FIRE後は「お金を使う感覚」がどう変わったか?~経済観念

2025-05-24

アーリーリタイア生活

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FIRE後は「お金を使う感覚」、いわゆる経済観念が変化します。

経済観念とは、「お金の使い方・貯め方を支える、その人らしい感覚」のことです。

サラリーマンの頃は、「給与」という明確な基準があり、「基準を超えて支出したら赤字」とか「貯蓄は収入の〇〇%」と、給与収入が基準に、その振れ幅の許容度が経済観念となっていました。

しかしFIRE後は、給与に代わって資産所得(配当・利子・不動産収入など)が柱になりますが、それは変動が大きく予測しにくいもので、基準としては不安定です。

よって「新しい内的な基準」をもってお金の使い方を制御します。

今日は、僕がFIRE生活で実践している「内的な基準」について綴ります。

なお、結論からいうと、①数値的健全性、②精神的健全性、③方向的健全性、という3つのバランスで考えています。

①数値的健全性~「破綻しないこと」

FIRE生活を送る上で、まず何よりも重要なのは「お金が尽きない」ことです。

これは当然ながら、FIREという生き方の根本的な前提になります。

僕が実際に取り組んでいるのは、以下のようなシミュレーションです。

  • 資産寿命のシュミレーション

  • 経済恐慌での暴落シナリオ(資産毀損率)のシュミレーション

こうした「数値的な限界ライン」を感覚として持っていることが、精神的な安定にもつながります。

逆にここが曖昧だと、どんなに自由な時間があっても、心が落ち着かない生活になってしまうでしょう。

②精神的健全性~「使っても不安がないこと」

FIRE後の収入は不安定で変動が大きいため、「いくら使ってよいか」ではなく、「どこまで減っても不安がないか」が精神的な健全性の軸になります。

そこで、経済恐慌等の不況時に「投資中の資産が〇〇%減となったとして、自分が精神的に受容できるリスクラインは幾らか?」をシュミレーションしました。

そこで設定したのが「精神的に受け入れられる資産の下限ライン」です。

具体的には、僕の資産の約80%は投資にまわしており、それが仮に最大で3割毀損すると、投資部分は56%にまで下がります(80% × 70% = 56%)。*つまり、20%の現預金と56%の毀損後の投資資金で、合算=76%

この場合、資産全体が76%に減ったとしても精神的な健全性は保たれるというもので、これを抵抗ラインに支出や投資リスクを管理する発想です。

【FIRE資産防衛】暴落シュミレーションの再考

また、「使わなさすぎる」生活を送っていてもFIREの意味が無くなってしまいます。

そこで、結果的にはサラリーマン時代の支出額より3割増しの月次予算を設定し、積極的に使う設計をしています。

これは「基礎生活費+ゆとり費」という生活支出のうち、「基礎生活費<ゆとり費」となるよう、つまり「ゆとり比率を50%以上にする」と支出をコントロールしています。

これが自分の生活品質(QOL)を実感させてくれる基準値にしています。

FIRE後の「ゆとり比率」を分析した(2024年実績)

このように、「下限(不安)」と「使う喜び」の両面を意識することが、精神的な健全性につながっています。

③方向的健全性~「意味ある支出かどうか」

最後に大切なのが、「何にお金を使うか?」という方向性の健全性です。

FIRE後は、自由時間が増える反面、使い方によってはお金が「浪費」にも「投資」にもなり得ます。

僕は「方向的健全性」として、以下のような基準で支出を判断しています:

  • 自分の価値観・人生観に即しているか?

  • 時間・人間関係・経験の質を高めているか?

  • 自己満足や達成感につながっているか?

具体的には、「ゆとり費」に占める旅費・交際費・健康への投資などの支出課目は、僕の価値観に即していて、生活の質を向上させる満足感の源泉になっています。

加えて、2024年からは「自由投資予算」という新しい枠組みも設けました。

これは、生活費とは切り離して、「面白そう」「やってみたい」と感じたプロジェクトに、意図的に個別にお金を使っていく別予算です。

例えば、空き家のリノベ、子供との株式投資の共同実験・・・など、いろいろとプロジェクトを進行中です。

リタイア生活の刺激欲しさに思いついた自由投資予算

遊び心で挑戦!FIRE資金の自由投資実験録

FIRE後の経済観念の変化ーまとめ

この3つの軸を持つことで、FIRE後の「基準なき世界」でも、適切で健全な経済観念を維持できています。

つまり、FIRE後には外的な基準ではなく、自分の内的な軸をもとに再構築する必要があるということです。

僕のケースを表にするとこうなります。

終わりに

FIRE後の生活では、給与収入のような「わかりやすい基準」がなくなるからこそ、自分なりの経済観念を持つ必要があります。

僕の場合は、「資産シミュレーションにより破綻しない経済性」、「精神的安定につながる下限ラインと、生活満足につながるゆとり比率」、そして「意味ある支出」という3つの軸で、FIRE生活にあった経済観念を作りました。

それは単なるお金の使い方や貯め方ではなく、「FIRE生活をどう過ごしたいか」を具体化したものでもあります。

FIREは自由だからこそ、自分らしい判断基準で、自由と安心を両立したいと思います。


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自己紹介

2022年3末に完全リタイア。FIREの自由で創る”自分らしいセカンドライフ” としてFIRE-Driven Lifestyle Innovationをテーマに、日々の気づきや経験を発信して精神的に豊かなFIREを応援します。
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