FIRE(経済的自立と早期リタイア)を達成する前と後ではお金の使い方は変化しないと思っていました。
なぜならFIRE前に培った節約習慣はFIRE後も変わらないと思っていたからです。
僕の個人的な経験からはこれは「YES」でもあり「NO」でもあります。
結論としては、リタイアした解放感で無駄にお金を使うような「散財」はしない一方で、より「時間の質を高める使い方」には節約を考えない、そんなメリハリがFIRE3年後の今の特徴だと思います。
今日は「FIRE後お金の使い方がどう変わるのか?」 を具体的に綴ります。
FIRE後:お金の使い方はこう変わる
FIRE後の「お金を使うこと」への意識の変化としてもっとも変わったのが「1人のときはコスパ重視」で「人と一緒のときは体験重視」 という使い方です。
1人のときは「コスパ重視」
FIREの前後で変わらないのは、1人で食事をする際は、牛丼や定食などのリーズナブルな食事で十分満足できます。1人旅をしていても格安ビジネスホテルを選ぶことが多く、高級ホテルに泊まることはほとんどありません。清潔であるならば多少狭くても古くても気にしません。
逆に、1人なのに妙に豪華な料理や無駄に高いホテル代を使うと居心地が悪くて楽しめません。
この感覚はFIRE前と変わりません。
人と一緒のときは「体験重視」
一方、友人と食事をするときや、家族と旅行するときには、良いレストランやホテルを選びます。
「美味しい食事」とか「居心地よい客室」ということに加え「一緒に過ごす時間や空間の総合的な質」に価値を置くからです。
FIRE後の「節約習慣」の変化の理由
この、後者にあたる「人と一緒の時は”体験重視”」という時になぜ「節約心を作動させないか」の感覚を少し掘り下ます。
対人支出(交際費)は変わらない
サラリーマンの頃はなんだかんだ「つきあい」での飲み会や支出が発生します。
多く払ったり、奢ったりするケースもあったので対人関係を維持する支出(交際費)はそこそこかかっていました。
そうした「つきあい」という人間関係はFIRE後は自然淘汰され、必要で大事な人間関係しか残りません。
それゆえ、対人支出の回数はFIRE後にぐっと減るので、1回当たりの単価が倍となっても交際費の総額としては倍まではいかない、こうした経済性は少しあります。
支出に対するトレードオフが変化
また、FIRE前とFIRE後での支出時の判断軸が違います。
FIRE前は「資産を増やす」というゴールを持っているために、お金を使う時は「お金を使うvs使わずに投資に回す」の選択が頭に浮かびます。
ところがFIRE後は、そもそも「お金を使う」とうメンタリティーで、この判断軸が異なっています。
判断軸は「〇〇(A)にお金を使う」か「〇〇(B)にお金を使う」かといった選択で考えます。
「支出か貯蓄か」から「A>B or A<B」と比較対象がそもそも違うので、お金を使うことで「投資に充てるお金が減った」といった損金感覚はなく、「どうせ使うのなら上手に使おう」となります。
それゆえ、お金をより価値ある先に使えたかが重要だと考えます。
お金の使い方の振れ幅
そうしたFIRE前とは少し違った金銭感覚が強まった結果、お金を使う触れ幅が広がるというのもFIRE後の変化です。
振れ幅というのは下側が「節約する度合い」で上側が「贅沢度合い」です。
下側は「ここまではお金を節約する」という緊縮の下限ですが、でもここはFIRE前と変わりません。
ホテルの例えでいけば「清潔であれば狭くても良い」という節約感覚は同じで、決して「汚くてももっと安い方が良い」とは思いません。
妥協できうる節約基準はFIRE前後で変わりません。
一方、上側の「ここまではお金を使う」という上限は大きく膨らみます。
例えば旅行は1人ならビジホで良いと思っても、他と一緒なら多少高い部屋も泊まります。
合理的というのは「時間価値が妥当に高まる額」というもので、1人5000円のビジホを6万円のスイートなり食事つき温泉でゆっくり過ごせるなら泊まるような感覚です(温泉旅館なら食事つきで当たり前の額かもしれませんが・・)。
かといって旅行も国際線で短距離ならこれからもビジネスクラスは使わないと思います。
時間品質を高める支出はしますが無制限でもありません。
とはいえ、下側と上側の総合的な振れ幅はFIRE前よりは大きくなったので、「メリハリある使い方」に変わったとは思います。
終わりに
以上、FIRE後のマネーマインドの変化というのは、
・何にでもお金をかけるのではなく、本当に価値のあることに使う
・1人での食事や旅行などの節約習慣や基準(節約度合い)はFIRE前もFIRE後も同じ
・家族や友人とは節約を考えず「時間の質」を高めることを考える
また、支出感覚も、1人なら「コスト」として、家族や友人との体験の時なら「(時間品質への)投資」として使います。
こうした支出の振れ幅が広がって「メリハリある使い方をする」のがFIRE後の変化で、やはり人生の残り時間も意識しているせいか「時間」に対する投資価値を見出すからだとも思います。
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