先日、タレントの上沼恵美子さんが「定年退職した夫が妻にかける言葉」について語っていました。
その中で印象的だったのは、「〇〇(妻の名前)、有馬温泉行こう」という言葉は最低だ、という指摘でした。
なぜなら妻は長年夫を支え続けてきたのだから、本来かけるべき言葉は「ありがとう。自由に羽ばたいてください」だというのです。
この発言に、僕はとても共感しました。
今日はこの点について綴ります。
自分だけが「自由になった」と思わない
FIREや定年退職を迎えると、多くの人は「やっと会社から解放され、自由を手に入れた!」と感じます。
しかしそこで問題となるのは、その自由を「自分だけのもの」と錯覚してしまうことです。
家庭を持っている場合、夫が毎日家にいるのに家事もせず、ただ「旅行に行こう」と妻に求めるだけでは、妻にとってはリタイア前より負担が増えるかもしれません。
むしろ妻からすれば、「あなたは自由になったけれど、私は同じ生活に縛られたまま」と感じるはずです。
だからこそFIRE後に最初にかけるべき言葉は、「僕も自由になった。だから君も自由になっていいんだ」という一言ではないでしょうか。
支えてくれた人への「自由の共有」
イチロー氏が引退スピーチで、妻への感謝を2分間も語ったのは有名なエピソードです。
節目のときにこそ、感謝をきちんと形にすることが大切だと思います。
そしてその形が「自由を共有する」という考え方であれば、より素晴らしいものになります。
自分の自由を享受するだけでなく、それを支えてくれた相手にも「あなたも自由になっていい」と伝えること。それこそがFIREの本当の価値を広げることにつながるのだと思うのです。
僕自身は離婚しているので、こうした場面を直接経験する立場にはありません。
しかし想像してみると、自分のFIREのタイミングで伴侶に「君も自由になって」と言えるだろうか、少し疑問に感じてしまいます。
だからこそ、このテーマは自分にとっても大きな学びになりました。
終わりに
FIREは個人の解放であると同時に、身近な人と「新しい自由を分かち合う機会」でもあります。
上沼さんの「自由に羽ばたきたまえ」という言葉は、単なる冗談ではなく、パートナーシップの本質を突いているように思います。
自由を分かち合う感覚を持っていれば、FIREの喜びは自分ひとりで抱えるより、2倍に膨らむのです!
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