読者の方から、こんな質問をいただきました。
「WATARUさんは“お金に囚われない工夫”をされていると書かれていますが、私はお金の不安があり、その正体もよくわかりません。どう理解すればいいでしょうか。」
とても本質的なご質問ですし、FIRE前の僕も、まさに同じ壁にぶつかっていました。
今回は、「お金の不安はどこから生まれるのか」、「どうすれば扱える形にできるのか」について、実際に僕自身がFIRE後の対処方法も踏まえてどう取り組んできたかを綴ります。
お金の不安は“ひとつではない”
まず最初にお伝えしたいのは、お金の不安は1種類ではない ということです。
よく「貯金が足りないから不安なのでは?」と言われますが、実際はもっと広い範囲に散らばっていると思います。
ちなみに僕は大きく①外的な不安と②内的な不安 に分けて考えるようにしています。
この2つが混ざったままだと、不安の正体がつかめなくなり、「なんとなく怖い」という曖昧な不安が膨らみます。
外的な不安:自分でコントロールできない領域
外的な不安とは、例えばこんなものです。
・インフレ
・市場暴落や景気後退
・健康の悪化
・長生きリスク
・税制の変化
どれも「自分ではコントロールしにくいもの」ばかりです。
そして厄介なのは、こうした外的要素ほど、漠然とした恐怖に姿を変えやすいという点です。
FIRE前の僕も、外的リスクばかり注視して疲弊していました。
内的な不安:自分の中で未整理なる領域
一方、内的な不安は、自分で扱える可能性が高い不安だと言えます。
・今後の収支がざっくりしか見えていない
・生涯のイベント支出を把握していない
・どの程度の資産で安心できるかが決まっていない
・どんな生活をしたいかが曖昧
・仕事するorしないに基準がない
これは外部の問題ではなく、「決めていないから不安」なだけの領域 です。
実際、僕自身の不安の8割は「内的な未整理」から生まれていました。
僕が手を付けたのは「資産シミュレーション」
僕がFIRE前に取り組んだのは、徹底した資産シミュレーション です。
これは外部リスクを予測する作業ではなく、「自分の人生設計を決める作業」 です。
具体的には、
・どんな生活を送りたいか
・年間支出はいくらか
・生涯イベントとその費用の洗い出し
・投資のリスク許容度
・資産がどれだけ減っても耐えられるライン
これらを数字に落とし込みました。
そして、外的要因も織り込んで試算しないといけません。
つまり、外的リスクをいかに内的な計画に落とし込むかも大事となります。
こうして、曖昧だった不安が「扱える問題」になって大きく減りました。
僕が実際に行った不安対処のまとめ
僕自身、大きく整理すれば
①収支シュミレーションに反映させたもの
・インフレ→年2%増の支出増の前提で試算(現実は節約の工夫で対処)
・長生きリスク→100歳まで収支シュミレーションを展開
・どんな生活を送りたいか→FIRE後は生活レベルは同じかむしろ上げる
・年間支出→FIRE後に、現役時代の2~3割増しにしてシュミレーションし直した
・どんなイベントがあり、その費用はいくらか→イベントを全て洗い出せば不安は減少
②資産毀損シュミレーションで対応したもの
なお、次の3点についてはまとめて「資産毀損のシュミレーション」を個別に実施して対処しました。
・市場暴落や景気後退
・資産減少でも“耐えられるライン”はどこか
・投資のリスク許容度はどこか
資産運用中の各アセット毎のリスク(=資産増減の振れ幅)を「最悪事態で資産が〇〇%減る」と個々に設定し、資産が減った結果をもって総額を再計算したものです。
これが資産減少の耐えられるラインの内側にあり、その振れ幅(リスク)を許容できると結論付けています。
③自助努力で対処しているもの
・健康の悪化→リタイア後は毎日の運動、食生活の配慮、定期健診で対処(良くなった)
ほか、こうした不安が顕在化しないように、月1回の資産管理をして透明性を確保しています。また、その管理指標も出口戦略に合うように変更しました。
終わりに
お金の不安は、外的リスクと内的な未整理が入り混じったものですが、整理して分けることで軽くなります。
大切なのは、「自分で決められることは決める」ことと、「決められないことは現実的に備える」というシンプルな対処です。
税制改正や医療制度の負担増など、将来の不確実性は想定しても、問題が現れたら具体的に考える・・と僕は割り切っています。
また、お金だけで不安を解消する必要はありません。例えば「最悪、負担が増えたらアルバイトする」といった現実的な策を心に置くだけでも安心感は生まれます。
資産や数字で把握できることは管理し、コントロールできないものには曖昧な距離感で向き合う。こうした分散的な対処と全体の統合で、不安は減っていきます。
結果として、「お金に囚われない生き方」が自然と手に入る・・僕はそんな感覚を持っています。
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