FIREをするうえでの不安はお金(資産)の持続性です。
リタイア後の所要額が不確実(見えない)ほど、不安は解消されにくいものです。
リタイアから4年が経った今、その「不安」を解消する枠組みがようやくみえてきました。
結論から言えば、2つの資産が必要で、それは
①安全資産(生活を破綻させない安全確保の資産=必須)、
②安心資産(想定外が発生してもリタイア生活が揺るがない安心確保=準必須)
です。
今日はこの2つの資産について綴ります。
なお、その位置づけは、以前も記事にしましたが、こちらの図を使ってみます。
FIREにとって「安全」な資産額とは
まず「安全」とは、「今の生活を安全確実に維持継続していける」という極めて現実的な意味での安全性のことです。
そのために必要な資産は、生きていくうえで「タイミングは不確実(いつ起こるかわからない)が、いずれ起こるもの」を全て洗い出し、経済的な備えをします。
これは、図の中央(茶色)に該当しますが、項目としては、
・イベント費(家電の買い替え、住まいの修繕やリノベーション、冠婚葬祭)、
・生活防衛費(大病などにかかった時の医療費等)
というものです。
相場が荒れようが、資産所得が一時的に減ろうが、この安全資産を割り込まなければ、生活を維持継続するリスクにはならないわけです。
僕は自宅は自己所有(ローン返済中)ゆえリノベは必要、家電も車も買い替えが数ラウンド想定し、冠婚葬祭も多め(独身だが家族持ち+親戚友人のつきあいは多め)なので、今の生活費の33カ月相当になっています。
「安全」だけでは残る、見えない不安
安全資産(イベントや生活防衛等の見えるものへの経済的準備)が十分に確保されるからといって、リタイア後、お金の不安が完全に消えるわけではありません。
なぜなら「見えないものへの不安」があるからです。
例えば、制度が異常なほど変わる事態、想定を超える長期の問題、複数のトラブル(詐欺等)が同時に起こるケースなど、そもそも起こるかもわかりませんし、被害規模もわかりません。
ただ、安全資産では守り切れない領域があることを前提に、「いざという時のために備えておく」という、主観的な安心の資産が「安心資産」です。
当然ながら、安心資産は生活を成立させるためのものではなく、基本的には使わずに済むことを前提としたお金です。
自分にとって主観的に「えいやぁ」として置いた額が生活費の83か月分で、これによって「人生は怖くない」と思えるものです。
仮に経済恐慌が起こって資産が毀損してもこの額は残ることで安心という「主観的な防衛ライン」でもあります。
この層があるかないかで、FIRE生活における心理的な安定感は大きく変わります。
終わりに
以上の通り、お金の不安は基本「将来の不確実性」から引き起こされるもので、そんな不確実なものも、想定内を守る安全資産(①)と、想定外に備える安心資産(②)で対処できます。
安全資産(生活防衛費、イベント費)はタイミングは不確実でも、起こることは確実視しており、ライフスタイルから分析して設定した「使うお金」です。
問題は安心資産で、これは極めて主観的な「将来の不確実性への不安」で、使わないであろう前提のお金ではあります。
時に「FIREは数億あっても足りない」という人がいますが、こういう方は「安心資産を過剰に見積もっている(”とにかく不安”となっている)と思っています。
FIRE資産の所要額は、ライフスタイルやお金の不安をどこまで対処するかで変わりますが、こうして資産の役割を分解して解像度を高めると、不確実性は明確に、備えは厳格になり、お金への不安は解消し易くなります。
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