FIRE生活4年目を迎えた今、僕は「労働に求められるストレス耐性」をほぼ失っていると気がつきました。
きっかけは、ある記事で紹介されていた「労働時間が短く、仕事の負荷やストレスが少ないおすすめの仕事リスト」を見たときです。
以前は「いざとなれば、なんでもできる」とも思っていた労働観が、もはや「どれも無理そうだ」と感じるのです。
今回は、そうしたFIRE後、労働へのストレス耐性が変化した理由と、「それでもやりたいと思える仕事が無いか」を考えたいと思います。
定年後に適した人気の仕事19選
記事で紹介されていた仕事とは「週3日・1日5時間ほどの労働で月10万円前後の収入になる」という、記事の筆者が勧める「小さな仕事」というものです。
定年後「月に10万円」稼げるのはどんな仕事? 老後2000万円問題の不安を解消する「小さな仕事」
具体的には以下の通りです。
①営業(金融・保険営業)
②事務(会計事務員)
③生産工程(食品・飲料製造作業員)
④林業・漁業(水産養殖作業者)
⑤運転(送迎ドライバー)
⑥農業(収穫や出荷を行う農業従事者)
⑦警備(施設警備員)
⑧販売(コンビニ販売員)
⑨運搬(配達員)
⑩介護・保健医療サービス(施設介護職員)
⑪施設管理(マンション・アパート管理人)
⑫調理(ファミレス調理人・調理補助)
⑬その他専門職(塾講師)
⑭生活衛生サービス・生活支援(家事代行)
⑮その他サービス(ポスティングスタッフ)
⑯その他運搬・清掃等(学校用務員)
⑰接客・給仕(飲食店ホールスタッフ)
⑱清掃(ビル清掃員)
⑲包装(スーパーのバックヤード作業員)
ただ、改めてリストを眺めてみると、どの仕事も今の自分には無理だと思います。
他者との信頼関係が必要だったり、決まった時間に特定の場所へ通う前提だったり、当たり前ですが、責任感をもって取り組む必要があるわけです。
そのうえ、身体的に負荷がかかったり、特定のルール遵守も求められそうです。
つまり「時間的拘束」、「責任感」、「気遣いや協調」、「決まりごとへの順応」、「単純作業への耐性」など、僕がFIRE後に手放したものが必要となっている前提で、気軽にできる仕事とは思えません。
ストレス耐性が落ちた理由
でもこれは仕事の問題というより、自分の「労働へのストレス耐性」が落ちたからだと思います。
その背景には、FIRE後に培われた「自己決定の自由」が大きく影響しています。
FIRE後の僕は、「やりたいことを、やりたいときに、やりたいようにやる」という生活環境で長く過ごし、もはや「指示されること」や「他人のペースで動くこと」が想像以上の強いストレスに感じます。
FIRE前は「何かを得るために無理や我慢をする」という場面は多くありましたが、FIRE後はそうした忍耐を試す機会もなく、労働に時間とエネルギーを注ぐことに意味を見出しにくくなってきました。
DIYではきつい仕事をしている
とはいえ、これは労働が嫌なのではなく、あくまでも「自己決定できない状態で労働に従事するストレス耐性がない」というものです。
その証拠に、先般から取り組んでいる空き家のDIYは、猛暑のなか大汗をかいて、地道に庭掃除から室内を綺麗にする多種作業をヘトヘトになるまで喜んでやっています。
作業は大変でもそこに「自己決定できる自由」があるからです。
自分がイメージする内装や景観を得るため、早朝からの労働も惜しみません。というか、「労働」とも思っていません。
僕にとってのやってみたい仕事
こうした心理的環境のなかで、今後、自分が理想とする「働き方」が何かを考えてみました。
空き家のリノベは趣味のようなものなので、あくまで報酬を主目的として観点で考えたのですが、最もしっくりくるのは「少し創造的で、案件的な性質を持つ(時間的にも常時縛られない)」という業務です。
今の社会での機会や僕の興味関心を踏まえると以下のイメージです。
インバウンドのトラベルコーディネーター
単に訪日外国人を観光案内するのではなく、何か特別のリクエストに応じて個別に企画するといったイメージの仕事です。
例えばある海外の訪日客が「彼女との6泊7日の日本旅行で、歴史と文化を楽しみつつ、どこかでプロポーズしたい」といった彼氏の密かな要望があったとします。
どういったシチュエーションで効果的にかつ確実にやり遂げるか・・といった旅?の企画・手配・実行支援ということになれば、応援したい気持ちも込めて、あれこれアイデアを出したいという感じです。
プロポーズというのは単に思いついた例ですが、それに限らず「ディープな日本文化の体験をする」でも「子供たちがエクササイトできる体験をさせたい」でも何でも良くて、そうした明確ではない要望に丁寧にヒアリングしながら、何か具体案を提案する、なんて仕事はおもしろそうです。
トラブル対応型コンシェルジュ
あるいは、訪日中の思わぬトラブルに対して個別に対応するサービスもやりがいを感じるかもしれません。
例えば、子どもの急病、財布やクレジットカードの紛失、台風による旅行計画の崩壊など、突発的な問題に対して解決策を提案し、実行までをサポートする役割です。
この活動は困った人を助けるという観点で、僕にはしっくりくるし、多分、自分の問題解決力(経験やアイデア)を駆使して一件ずつ仕上げるクリエイティブな面もあります。
これなら「やらされ感」が少なく、自分の裁量を発揮しやすいと感じます。
まあ、そんな仕事は舞い込んできませんが・・・。
終わりに
FIRE後、思った以上に「労働へのストレス耐性」は落ちています。
でもそれは単なる弱体化ではなく、別の視点(自己決定の感覚)を持った結果、耐性が大きく落ちたと感じます。
なので、働かないといけないとしたら、なるべく「自己決定のもとに、創造性を活かし、自分なりに仕上げる」という仕事がやりがいを得られると感じます。
会社員時代、好きなことも嫌なこともすべて仕事として区別なくやってきたせいか、本当に自分がやりたい仕事が何か、完全には言語化できていなかったと思います。
いまFIRE生活で、皮肉にも、仕事の一切を精神的にも手放したゆえ、「自分が本来、好きな仕事が何か」が見えた気もします。
これもFIRE生活での貴重な気づきのひとつです。
↓