FIREをしてから丸4年もあと数カ月です。
「4年単位でFIRE生活を区切る」というマイルールを最近作った僕は、自分の経済基盤の在り方も、総括中です。
結論を言えば、最初は資産が何年持つかという「数字」から、昨今は「どんな構造でお金を流していくか」という“仕組み”が重要だと感じています。
最大の課題は、「お金が減る不安」と「お金を使わない機会損失」のバランスを、心理的・経済的にどう効率設計するかです。
FIRE後は現役時代より生活費を30%は増やす一方、完全リタイアで給与収入がゼロなので、そこを上手に設計しなければいけません。
今日は、僕がいま辿り着いた「資産寿命の構造」について備忘録で綴ります。
数字ではなく「流れ」で捉える
FIRE以前からずっと資産シュミレーションをして「取り崩しをしながら資産がどれぐらい持つか」を見ていました。
ですが、その考え方では生活の変動や心理的ゆとりが反映できず、実際の行動を縛ってしまう感覚があります。
資産シュミレーションは適宜、アップデートしたり、経済恐慌で資産が毀損したらどの程度減るかなども分析しながら新たなアプローチに取り組んできました。
そして、資産を時間軸で消費するのではなく、目的別に循環させるという考え方で、「寿命」より「流れ」を視点にした設計へ段々と切り替わってきました。
その方が生活リズムにも感情にもフィットしやすいからです。
現在の構造はこんなイメージです。
FIRE資産の3層モデル
「資産寿命の構造」は次の3層です。
第1層:ライフイベント・安全資産(固定層)
目的:「FIRE生活の安心源」
内容:
・医療・介護・修繕など、将来確実に発生する大口支出
・心理的安定のための緊急予備費
・生活防衛費(数年分の生活費など)
特徴:
・取り崩し対象外
・リスク資産ではなく、現預金・安全な社債などで保有
資産キーワード:“安心の固定資産”
第2層:運用・生活資産(可変層)
目的:「FIREのゆとり源」内容:
・FIRE後の基礎生活費(定常支出=現状の衣食住を満たす必要経費)
・FIRE後のゆとり費(趣味や旅行等の活動費)
・上記の「基礎生活費:ゆとり費=5:5」は維持するよう「ゆとり費は使う」を運用方針
・株・投信・その他の不動産収入等などの分散運用
特徴:
・年ごとに「生活予算」を見直す(現状、現役時代の3割増し)
・支出と市場変動、自分の体力等に応じて柔軟に調整
・精神的には“お金を減らす不安”を最も感じやすいゾーン
資産キーワード:“バランスの資産”
*ここで「お金が減る不安」と「お金を使わない機会損失」のバランスを取る(基礎生活費:ゆとり費=5:5は適用)。
調整指針:
・年間資産所得 > 年間支出 → 余剰を③へ回す
・公的年金等が始まるまでは現状の「資産所得<支出」の赤字構造ゆえ取り崩しは続く
第3層:自由投資予算(チャレンジ層)
目的:「FIRE生活の刺激源」内容:
・自己投資(学び・プロジェクト)に使途する「実験と挑戦の予算」
・サラリーマン時代には想像しなかったものごとに限定
・過去の延長ではなく、未知の体験を通じて人生を拡張する狙い
*現状、空き家を購入しDIYのプロジェクトなど、モノやヒトへの投資
*“心が動く使い方”を心がけ、成果や回収を必ずしも求めない
資産キーワード:「自由投資予算」
終わりに
こうして整理してみると、僕にとって「資産寿命」とは“お金がどれだけ残るか”という平面では無いと感じています。
資産構造は、その役割が「安心を確保する(安心源)」、「ゆとり(=安定的幸福)をもたらす(ゆとり源)」、「FIRE生活に刺激(=開拓的幸福)をもたらす(刺激源)」といった複数あって、それを同時達成する3段構造が、より経済的・心理的にフィットしてきています。
そんな部分最適の組み合わせが全体最適になるよう全体統制するのが、FIRE生活の経済基盤と人生満足度の舵切(マネジメント)のコアノウハウという気がしています。
まだ穴だらけですが、来年3月末でFIRE第1期(4年)が終わるので、それまでこの3層モデルを意識して資産管理や運用をして、第2期を迎えられるようにしたいと思っています。

