値観の変化は内的原因でも起こりますが、実際にFIRE生活をしていると外的要因も受けながら軌道修正することもあります。
FIREスタイルへの誤解
外的要因とは、世間や異なる価値観から見たもので、実際、FIREの各スタイルは以下のような「誤解や批判」の対象だと思います。
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開放型 → 「節約して意味があるのか？」と理解されない
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自由型 → 「好き勝手にして社会貢献していない」と批判や嫉妬が生まれる
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探求型 → 「やりたいことだけやっていて成長にならない」と言われる
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転換型 → 「何がしたいのか分からない」と不理解の対象になる
こうした批判が出ても、自分のコアとなる価値観はおそらくブレることはありませんが、もしかしたらサブ価値観は、外的影響も受けながら重みが変わるかもしれません。
とはいえ、そんな修正も世間の評価に流されるというより、自分の価値観に沿って自己判断で調整すれば良いと思います。
終わりに
こうした代表的なFIREのモデルから価値観を分けてみましたが、その価値観も変化するので、まずは「仮判断」として自分が大切にしたいことをしっかり見極めることが大事です。
また、FIRE後も、他者や世間の批判に触れることで、自分の型に気づき、微調整するプロセスも決してマイナスではありません。
実際、僕自身もFIRE4年が過ぎるなか、ブログ発信を通してこのテーマ（FIRE）を深掘りしてきましたし、価値観のコアやサブが「収まるところに収まってきた」という気がします。
それゆえ、FIRE4年目の終わりとなる2026年3月末で今の状態に一旦区切りをつけようと考えているのも、こうした価値観に基づくリセットという理由でもあります。
次回、第3弾では、「他者の視点で仮判断のズレを点検する（判断は委ねない）」をテーマに、判断プロセスに他者をどう関わらせるかを掘り下げます。
