後悔しないFIREを実現するには何が必要か?

2025-10-06

経済的自由・FIRE

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昨日のブログでは、「FIREは想像以上に暇だ」、「同僚の活躍を見て取り残された気がした」いった「FIRE後の後悔や不安」をテーマにしたオンライン記事を批評しました。

資産1億円超でFIRE後、「居酒屋バイト」をやるのか?

今日は、その記事で感じたモヤモヤの正体をいまいちど整理し、「後悔しないFIREを実現するには何が必要か」を考えました。

結論から言えば、問題の本質はFIREという仕組みや生き方そのものではなく、「自分のFIRE選択を肯定しきれていない心理」にあると感じます。

外の出来事に揺れているようでいて、実は「自分の(FIRE)決断に対する確信が揺らぐこと」が後悔を生むのです。

まずはこれを紐解きます。

後悔の構造:外的刺激ではなく内的揺らぎ

FIRE後の後悔は、多くの場合「外的要因」として語られる事が多いと思います。

例えば、辞めた会社の同僚が昇進した、企業業績が良くなった、社会的つながりが減った、FIRE生活が退屈だ・・などの外的要因です。

でも、よく考えてみれば、これらはあくまで「引き金」にすぎないと思えます。

本質は「自分のFIRE選択は正しかったのか」という決断に対する疑念であり心の揺らぎにあると思います。

同僚の昇進を羨ましく思うのではなく、「自分が選ばなかった道(会社員のまま)が価値があったのではないか?」という、通らなかった道に対する可能性への反応です。

FIREが退屈だと感じて再び仕事へ戻るのも、それは「暇を埋めるために仕事をする」ことになり、実際は「自分の選んだFIREの状態を活かしきれなかった」ことを、仕事という多忙のなかでごまかしているにすぎない場合があります。

外の出来事は、心の奥にある迷いを映す鏡のようなもので、後悔の根源はつねに「自分の内側」にある感情をどう整理するかにあると、そう考えて自分の気持ちの揺らぎに向き合うことが大事だと思います。

自己疑念が生まれる3つの心理要素

さらに「なぜ自分の判断に疑念が生じて気持ちが揺らぐのか?」と考えると、そこには一定の構造があると思います。

整理すると、次の3つの心理要因が洗い出されました。

① 自己成長の停滞感・・「進んでいない自分」への違和感

会社員時代は、昇進・評価・成果といった形で成長を可視化できます。しかしFIRE後はそれらの仕組みが消え、自分の成長を感じにくくなります。「暇だ」という感覚は、実は「時間」の問題ではなく「成長の軸という変化や刺激」を失ったサインかもしれません。

そもそも、自己成長というのは会社の軸だけでみるものでもないと思います。

それは、①頭(スキルや知識獲得=IQ)、②心(感情や精神性の成熟=EQ)」、③魂(人生の意味、存在意義=SQ)」、④体(身体的能力成長)があります。

僕自身、FIRE後に何がどう成長したかを過去に記事にしました。

FIREすると人として成長が止まるのは本当か?

また、会社員生活をどこまで「やり切るか」も関係します。

僕の場合は、会社員生活も長く、結果として「なんら向上したり新たな組織貢献を見出せない=停滞感」とか、「仕事を続けても向こう3,4年後を想像できてしまう=閉塞感」も感じて、自分の限界まで来たのでFIREしたからといって「しなかった自分」にモヤモヤせず、スパッと割り切れました。

早期リタイアを決意した2つの要因(停滞感・閉塞感)

② 自己効力感の低下・・「役に立っていない」感覚

会社という組織の中では、日々の仕事が誰かの役に立っていると実感できます。一方、FIRE後はその構造がなくなるため、社会的貢献の実感を得づらくなります。「誰かに感謝されたい」という欲求は、承認欲求ではなく、「自分が機能している」という感覚を取り戻したい自然な反応なのです。

③ アイデンティティの揺らぎ・・「肩書きのない自分」への不安

職業名や地位が「自分の一部」だった人ほど、それを失ったときの喪失感は大きいものです。「自分は何者なのか」という問いに答えられないままでは、自由の中で迷子になります。

FIREは経済的独立であると同時に、「肩書きに頼らずに自分を再定義できるか」という精神的課題でもあります。

なお、そもそもFIREをした人は自己肯定感が高い状態だと思いますし、僕自身、FIRE後の3年間の経緯のなかで、自分の存在意義を捉え直すようになりました。

FIRE3年後の変化:②無職&何者でもない自分からの変化

後悔しない状態の作り方

前述の①~③は、それぞれ対策があると思いますが、少し俯瞰してみると、これらの項目をどう攻略するか、大きなビジョンを持つのも良いのかもしれません。

つまり、僕の場合は、そもそも①の「進んでいない自分への違和感」は少ない状態でFIRE生活をスタートしていました。

大きかったのは③の自己アイデンティティーです。仕事や会社という枠のない自分をどう捉え直すかですが、これもFIRE生活での経験値が増えるごと、「同僚がまだ経験していない世界(FIRE)を積み上げている」という軸でアイデンティティーを作り直しました。

その結果、①の違和感も完全にありませんし、②の感覚もほとんど起こりません。

人によって、どの角度からメスを入れるか、順序性に個人差がある気もしますが、僕は、③→①→②と後悔の要因に対処してきた気がします。

終わりに

FIRE後の後悔は、他人の成功や社会の変化に反応しているようでいて、実際には「自分の選択への自己疑念」から始まります。

お金の多寡や生活環境ではなく、「自分の選んだ道を受け入れられるかどうか」がFIRE後の満足度を決める最大の要因です。

なので、後悔しないFIREとは、「選んだ自分を信じる力」を持つことにあって、あまり「正しい選択が何か」にこだわってもいけません。

経済的自立を頑張って達成したこと、勇気をもってFIREを決断した自分を「目一杯、肯定的に受け入れる」ことや、FIRE後の「肩書のない自分」を新しく作り直すぐらいの柔軟性を持てば、後悔や不安なくFIRE道が安定する感覚はあります。


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自己紹介

2022年3末に完全リタイア。FIREの自由で創る”自分らしいセカンドライフ” としてFIRE-Driven Lifestyle Innovationをテーマに、日々の気づきや経験を発信して精神的に豊かなFIREを応援します。
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