最近、沖縄・座間味村でダイビングショップを営む人たちの記事を読みました。
そこでは「どうやって稼ぐのか」ではなく、「なぜ稼ぎすぎないのか」に光が当てられていました。
僕は最初、起業事例として「いかに3カ月の労働で1,000万円の年収を生み出したのか」という観点で読んでいたのですが、内容はまるで違い、正直ショックを受けました。
彼らは意識的に成長を拒み、持続性を優先していたのです。
今日はその記事を要約しながら、僕なりの気づきを綴ります。
記事の要点~漁師が選んだダイビング事業
記事では、もともと漁師だった人たちがダイビング事業を始めた背景が紹介されていました。
観光開発の波が押し寄せ、大型クルーザーで一度に多くの観光客を呼び込む動きがある中で、彼らは少人数制を選び、海に負荷をかけない運営を続けています。
1年のうち夏の繁忙期(3カ月)に集中してしっかり稼ぎ、閑散期(9カ月)は環境保全や地域貢献のイベントや啓蒙をやりつつ、時には趣味や交流の活動も楽しむというものです。
背後にあるのは「お金よりも自分の住む土地を守りたい」という想いでした。
利益拡大よりも地域資源の保全を優先する姿勢は、現代的な経営感覚とは異なる選択に見えます。
だから3カ月だけ働いて年収1000万円に…沖縄座間味のダイビングショップが事業拡大のチャンスを断るワケ
豊かさの定義を問い直す選択
僕が感銘を受けたのは、この選択が「ビジネス戦略」として練られたものではなく、生活の延長線上で自然に生まれている点です。
しかも、根底に「豊かさの定義」がしっかりあるので「もっと儲けよう」とブレないのです。
都会的な価値観では「事業を拡大し利益を最大化すること」が成功とされがちですが、彼らにとっての成功は「海と共に暮らし続けられること」だからです。
資本主義社会では後回しになりがちな「持続性の優先」を本気でやっている例です。
*今は過剰にSDGsと叫びつつ、持続性の名目で無駄な投資をさせる動きもあり、好きではありませんが、これは筋が通っています。
セミリタイアとしての事例
そして、この姿勢がセミリタイアの一形態に見えました。
完全に働くことをやめるのではなく、生活を支える労働をしつつ、自分の信じる価値を大事にしてバランスを取っているからです。
しかも、ある程度資産を稼ぎ切ってから「少しだけ働く」というセミリタイアのスタイルではなく、自分のスキルや土地の資源を活かして自然に収益を得ることで成立させています。
セミリタイアに焦らない選択ルート
記事を読みながら「漁師ではなく、サラリーマンだったら、どのような生き方に該当するのか?」と考えてみました。
一般には、サラリーマン副業を探し「セミリタイアを達成するぞ」というアプローチがありますが、そうして起業を焦るより、まずは本業での入金力を高めながら資産を積み上げることを優先し、同時並行で、あえて仕事に直結しなくても良い自分の特技やスキルを磨いくような方法になります。
結果的に、自分の特技やスキルがお金に替わらなくても「趣味」として残ります。
整理すると、①資産形成をして、労働を緩めてセミリタイアをする、というルートと、②特技やスキルが自然とお金に変わり、本業を緩める、というルートがありますが、この記事は②に該当するということです。
どちらが正しいというより、こうした複数のルートを意識し、自分に合ったものを目指せば良いとは思います。
終わりに
今回の記事を通じて、やはり豊かな生き方とお金の関係については改めて考えさせられました。
お金のために大事なものを犠牲にしないことは重要ですが、その思いは人によって振れ幅も種類も多岐にわたります。
僕にとっての豊かさは「自分の時間」であり、自分の時間を削ってストレスある労働をすることは、即、豊かさを損なう感覚を持ちます。
漁師ダイバーさん達にとっては「海や自然を損なっても稼ぎまくること」が、即、豊かさを損なうことなのでしょう。
そんな素晴らしい生き方をしている漁師ダイバーさん達に会ってみたいと思うような記事でした。
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