資産を多く持つことは、いまや疑いなく「人生の成功」と結びつけて語られます。
特にFIREとなれば、十分な資産を築き、働かずに自由に過ごし続ける・・ということが理想像として称賛されがちです。
そんな「経済的な余裕のメリット」を否定するつもりはありません。お金は選択肢を増やし、不安を減らし、人生を楽にするからです。
ただ、危ない点は、お金は人生を簡単に“壊す”力も持っているということです。
今日は「お金があることが、かえって人生を失敗させる」という落し穴について、最近読んだある記事をもとに綴ります。
経済的自立は、人生のゴールなのか
経済的自立は人生の勝ち組のように扱われます。
働き、貯め、老後の不安をお金で消す。そして経済的自立によって定年を待たずにFIREする。これは合理的で正しい選択だと思います。
しかし問題は、経済的自立を“人生の完成”だと勘違いした瞬間に起きます。
お金が十分にあると、人は「考えなくていいこと」が一気に増えます。
誰と付き合うか、どこに属するか、居心地の悪さとどう向き合うか・・。本来なら試行錯誤が必要なこれらを、お金が勝手に解決してしまう。
その楽さ加減が人生の大事なことを確実に奪います。
お金があることで失われるもの
お金があると、人間関係の摩擦を回避できます。
気の合わない人と無理に付き合う必要もないし、居心地の悪い場所からはすぐに離れられる。そして、自分を変えなくても、人は集まってきます。
その結果、対等な関係が育たない、時間をかけて築くべき関係に時間やエネルギーを投資しなくなる・・・。
つまり、お金が人間関係そのものを代替し、行きつくところは「利害でしかつながりのない人間関係」という状態です。
そして、「お金の切れ目が縁の切れ目」となるリスクを作り出してしまいます。
失敗例としての記事を読む
そんな失敗例に思える記事がこちらです。
67歳の男性が、潤沢な資産を背景に海外旅行や贅沢な生活を楽しみます。しかし資産が減った途端、一緒に遊ぶ相手がいなくなり、孤独を感じるようになる。
この記事は「老後資金は計画的に」という教訓で締めくくられていますが、僕には別の失敗が浮かび上がって見えました。それは、お金がある間に、人間関係や居場所を自分で育ててこなかったという「お金がもたらす落し穴」です。
あれほど余裕があったのに…「貯金8,200万円あった」67歳男性、〈海外旅行三昧〉の果てに気づいた現実
本当に不足していたものは何か
彼に不足していたのは、資産ではありません。
お金がなくても続く関係、役割、コミュニティ、居場所・・そうしたものを持たないまま老後を迎えてしまったことが、本質的な問題だと僕は思います。
いくら経済的には自立していても、人間関係は完全にお金に依存していた構造こそが、老後の孤独をもたらしたと思います。
終わりに
お金は人生を支える重要な土台です。ですが同時に、お金があることで人間関係や自分自身と向き合う努力を省略してしまうと、後になって必ず歪みが表れます。
つまり、「経済的自立と人間的自立は別物」です。
お金があるからこそ、お金では得られないものに時間もエネルギーを投資する・・・そんなリスクヘッジがリタイア人生ではとても大事だと思っています。
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