昨今、未婚者が増加しています。
それもそのはずで、ひと昔前のように「適齢期が来たら結婚だ」という皆婚価値観は薄まっていますし、「みんな結婚するから私も・・」という同調マインドも減りぎみです。
離婚も増える中で既婚者から「結婚しないと不幸だ!」という圧も少なくなっています。
僕の周囲を見渡せば、年代に関わらず全体として積極婚活派は少なく、「幸せが約束される結婚でなければ独身のままで良い」といった婚活スタンバイ派が増えました。僕の世代では独身主義者も多いと感じます。
こうした、生き方を自由に選択でき、また選択した結果もその多様性が認められる社会は、とても良いと思っています。(”経済力がないと選択肢すら無いじゃないか”というのは経済問題なので、今回の人生問題としての記事では触れずにおきます。)
では、「幸せな結婚をしたい」と選択をする(チャレンジャー)にとって、何が重要となるのか、ちょっとした人生処世術を教えます。
それが、夫婦幸せのU型曲線です。
結婚後の夫婦のライフサイクルとしてどのような山あり谷ありがあるか、それを知ること(=広い視野を持つ)で、結婚の判断の助けになります。また、その後の歩む道への過剰な期待もコントロールできます。
転勤というタイミングで「勢い」で結婚をした僕にとっては、もっと早く出会っておけばよかったチャートです。夫婦の生涯の幸福度変化-U型曲線
これは欧米の調査研究から生まれた、夫婦が共に過ごす一生涯での幸福度の変化を表したチャートです。
その形状がU型の曲線になることから、幸せのU型曲線(The U-Shaped Happiness Curve)と呼ばれます。
なお、欧米版と日本の生活には違いがあるので、チャートに書いているイベントは夫婦仲のとても良い僕の先輩のパターンをもとに絵にしてみました。
幸せのU型曲線に見る特徴
日本で調査された「世代別の夫婦仲の幸福度」というある調査結果の各年代別幸せ度ともリンクしています。
特徴としては、
・結婚が若年期の幸せのピークである
・出産から育児、そして仕事上のキャリアや子育てなどで夫婦の行き違いが顕著に
・子供の成長とともに経済的な負担が大きくなり夫婦間のもめごとになる
・仕事上の変化や、更年期障害などで、40代から50代は夫婦最大の危機
・それ以降、子供が社会人となって夫婦二人きりになり、お互いの関係が良くなる
・そして社会人となった子供が成長するごとに関係は良くなる
というものです。
幸せのU型曲線から読み取れること
人生の出来事と幸福度の相関は、個々人で異なるとしても、一般にはこうしたUカーブを描くというのは人生を振り返っても納得できる部分があります。
先輩の場合は、もともと夫婦で価値観をしっかりとすり合わせしていたので、Uカーブの底辺でも(そもそもこんなに谷底が深くはないとのことですが)離婚をせずにやってこれたと言っています。
また、夫婦の危機があっても、子供がいることで夫婦を継続していく力にもなったそうです。
別の夫婦では、この底辺まで行ってしまってからもお互いに溝を埋めることもできず、かといって諸事情で離婚もできず、仲の悪い状態を続けている方もいます。
欧米の場合、夫婦でいる意味がなければすぐに離婚することも多いので、良好な関係の夫婦は結果的にU型曲線になっているだけだともいえます。
結婚の先にある景観を結婚前に想像する大事さ
世の中、何事も「経験しないとわからない」といわれます。結婚はその1つです。
いくら恋人とデートしてお互いの嗜好はわかっても、同棲をして共同生活のリズムがわかっても、結婚は、子供が生まれたり、相手の家族親戚との付き合いができたりと、けた違いにお互いの世界が交わり、広がっていきます。
それゆえ人生の「想定外」が多くでるので、こうしたU字曲線のことを理解し、結婚したら生涯のライフイベントでどのような苦労があるか、そんな想像をしていくことは大事です。
それがたとえ机上であっても、チャートから広い視野を作って、頭のなかで仮想体験したら良いと思っています。
少し具体例を話します。
若い人にとってのチャート
ちょうど赤く囲んだ部分を切り取ったのが、若い人にとっての目線です。
すると結婚前の若い人は、チャートの通り、上り坂の手前にいる幸せの成長期です。
きっと「このままずっと上り坂がある」とさえ思います。
少なくても、僕が20代後半の時は、この赤い囲みのなかまでしか視界が届いていない状態でした。
結婚式で年配者から「結婚生活には山あり谷あり」とスピーチされても、その谷の先に崖があるなんてフレーズは出てきません。
崖があるから結婚は大変だということではなく、崖があるからこそ、
結婚をすればいずれ育児や仕事上の悩みなどに面していく時がくる。結婚当初の幸せな感覚はいずれ減る。それは自然なことで、それゆえ夫婦が協力して突破すればよい
という発想を、この幸せ曲線のうえで想像することです。
僕の離婚理由
ところで、ここまで夫婦生活の話題になってしまったので、僕が離婚した理由を話します。
結婚したら子供を産んでもらって育てる人生を歩みたかったので、そのうえで「よいパートナ」を望んでいました。
僕も子育て育児など協力したのですが、元妻は本当にできた人で、しっかりと子育てや育児をしてくれました。
家庭としては順調だったし、ベストな相手だったと思います。
ただ子供が大きくなり、その「家庭」という責任や役割をだんだんと果たし終えるにつれ、「パートナーとの二人の生活をどう過ごしていくか」を感じ始めました。
生活や趣味など、家の内と外、社交と非社交、旅行好きとじっとしていたい、など真逆な感性と人生観の二人だったので、二人の時間を居心地よく過ごすのは大変で、お互いがストレスになるというのはわかっていました。
どちらが悪いというものではなく、やりたいこと、ありたい状態が違うという、価値観や人生観の違いです。
結婚前に「家庭を持つ」という願望で、僕はせいぜい曲線の底あたりまでのことまでしか見通せていませんでした。
もしこの曲線をみれば、「それ以降も2人の人生が続く」ということに気が付き、もっと広い視野を持って考えることができたと思います。
それでも力を合わせて子育てができたのは良かったと思います。
終わりに
僕がもし結婚前にこのチャートをみていたとしても、それでも結婚をしていたと思います。
子供が巣立ったあとの人生をどう相手と過ごしたいか、そこまで考えながら、どう判断するかを考えなおしたと思います。
まあ、こういった失敗をするのが人生です。
いま僕は独身なので、夫婦生活で得られる幸せというものは手に入れていませんが、そんな自分が「独身で残念だ」とも思いません。
日常の些細なことから、幸せも得られるようにしていますし、またそれは大きいです。
→その記事が、「日常の幸せを10個即答できれば、お金持ちになる夢を叶え易いと思う理由」です。
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