【完全リタイア後の資産配分】現金比率を再考した

2024-02-07

資産額

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最近の為替変動、継続するインフレ、また完全リタイア生活での心境の変化もあって、目下、資産配分をリバランス中です。

今回、現金比率について改めて完全リタイアの視点で再考してみました。

年齢による現金比率の通説

まず、資産運用において世間では「年齢=現金比率」とするのが良いという通説があります。

ですがこれはFIRE民なら誰もが疑問に思うはずです。

なにしろ「20歳→20%、30歳→30%・・60歳→60%」といった率で現金保有しようというものです。

例えば、60歳になったFIRE民は「生活費<資産所得」とするには相当の額を持たねば生きていけません。

仮に1億円があったとしても6000万円を現金(もしくは流動性のある年率1%未満の安全資産)で保有し、残る4000万円を4%で運用することになります。

これでは税引後、1億円が年200万程度の資産所得しか生み出しません。

仮に資産が2000万円であるならば、うち、1200万円を現金で持ち、残る800万円を投資することになり、年間40万円の資産所得でしかありません。

やはり「率」で決めるのはかなりミスリードです。

アメリカを引き合いに日本人は貯蓄率が高いという理論

一方で、これは投資系の会社におけるポジショントークとしか思えませんが、アメリカにおける家計に占める貯蓄率動向をひっぱりだし、「日本は貯蓄ばかりだ」といった論調です。

これはアメリカの独自の社会保障制度の問題でもあります。

アメリカでは401K(確定拠出年金)が日本よりも先行して進んでいますし、それも日本のような国民健康保険がないため「自己責任で資産形成をして高齢となったら医療費を自己負担しなさい」といった実態です。

コロナ禍で暴露されている事実ですが、あれだけアメリカで高齢者で死者が多かったのも、風邪のような症状だからと救急車を呼んで入院するには、膨大な費用を捻出することになるので、それを躊躇する層が多かったという医療制度の現実もあります。

僕が現地に住んでいた頃は子供にしろ自分にしろ、病院にアポの電話をかける時はかなり面倒でした。

なにしろどの病院に電話をかけてもまっさきに聞かれるのは症状の詳細ではなく「Are you insured?」と「保険に入っていますか?」から始まります。

いちいち保険会社名から契約番号を告げなければアポの手続きに進めないぐらい面倒です。

海外を引き合いに「投資せよ」という論調も、鵜呑みにしてもいけません。

やはり「自分として最適な現金比率がいかにあるべきか」に向き合うことが大事です。

現金比率は「リスク許容度」の捉え方次第

やはり保有すべき現金というを「率」で定めるのはおかしな話で、現金としてそもそも幾ら持つべきかを定めることが必要です。

僕の場合、結論としては生活費x18か月分としていて、それは以下の4つの合算です。

①生活費:リタイア後の生活費や定期的な支出として必要なもの

②緊急時対応資金:医療費など計画にない突発的な支出に対応するもの

③ライフイベント準備金:計画的なイベントに支出するもの

④取り崩し資産:当面の資産を取崩すこの段階で確保しておくべきリザーブ分

仮に定期収入がありそこから生活費をカバーできるなら、①の生活費や②の緊急対応の資金リザーブは少な目でも良いでしょうし、とはいえ定期収入がなかったり不安定な職なら少し多めにとるべきです。

また、③のイベント的な支出や緊急的支出も、④の有無も、ライフスタイルやライフステージに関連するのでかなり個人で事情は異なってきます。

なお、現金といっても普通預金で保有しているわけではなく、1年以内に現金化される円建ベースの定期や短期債券など含めています。それは「個人バランスシート」で流動資産を「1年以内に現金化」という独自基準で運営管理していて、そこから引っ張ります。

ということで僕の現金比率を再考するうえでの個別事情として考慮した点をお話します。

完全リタイア中の僕の現金比率

2年前に完全リタイアした僕の場合、リタイア開始時点での諸事情で現金を過剰に持ちぎみでした。

その理由は2つあって、

・リタイア3年前の海外赴任で、住民票を抜く(日本の非居住者)となる際、証券会社は「非居住者の取引制限(売買不可)」とするので、先行き値を下げる懸念があったポートフォリオを売却して現金が膨らんでいた

・帰国時にリタイアし、退職金等を現金で受領した、

という経緯でリタイア当初は多めのスタートでした。

そこから2022年はリスク資産の投資もしながら現金比率を下げましたが、この1年ほどは投資も断捨離してさほど攻めておらず、2023年末時点、金融資産への現金比率が21%と大きいままでした。

うち必要な現金(前述の①~④の合算で18か月分相当)は金融資産の8%相当になります。つまり残り13%が「投資可能な現金ポジション」というものです。

そもそも子供も巣立っていますし独身者1名のライフイベント費用もしれています。

なので生活費x18か月は十分ですし、やりたいことを制限なくやる支出実験した際の「高めの生活費単価」なのでバッファー込みです。

この検討はこちらの記事に書いています。

【リタイア資産の最適化】現預金比率と金額を見直した

いずれにしろ、インフレ負けをする現金を投資にまわさず多めに置くのは効率的ですし、現ナマを見て喜ぶキャラでもないので「猫に小判」なる僕は現金に対しこんな感覚でみています。

再考のポイント

さて、その現金のうち投資にまわせる13%ですが、その後の記事でこう判断しました。

・13%のうち8%を「攻めの資産運用」に突っ込んで「最終的に3割しか残らなくても構わない」と受容する

・13%のうち5%を「守りの資産運用」に突っ込んで、「今のリタイア生活で支出の拡張に備える」

これはこの記事からです。

【リタイア資産の最適化】現金残高推移と投資リスク判断

これを、今回の再考によって導いた結論は、

・13%のうち8%を「あれくれ自由投資実験」に突っ込む

・残り5%は現金ポジションで引き続き持つ*

*ただ、現金で保有することの精神状態として、「現金がインフレにさらされて勿体ない」という気持ちよりも「市況が悪化して買い付けチャンスの時に現金原資がない」というストレスを避けるため5%を余分に「投資準備金」として現金保有もありだと感じています。

なお、あれくれ自由投資実験は、先日記事に書いた通り、

「遊び心をもちながら投資・起業的なことにお金を投じてそのプロセスを楽しむことで得られる刺激や探求がセカンドライフを豊かにするはずだ」

の実験投資です。その予算として現金8%相当を使うというものです。

リタイア生活の刺激欲しさに思いついた自由投資予算

終わりに

以上が2024年の結論として進めていく決定事項です。

振り返れば2023年の現金消化はこんな形でおもっきり腰が引けていたのが反省点です。

リタイア後の資産最適化-現預金増減の分析(2023年)

お金との向き合い方のなかでも、現金とどうつきあうか、難しい問題です。


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自己紹介

2022年3末に完全リタイア。FIREの自由で創る”自分らしいセカンドライフ” としてFIRE-Driven Lifestyle Innovationをテーマに、日々の気づきや経験を発信して精神的に豊かなFIREを応援します。
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