FIRE達成するのは運なのか実力なのか。
この問いはよく議論になりますが、僕自身の経験ではどちらか一方では語れないと思っています。
というのは、経済的自立(資産形成)は若いころから意識していましたが、FIRE(早期リタイア)は「目標」ではなく「結果的に到達した状態」でした。
その過程を振り返ると、運や実力という言葉では説明しきれない「構造的な仕組み」を感じます。
今日は、FIRE達成が運なのか実力なのかについての捉え方を綴ります。
経済的自立は「数式」で決まる
まず前提として、経済的自立の達成方法は、感情論ではなく数式で表せます。
それは「貯蓄率(=1−支出/収入)」という極めてシンプルな構造で達成するものです。
つまり、一定以上の収入があり、支出を抑える力があれば、FIREの土台は「実力」で築くことができます。
実力というか、努力や意思の積み重ねで実現可能です。
しかし、生涯収入をはるかに上回る資産を築いて早期リタイアを目指す場合は、また話が変わります。
それは、努力だけではどうにもならない「運」と「タイミング」、そしてそれを引き寄せるための「戦略」が大きく関わると思います。
分母を広げるには「リスク選択」が避けられない
給与収入だけでは分母(収入)を大きく広げることは難しいかもしれません。
そのため、投資や副収入を得て総収入をあげる必要があります。
投資は不確実性を伴う運の要素が入り込む領域です。
正直なところ、投資で大当たりもあればハズレもあり、必ずしも「再現性が高い」とは言えません。
それゆえ、なるべく投資成果を確実にするための自分なりの戦略が必要です。
基本は、スキルを磨く、ポジションを取る、リスクを取るなどですが、僕の場合、サラリーマンとしての立ち位置(ポジション)や得意とする方法で、広めに分散投資をして運(当たり)を待機しました。
実際、株式投資(個別株)、投資信託、金、外貨、不動産、円建・ドル建の終身年金、社債、現物投資など、複数のポートフォリオをなんだかんだ30年かけて分散しました。
結果的には失敗もあれば成功もあって、総合的にはプラスとなりました。
その意味では「運」が良かったと思います。
終わりに
FIRE達成は、単純に運か実力かで分けられるものではありません。
むしろ、どの程度の資産をもって早期リタイアするか、その目標設定によって運と実力の比率は自然に決まると思います。
目標資産額が高ければ、外的要因の影響が大きくなり、運の比重が増します。
一方、控えめな目標であれば、自分の行動(=実力)で収支管理や節約実行をして到達できる可能性が高くなります。
「どうせFIRE(資産形成)は運だから」と地道な節約を疎かにしてしまうのは、最も避けなくてはいけない行動だと思います。

