リタイア後に「お金をどう使うか」は、多くの人に共通する関心事です。
老後資金が十分にあるなら自由に使えばいいという考え方もあれば、節約を続けるべきだという意見もあります。
ですが実際には、どちらが正しいというよりも「自分に合った心地よいお金の使い方」を見つけることが、後悔しないための鍵だと僕は思っています。
そして、その答えに至るまでには、誰もが試行錯誤を繰り返しながら寄り道をしていくのかもしれません。
今日は、ある記事で紹介されていた独身男性の事例を手がかりに、僕自身の経験も重ねながら考えたことを綴ります。
豪華な旅行から虚しさへ
記事に登場したのは河村達郎さん(仮名・68歳)です。
独身で、定年退職時には9,000万円近い資産を持ち、悠々自適の老後をスタートさせました。
彼は当初、その資産を背景に豪華な海外クルーズ旅行を繰り返しました。
しばらくすると「虚しさ」が残るようになり、やがて地域活動や人との交流に目を向けるようになります。
背景には「独身で遺産は国庫に行くのだから、いまのうちに使ってしまおう」という思いがありました。
つまり「どうせ残さないのだから浪費してよい」という発想が、豪華な消費の動機になっていたのです。
「余生は“使い切る”つもりだった。でも…」資産9,000万円・独身60代男性が“海外クルーズ生活”をやめた理由
必要な寄り道としての浪費
ただ、最終的に河村さんは地域活動にお金を振り向けるようになりました。
そこに至ったこと自体は素晴らしいことです。
なぜなら、お金の使い方の正解は他人の評価ではなく、自分が心地よいと感じられるかどうかだからです。
それまでの豪華な消費も、そこに辿り着くための「寄り道」だったのだと言えます。
無駄に見えるような支出も、そんな経験を通し、自分にとって大切なものを知るという欠かせないプロセスだったわけです
僕の辿り着き方(支出実験)
一方、僕はアーリーリタイア時点で節約マインドが強く残っていたため、河村さんのような大胆な浪費はしませんでした。
それでも自分にとって心地良いお金の使い方に辿り着けたのは、「節約マインドというブレーキを外す」という感覚で、一定期間、思いっきり支出する実験をしたからです。
支出上限を決めず、やりたいことにお金を使ってみたのです。
結果、やりたいこととして取り組んだの資格取得、習い事、頻繁な旅行、友人や家族との時間への投資などです。
旅行といっても滞在先はビジネスホテルだったり、移動もエコノミークラスなので、派手な贅沢ではなく、合理的な範囲で使っていました。
実験の結果、好きなことをあれこれやったところで支出は思ったほど膨らまず、せいぜい現役時代の1.3倍の支出でした。
そして、支出の中で「家族や友人との時間」や「思い出になる体験」にお金を投じることが最も自分にとって価値ある使い方だと体感できました。
終わりに
河村さんも僕も、単なる節約生活だけでは「心地よいお金の使い方」に辿り着けなかったと思います。
時に無駄に見える支出や実験を経てこそ、自分に合った答えが見えてきます。
リタイア後のお金の使い方は、最初から正解にたどり着くのは難しいと思っています。
だからこそ、寄り道もまた自然なプロセスとして受け入れ、自分だけの「後悔しない使い方」を探していくことが良いと感じています。
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