FIREをしてから、お金との向き合い方は大きく変わりました。
前回の記事では、FIRE生活を安全確実に続けるための「安全資産」と、人生の想定外に備えるための「安心資産」について整理しました。
しかし、実際のFIRE生活を豊かにしているのは、それらとは役割の異なるもう一つの資産です。
それが、僕が「安泰資産」と呼んでいる、自由裁量でリタイア生活を楽しむための資産です。
今日は、この安泰資産をFIRE後の生活の中でどのように位置づけているのかについて綴ります。
安全資産・安心資産との違い
まず前提として整理すると、
・安全資産は「FIRE生活を安全確実に続けるためのお金」
・安心資産は「万が一に備えて持っておくお金」
です。
どちらもFIRE生活を成立させるための“土台”であり、これらが揃っていない状態では心穏かなFIREは僕にとって成立しずらいと感じています。
一方、安泰資産は、そのどちらにも該当しません。
生活を守る責任も、非常時に備える役割も負っていない資産です。
安泰資産=自由裁量で使う資産
安泰資産を一言で言えば、使い道を僕自身が自由に決めてよいお金です。
旅行に使ってもいい。
趣味や学びに投じてもいい。
投資してもいいし、結果的に減っても構わない。
人生の選択肢を広げたり、試したり、経験に変えたりするための資産だと捉えています。
つまりこの資産は「Die With Zero」のコンセプトで使うものです。
安泰資産の2つの用途
現在、僕はこの安泰資産を具体的には次の2つの用途で使っています。
① 取崩し準備金
年金受給が始まり、生活費ベースで収支が黒字化するまで、今のペースで取り崩せるように引き当てている資金です。
② 自由投資予算
新たに興味や関心を抱いたことに対して、支出を躊躇せずに自由に使える資金です。金融投資というよりも、「経験への投資」に近い位置づけで、投資に対して経済的なリターンは求めません。
この2つは、FIREまで長年染みついていた節約マインドを意識的に緩めて、「お金を使う」という新しい習慣を定着させることに役だっています。
なぜ安泰資産が必要なのか
こうして、安泰資産を「安全資産&安心資産」から切り分けることで、
・ここまでは守る
・ここから先は自由
という線引きができるようになります。
FIRE後の資産取り崩しを、すべて一括りの資産として扱ってしまうと、「減らしていいのか」「使いすぎではないか」といった迷いや不安がどうしても生まれます。
しかし、安全資産と安心資産が残っていれば、「この安泰資産がゼロになってもFIRE生活は揺らがない」という思うので、支出に対する不安は大きく和らぎます。
終わりに
FIRE後のお金の不安は、資産額の大小ではなく、資産の構造によって決まると僕は思っています。
資産を、
生活を守る安全資産、
想定外に備える安心資産、
自由に使える安泰資産、
この3つに分けて考えることで、僕は初めて「安心して使えるお金」を持てるようになりました。
FIREとは、資産を減らさない生き方ではなく、安心を壊さずに使える領域を持つ生き方なのだと、こうした線引きによって実感するようになっています。
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