リタイア生活が長くなるにつれ、サラリーマンには戻れないと感じます。
サラリーマンに戻れないと思うのは「働かない怠け癖」がついてしまったからではありません。
まるで逆で、「もっと時間を有効に使いたい」と、リタイアしたことで「時間の価値」をより強く感じるようになったからです。
「いやいや、サラリーマンの方が忙しくて時間が貴重でしょう。リタイア生活でなぜ時間の価値?」と不思議に思うかもしれませんね。
今回はそんな「働く日々」「リタイアの日々」を振り返り、気づいたことを書きます。
完全リタイア後のわずかな出戻り期待
サラリーマンとして出社した最後の日、会社を出た瞬間は「ホッ」とした感覚がありました。
僕の場合、1つの会社で30年もノンストップで働き、離職経験も初めてで、なおさら安堵感があるのでしょう。
それゆえ「99%は仕事には戻らないだろう」と思いました。
ただほんの1%は「もしリタイア生活が退屈ならば仕事に戻るかも」と思ったものです。
会社の関係者に退職を報告した時も「リタイア生活をしていても退屈だから戻りたくなるよ。」と言われていたのも、心のどこかで引っかかっていたのだと思います。
リタイア後の仕事に対する未練
実際、リタイアの日々を過ごすと、仕事のことが気になる時がありました。
勤めていた会社に関するニュース記事を追いかけたり、決算発表の会見をみたりといったこともしてました。
未練とまではいかないまでも、その後の会社の状況がどうなっているか、気になっていました。
だからといって、会社に戻ろうというほどの思いはありませんでした。
完全リタイアで気が付く会社生活とリタイア生活の違い
そんな日々を過ごしながらアーリーリタイアから1年。
いま仕事に戻りたいかと自問しても、やはり「NO」です。
特に最近は、仕事で得られることと、完全リタイアで得られることの違いが、もっと実感できてきたからだと思います。
会社生活で得られるもの
サラリーマンを30年もやっていると良いことも悪いこともありました。
実際に仕事は大変でしたが、会社でしかできない経験ができたと思っています。
なので「サラリーマン人生は楽しかった」と総括できます。
ただサラリーマン生活での問題は「1の凄い喜びのために9の大変な時間を過ごす」というアンバランスさです。
そんな9の大変さは、その後の1の達成感で中和もされます。いや、9の大変さがあったから1の達成感が引き立つのかもしれません。
リタイア生活で得られるもの
リタイア生活はまだ1年ですが、このところはサラリーマン時代にやり残していたことや新しい趣味に、ものすごい時間もお金もつぎ込んでいます。
たびたび記事にしている通りです。
そんななか、リタイア生活では「7の居心地の良い平穏な日々に3の新しい経験(刺激)」といったプラスとプラスのバランスになっている気がします。
サラリーマン時代は洗脳されていた?
ただ今となってはそれも「少し洗脳?」と思うこともあります。
「お金を稼ぐのは楽じゃない」とか「生きることは苦難がつきもの」という価値観が自分に植え付けられていました。
それゆえ9のハードさは「当然だ」と思ってしまう、ハードさを感じるセンサー感度が鈍かったのだと思います。
さらに、1の達成をすると次の9の大変さに疑問も無くチャレンジし続けるサラリーマン生活が当たり前というのもありました。
こうして30年間も続けたので、これからは自分の時間を取り戻したいという気持ちが強いのだと思います。
人生はトータルでバランスさせるのが最善
今の完全リタイア生活では自分のために100%の時間を使っています。
人生トータルとして時間配分のバランスを取りたいと、「時間の価値」を強く意識しています。
決して、サラリーマン時代の9割のハードな時間が無駄だとか価値がないとは言いません。
膨大な時間を使うのは必要悪という感じではあります。
それに対抗できるのは今の日々の過ごし方をより良くするしかありません。
そんな思いが出ていた記事がこちらです。
アーリーリタイア後の生活費(2023年1~3月の平均)が驚きの金額に。。それでも支出大歓迎である理由
いまのリタイア生活に向き合い、より最善にしようという内容です。
セミリタイアと完全リタイアでの違い
きっと、職種や仕事をしてきた長さで感じ方も人それぞれだと思います。
また「セミリタイア」と、まるで働かない「完全リタイア」でも大きく異なるかもしれません。
セミリタイアの人は、仕事とプライベートの適度なバランスを取りながら生活できるでしょうし、もともとがバランス良い生き方だとも思えます。
そういう意味では、人によってこの「サラリーマンに戻れない」という理由や強さは違ってくるのだとは思います。
サラリーマン生活に戻れるかの問いについてのまとめ
当初の「リタイア生活が暇ならサラリーマンに戻りたいと思うかもしれない」というのは、自分の浅はかな感覚で、そんな条件設定も恥ずかしいぐらいです。
暇かどうかではなく、もっと人生観や価値観に根ざしたものごとでした。
ただ、少しばかり恐ろしく感じることがあります。
いまも自分が会社を辞めずにいたら、きっと「1割の達成感のために9割を我慢する」というアンバランスな日々に疑問も持たずに生きていたのかと。
それもこれも「人生はいろいろ経験した方が良い」と、バランス重視の価値観を持つ僕の目線であるがゆえの発想です。
人によっては「1割の達成感こそ生涯の目指す喜び」という人もいるでしょう。
結局、リタイア後「サラリーマンに戻れない?」という答えは、自分の心の中に隠されていて、それをどう見つけるかになるのでしょうね。
終わりに
以上が、資金的な問題がない限り、サラリーマンに戻れない、いや、「戻らない」と僕が確信している理由です。
アーリーリタイアから1年、こうして断言できるようになったのは、僕も一歩前進したのかもしれません。
一歩前進の反面、スポーツ後の筋肉痛から「疲労がなかなか戻らない」という一歩後退もありますが・・。。。