FIREを達成した直後、意外にも困ったのが「自己紹介」です。
サラリーマン時代なら「〇〇会社の△△です」 と名乗れば、それだけで自分の立ち位置が伝わります。
ですがFIRE後は、会社という肩書もないなか、自己紹介をするのも、職業欄に記入するのも悩みます。
こうしてアイデンティティが宙ぶらりんとなり「無職という何者でもない自分」といった自己認識になります。
これが3年を経ると、FIRE生活にも馴染んで「FIREそのものがアイデンティティになった」という変化が起きました。
今日はこの「FIREそのものがアイデンティティ」という点を綴ります。
FIRE直後のアイデンティティ
FIRE直後は自己紹介なり職業説明で手こずります。
例えば、、、
「無職」と言うとどこか気まずくなります。
「投資家」と言うと大げさに感じます。
「FIREしました」と言っても相手に伝わらないこともあります。
こうした「宙ぶらりん」な立ち位置になるのは避けられません。
ただ、捉え方は個人差があり、きっと「仕事のポジションこそが自分の価値だ!」という思いが強ければ強いほど、深刻なアイデンティティ喪失を感じると思います。
僕の場合、サラリーマン時代から会社が全てでも無かったですし、アイデンティティ喪失という思いはありません。
それでも「何者でもない自分に戻った」と、ゼロクリアーされた感覚はありました。
FIRE3年後のアイデンティティ
そこから3年が経過し、今は「FIREという生き方を追求することが、自分のアイデンティティだ」と感じています。
FIRE生活を振り返ると、会社員時代のように「仕事のスキルを磨く」なんてことはしていません。
「ちょっと変わった人生経験をして、おもしろい人間になるほうが良い」 ぐらいのカジュアルな意識でいました。
そもそも、定年退職という時間期限で会社から仕事を奪われた「ロス」というより、FIREを判断し自ら選んでサラリーマン人生をゼロクリアーした、そのスタート地点の立ち方の違いも大きいと思います。
そうしたマインドで始まるリタイア生活は、
・仕事の肩書きはなくても、FIREという生き方そのものが自分を表すものになった
・FIRE後の人生は「社会的な役割」ではなく「個人的な価値観」を軸に生きられる
・「仕事を続けていたら得られなかった経験」を積むことが新しい自分を作る
という思いが定着しますし、自分の中でFIREに対して肯定感を持っているからです。
また、自己満足にならない程度に家族や社会に役立つこともリタイア生活で考えたり実行したりするのも、自己肯定感を維持できる要素だと思います。
FIRE後にアイデンティティを失う人 vs 満たされる人
こうしたリタイアを契機に「アイデンティティを失う人」と「新しい自分を確立する人」はいると思います。
どちらの道を辿るか、そのタイプの違いも当事者として経験すると分かってきます。
FIRE後に喪失感を抱えやすい人
・「仕事をしないと自分の価値がない」と感じる
・仕事の役割や社会的な肩書きが自己肯定感の源だった
・FIRE後に「何をすればいいのか分からない」と迷子になる
FIRE後に満足しやすい人
・「仕事を辞める=人生の新しいフェーズ」と捉えられる
・仕事以外の軸(趣味・学び・新しい経験)を持っている
・「FIREという生き方をどう楽しむか?」を考え人生経験を積み重ねる
終わりに
以上、FIRE直後の「宙ぶらりんなアイデンティティ」は、3年が経過すると「FIREという生き方そのものがアイデンティティ」となる変化があります。
定年でアイデンティティロスをしたのではなく、自ら選んでアーリーリタイアしたからこそ、前向きに捉えていることも大きいです。
30年のサラリーマン生活を経てのリタイアは、それなりの年月の積み重ねでアイデンティティーはできていましたが、それもわずか3年(10分の1)のFIRE生活で、それなりのFIRE後のアイデンティティもできつつあります。
むしろ今は「会社という肩書きや会社の期待評価で作られたアイデンティティーなんてサラリーマン脳が生み出した(自分の実態がない)儚い幻想かも」と違和感を持っています。ランキングも参加してます。参考や気づきになりましたらポチっとお願いします。