斎藤前知事の返り咲きを解せないとする怖い世の中

2024-11-18

アーリーリタイア生活 日常の雑記

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兵庫県知事選で斎藤元彦前知事が返り咲きました。

この返り咲きの流れにこそ「今の世の中の生きづらさ」が表れていると思います。

当初はSNSで「責任をどう取るんだ、ふてぶてしい」との集団いじめがあって、やがて「実は違うんじゃないか」との情報がSNSで出回り、最終的には熱狂的なごめんなさい斎藤コールという逆転ヒーロー劇です。

この流れにおけるモヤモヤ感を綴ります。

なお、斎藤前知事が当選して嬉しいとか残念といった個人的な思い入れはまるでありません。

責任の実態-自死者の責任をどう取るんだ?

今回の大きな争点は、告発者や優勝パレードに関係した職員が自死を選んだことについての原因であり責任の所在です。

その審判として百条委員会が設置されたのですが、真実があぶり出されないまま不信任案が提出され、行き場を失った世論であり感情論は「どう責任を取るんだ」と斎藤元知事に詰め寄ったのです。

選挙後のテレビインタビューでもいまだに「自死者も出ている責任をどう取るのか」と感情的になっていた人がいましたが、そもそも斎藤元知事の責任に帰すべきものかの判断も委員会は出していません。

またSNSでは自死者の個人情報(不利なもの)に関わる「録音」が流出しています。それが真実ならば斎藤元知事の責任にあるとはいいがたい内容ですが、なにしろ、今のAIを使って合成音声で作れなくもないもので、物的証拠として確かであるかは、私たちには判断のしようがありません。

こうした不透明ななか、徐々に「イジメを受けて可哀そうな斎藤前知事を応援」という感情論で応援側についた人もかなりいると思います。

本来はメディアであり百条委員会が真実を追求するべきものです。

そうはならず誰かの責任にしたい民衆は「自死者の責任をどう取るんだ」とあたかも斎藤前知事と有責関係性がある前提で発想するわけです。

さすがにこれは行き過ぎた見解で感情的すぎる気はします。

社会の実態-解任されたのは理由があるはずだ

また若い女性がインタビューに対応し「解任されたからには”何か”があったはずで責任は取るべきだ」というものがありました。

少し残念なのは「解任する側が必ずしも正しいわけではない」という前提が抜けています。

今回の場合は百条委員会です。

若かったり経験していないと想像しにくいのかもしれませんが世の中「改革や変化のあるところには抵抗勢力が生まれる」ということは今も昔も通じる真実です。

斎藤前知事は既得権益を壊しにかかった改革者という面もあり「痛みを伴う改革」に県関係者など(現状維持を望む人たちが)賛成しないこともありうるわけで、これは政治でも、企業でも、個人レベルのサークル活動でも発生します。

何が正義かも視点次第です。

「現状のままでは将来がない(改革=正義)」という視点ならば改革者は正義で抵抗者は悪ですし、「今が良ければ良い(非改革=正義)」という視点ならば抵抗者は正義で改革者が悪なわけです。

正か悪かは視点や前提で変わるので、時に正義が「四面楚歌」になったり監視側(今回のケースでは百条委員会)が正義とも限りません。

政治や会社組織でも、正義という立てつけのなかで悪を巧みに利用する人間もいるわけで、企業再生という仕事柄、人間の裏であり人間性の本質をみてしまう場面が多かった自分としては「人間、いつもそんな綺麗ではないよ」と思っています。

人間心理と組織利害の相反する5選

今でもサラリーマン時代を思い返すと「こいつ、どうなってんねん」なんて不合理だったり自分勝手な事象で溢れかえる毎日だったことを思いだします。

例えば、

①自分より能力ある優秀な人材を採用しない部長

マーケティングでも開発チームでも、その部長が採用する人材は「その部長の力量以下」というのも普遍的にあります。そこをどう感情対処して採らせるかの対処は大事です。

②短期的成果を求めると優秀な人材を取りこぼす

組織目標の設定で短期と長期の成果バランスは大事です。時に短期に振りすぎると長期的に大化けする優秀な人材が辞めていったり育てることを怠ったりされます。すると必ず組織は先で駄目になるので対処が重要です。

③達成目標を数値化すると数値以上になりにくい

優秀な営業マンがその月に数値目標を達成してしまうと受注案件があっても「出し惜しみ」をして翌月の受注にまわす(契約日を操作する)のも出たりします。どうやって出し切ってストレッチさせるかが大事です。

④俗人的な好き嫌いで査定をする人こそ「客観的基準」を強調する

昇進やボーナスではどうしても主観的になるのでどこかで実力や成果のわりに損をしている人材もいます。そうした人材が増えるほど「客観的基準」という人事評価を声高にいうもので本当の裏にあるものには気を付けなければいけません。

⑤リーダーシップを求めだすと組織横断で無駄が増える

評価基準に「リーダーシップ」を多くするとやたらと他部門との横断的な施策を打つ(意味あるものはOKだが、形だけ巻き込んでなりで仕事をする)が出るので要注意です。全体が疲弊します。

といった、人間の心理や行動なんて正義からかけ離れていて自己都合を優先することは当たり前に起こりうるので、今回の選挙の一連のなかでも誰もが綺麗に美しくセクシーな仕事なんてしているわけありませんからね。

政治も組織も人間の弱い心でやばいことをする奴もいるとの前提で、二次情報なんて疑ってかかって対処するしかないといつも思っています。

終わりに

以上、斎藤前知事に関し、メディアは真実を追求するより視聴率のため世論の感情を煽るし、そんなメディアに洗脳されて短絡的・感情的な判断をしていじめに加担する群衆がいたり、そうしたいじめを今度は仕返しだとしてやり返したり、なんとも怖い世の中(だけど現実)と思います。

この事態で「情報リテラシー」なんて理想を求めても酷な訳で「限られた二次情報から本物を見極めろ」なんてことは限界もあるわけです。

だからこそ百条委員会やメディアに期待するところはあったわけで、ですがそこも変革への抵抗勢力なりシナリオなりがあって動いているかもしれないわけで、人間や組織の本質なんて綺麗で正しいとは限らないという前提にたって情報を受取るしかありません。

最後は自分の見る目にかかってくるので、情報を鵜呑みにせず真実を見極めようとすることが、相手に優しい対処につながって大事なことだとは思います。


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自己紹介

2022年3末に完全リタイア。FIREの自由で創る”自分らしいセカンドライフ” としてFIRE-Driven Lifestyle Innovationをテーマに、日々の気づきや経験を発信して精神的に豊かなFIREを応援します。
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