「無定年で働ける自分を作ろう・・」。
FIRE生活を送る僕とは「真逆」の考え方の記事(以下)を読み、考えさせられるものがありました。
定年してからでは遅すぎる…「一生、仕事とお金に困らない人」が50代までに始めていること
この記事は、年金だけで暮らすのが難しい時代に備え、50代のうちから次のキャリアを見据えた「キャリアトッピング」をして、無定年で働ける自分になろう、という内容です。
これまでの仕事に新たなスキル(たとえば英会話などの汎用スキル)を身につけ、定年後は個人事業主として働き続けるなど、キャリア開発の方法を論じています。
主張者(キャリアコンサルタント)の立場からは、とても筋の通った現実的な提案だと思います。
ただ、50代以降の人生設計としては違和感もあり、今日はその違和感を起点に、FIREから見た人生設計を総括してみます。
人生設計の大前提が「働く力の延命」である点
僕が最も引っかかったのは、老後不安への答えが一貫して「働き続けられる自分をつくること」になっている点です。
働くこと自体が悪いわけではありません。
問題は、「老後が不安だから」という理由で、その不安のほぼすべてを“労働力の延命”で解決しようという前提です。
スキルを積み上げることで安心を得たい気持ちは分かります。
ただ、不安の根本がどこにあるのかを見ないまま、上からスキルを塗り重ねても、不安は形を変えて残り続けます。
「働けるかどうか」よりも先に考えるべき問いが、確実に存在すると思います。
FIREが突きつけてきた、もっと根源的な問い
僕がサラリーマン時代の老後やFIRE生活で、何度も考えていた問いがあります。
・自分はどんな生活水準で満足できるのか
・その生活を続けるにはいくら必要なのか
これを具体的にシュミレーションしたり言語化をせず、「とにかく働き続ければ安心」という人生設計を選ぶのは、出口を見ずに走り続けるのと同じように感じます。
出口が見えないままでは、どれだけスキルを積んでも「足りない気」は消えません。
逆に、出口が見えていれば、「働く・働かない」、「どれくらい働くか」は後から決められる問題になります。
50代で本当にやるべき準備は何か
老後不安への対処は、働くことだけではありません。
まずは貯蓄額や今後の必要資金を現実的にシミュレーションし、不足が見えたなら、
・浪費がないかを見直す
・NISAやiDeCoなど制度をきちんと使う
・生活水準を下げても幸福でいられる条件を考える
・健康や、お金のかからない楽しみを育てる
など、人生設計をコントロールする選択肢は無数にあります。
特に、仕事に関するスキルトッピングに全力を尽くす前に、時間と共に効果が伸びる「投資や健康」にどう向き合うかも、早い段階から手を打てば打つほど効果も大きくなります。
だからこそ、50代までに準備すべきなのは、スキルの上積みよりも「どこまで行けば十分か」という出口戦略をまずは立てることだと、僕は思います。
終わりに
働き続ける人生設計を否定するつもりはありません。それが合う人も、必要な人も確実にいます。
ただ、それを老後不安への唯一の答えだと思い込むのは、やはり危ういと感じます。
FIREを経験した僕にとって、最大の価値は「仕事をやめたこと」というより、人生を出口から考え直せたことだとも思います。
どんな生活を送りたいのか、そのための必要額は幾らか。
こうした問いに向き合えば、50代までにしておくべき準備やその優先順位も見えてきます。
その検討のうえで、仕事をどうするかを考えれば、おのずと、記者のいう「スキルのトッピング」が何であるべきかも、答えが見えてくる気もします。
くれぐれも、思考停止させて無定年を目指して走り出すのは控えるべきと感じます。
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