独身だからこそ支障なく実現できたFIREですが、もし自分が離婚せずに既婚のままだったら、本当にFIREは可能だったのか?
そんな疑問がふと頭をよぎりました。
結論から言うと、FIREの合意を得るのはほぼ不可能だと思います。
その理由を、僕の20年間の家庭生活時代を振りかえって、当時の子どもの養育や夫婦間のコミュニケーションなどのリアルな感覚を踏まながら、2つの視点から考えてみます。
1.配偶者が安定志向である
まず、元妻はとても「安定志向」の強い人でした。
この性格は、きっとFIREのように変化が前提となるものを受け入れるのは、大きな障壁になっていたと思います。
なぜなら、FIREの本質である「定職を持たない状態」は、彼女にとっては「ただの不安定でリスクの高い選択」に見えたはずです。
ちなみに、僕自身も「安定志向」ではありますが、それは「リスクを取るために、どこかに安定基盤を持つ」という考え方なので、同じ安定志向があっても、どこか違ったものです。
想定される反応
こうした特性なので、僕がFIREをしたいと話しても反応としては、「今の仕事を辞めるなんてもったいない」、「そんなことして将来どうするの?」と、基本、否定スタンスになる可能性が高いです。どれだけ綿密な資産設計を提示しても、それは「論理」ではなく「感情」の問題になります。
落としどころ
そのような状況で、僕の考える落としどころは、「FIRE=不安定」という誤解を解くことから始めると思います。
資産基盤がしっかりあるから大丈夫だという説明もします。
それでも、きっと「もし何かあったらどうするの?」という不安なる感情で反論されるでしょう。
そらに対して、「円満退社+いつでも戻れる」という状態を作るなど、サラリーマンに戻る案も用意し、「これは完全リタイアではなく、新しい暮らし方への移行と説明すると思います。
つまり、「もし途中で必要になればまた仕事に戻る。」と言うことです。
FIREを「会社からの離脱」ではなく、「人生での移行」と見せて、いつでも戻れる、という前提にするのです。
2.価値観の違いが家庭内不和を生む可能性
こうした説明で、仮にうまくいって安定志向の配偶者に「安心感」を与えられたとしても、次に出てくるのはこうした疑問でしょう。
「そもそも、なぜ会社を辞める必要があるの?」、「長い休暇を取ればいいんじゃないの?、「なぜFIREなの?」。
僕がその目的を「お金のために働く人生は送りたくないし、一回きりの人生、もっと自由に生きたい」と伝えたところで、彼女にとっては「今のままで十分」、「大きく変える必要はない」と相手は思うでしょうし、そうした価値観は変われない(変えられない)と思います。
想定される反応
そして、価値観の違いに関しては、僕が自分の想いを語れば語るほど、その違いが浮き彫りになり温度差が広がってしまうと思います。
それでも僕が更に共感を強く求めれば、変化を望まない相手にとって「押しつけ」や「強引さ」と受け取られてしまう危険もあります。
落としどころ
結局、相手の価値観を尊重して元配偶者にとって「心地よい」と思える選択肢を一緒に探るしかないのです。
たとえば、「やりたいこと」を具体的に語るにしても、たとえば「プチ移住」の話なら、-
生活面で変わらないことは何か
-
変わることは何か
-
その変化に対して自分がどうフォローできるか
といった「すり合わせ」が必要になるでしょうし、「自分のやりたいこと」をすべて通すことは、当然、できません。
僕の想定するFIRE協議の結末
こう考えると、もし僕が既婚のままだったらFIREを実現するのは困難だったと思います。
それぞれが求める「自分の居心地よい暮らし」が異なるので、お互い、自分の居心地を押し通すと、相手のストレスになります。
それと、そもそも論ですが「落としどころを探すだけのコミュニケーションが成立しない」も当時なら有り得たとお澪ます。つまり、FIREを協議する土俵にすら上がれていないことです。
「お互いの価値観を認める」というのは言葉では簡単ですが、実際には「行動から生き方までを変える」ことを意味するので、価値観の違いがあると、ハードルが高くなるのです。
終わりに
以上、あくまで僕自身のケースで考えたことを綴りました。
パートナーとの信頼と愛情があれば、年齢や状況に関係なく、FIREについて協議でき、お互いが納得できるFIREの生活スタイルを実現できる可能性は高いと思います。
独身生活は気楽ですが、価値観の合う者同士なら、何事も1人より2人のほうが何倍も楽しいとは思います。
FIREについて話すことは、どうやって暮らしていくかを協議することですし、まだパートナーに話せていない方は、対話の準備や対策を協議する良い機会だと思います。
僕のこの失敗経験?がどこか参考になれば幸いです。
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