ヤフーファイナンスの記事に気になる内容がありました。
筆者(中原良太氏)は、習慣とお金の関係を研究しているトム・コーリー氏の書籍から、3つの「依存するほど貧乏になりやすい」という項目を挙げています。
それは、
①政府への依存、
②親への依存、
③勤め先への依存、
です。
今日はこの記事について綴ります。
3つの依存とその弊害
筆者は、アメリカのベストセラー『Rich Habits, Poor Habits』にある「他者への依存が貧困を生む」という考え方を基に、次のように述べています。
① 政府への依存:政府からの経済支援や補助金などをあてにして自分で努力を怠ること。
② 親への依存:親からの経済支援や相続をあてにすることで、例えば、職に就いた後も仕送りしてもらうなどで生活すること。
③ 勤め先への依存:終身雇用やそれに準ずる「解雇されにくい」という環境に甘んじて新しいことに挑戦せずに稼ぐ力を育てないこと。
そして、筆者が補足するのは、以下の「自立心」の重要性です。
もちろん、社会生活は「持ちつ持たれつ」ですから、あらゆることで他人を頼らないことは不可能です。経済的な援助を受けることの全てが悪いことではありません。ここでの問題は支援を受ける側の心構えの問題です。経済的自立への第一歩として、「自分の暮らしは自分で支える」という意識を持ち、他人への依存ありきで考えるクセを断つのが大切です。
アメリカと日本の違い
僕もこの考えに強く同意します・
そして、この依存というものの弊害は、日本ではアメリカ以上に根深いと思います。
アメリカでは、子どもの頃から自室を持つ(親の寝室とは別に寝る)ところから始まり、高校卒業後は親元を離れて自立して生活し、奨学金やアルバイトで大学に通うのが一般的です。
働き始めれば401K(確定拠出年金)で自分の年金を自分で作るのが当たり前で、自然と経済的な独立心が育まれます。
一方、日本は成人後も親元で暮らすこともありますし、終身雇用や年功序列といった仕組みもまだ残っていて、そうした「依存を前提とした環境」が多々見られます。
こうした日本の「助け合い」は経済が安定成長する時代には良い面も発揮しますが、昨今のような不確実な時代においては、個人の自立を阻むリスクにもなり得ます。
FIREのFIは「依存しない力」
こうした背景から、日本においてFIREを目指すことは「依存しない力」をあえて鍛えるうえで有効だと感じます。
特にFI(経済的自立)は、資産形成はもとより、「どういった生活を送るか」といった生活の見通しなどを立てて、自分の人生を自律的に設計する精神的自立も生まれます。
それゆえ、「会社が給料をくれるから」、「親が援助してくれるから」といった依存の発想で努力を怠ることなく、問題意識をもって、スキルを培ったり、副業したり、投資をしたり・・・と行動します。
終わりに
日本ではFIREはまだ特異なライフスタイルに見られますが、「依存しない考え方」を養う上ではとても有効なマインドセットだと思います。
もちろん、会社や家族との「助け合い精神」を否定するわけではありません。
「頼ること」と「依存すること」を区別し、恩返しや感謝の気持ちを忘れずにすれば、自立と健全に頼ることは、両立できると思っています。
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