先日、定年退職後の節約の重要性を説く記事を読みました。
率直に言うと、FIREを実践している人の視点から見ると、そこには明らかな「レベルの違い」を感じる内容でした。
ただし、それは定年退職者すべてを指すものではなく、節約や資産設計を意識しないまま定年という時間軸を迎えた一部の人との比較だと理解しています。
今日は、定年退職とFIREのあいだにある「節約スキルの質的な違い」を整理してみます。
記事での3つの節約ポイント
①見栄を張ることをやめる見栄のための支出を減らし、「松・竹・梅」で言えば、無意識に「竹」を選びがちな支出を、「本当に必要か」「梅で十分ではないか」と問い直す。
②前向きでない人間関係を整理する
無理な付き合いや噂話に時間やお金を使うのは浪費。趣味やボランティアも目的を持って参加する。
③買うものを厳選してスッキリ暮らす
「無料」「安い」「限定」といった言葉に反応した衝動買いを避け、即断せず考える時間を置く。
定年後を豊かに暮らすためのお金の使い方。設けておきたい3つの制約とは?
節約が「始まるタイミング」と「目的」の違い
最も大きな違いは、節約がいつ、どんな目的で始まるかです。
定年退職を迎えた一部の人にとって、節約は退職後に突然始まります。安定収入がなくなり、「これからは減らさなければならない」と迫られて始まる節約です。
一方、FIREや投資をしてきた人にとって、節約は特別な行為ではありません。現役時代から、「どんな生活水準なら満足できるか」、「どの支出は削っても幸福度が下がらないか」を試行錯誤し続け、それを資産形成と生活設計の一部として組み込んできました。
そのため、節約は「我慢」ではなく、自由度を高めるための最適化作業になっています。
断捨離に表れる、思考回路の差
もう一つ大きな違いを感じたのが断捨離です。
定年後の人間関係の整理は、多くの場合「選んだ」というより「環境が変わった結果」です。会社を離れることで付き合いが自然に減り、「失った」「奪われた」という感覚を伴いやすいものです。
一方、FIREを目指す過程での断捨離はまったく異なります。
現役時代から「この関係は今の自分に必要か」という基準を持ち、早期リタイア後は意識的に人間関係を選び直してきました。
これはモノの断捨離と同じ構造です。使っていないモノを抱えるのと同様、気を遣う関係は時間とエネルギーを消耗させて自分にとってのプラスにならないと理解しています。
定年後の断捨離が喪失になりやすいのに対し、FIREの断捨離は「自分で選んだ結果」・・この違いが、生活の軽さを大きく分けると思います。
終わりに
今回の記事を読んで感じたのは、定年退職とFIREの違いは「お金の多寡」ではなく、節約・断捨離・人間関係を、いつから、どの意識で設計してきたかにあるということです。
定年後に始まる節約はどうしても守りになりがちです。
一方、FIREに向けて積み上げてきた節約や断捨離は、制約から解放され自由を増やす準備でした。
だから同じ「お金を使わない」、「モノを減らす」、「付き合いを絞る」という行動も、結果として得られる生活の軽さ、安心感、満足度に差が生まれるのだと思います。
FIREのメリットは、自分にとって不要なものを見極める力を、早くから鍛えられることとして、FIRE達成前から既に享受し始めているのかもしれません。
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