きっと周囲に「結婚したら幸せになれるのに」や「お金持ちになれたら幸せになれるのに」といった「幸せを手に入れること」にとらわれて日々を過ごす人もいると思います。
「特別に良くなろう」と将来の幸せを追い求めることは、動物にはない、人間ならではの特権です。
ですが度が過ぎると、いまある幸せを感じる心を育てることができなくなります。
今回、そうした「小さな幸せを感じる心を持つことが大切だ」という話をします。
日常の幸せとは
毎日を忙しく働き、家事育児をし、余暇をすごすという日々を送るなかにも、普通の小さな幸せがあります。
「幸せ」とは、辞書の定義でいけば、「不自由や不満もなく、心が満ち足りていること。そのさま。」です。日常のなかの「ああ~満ち足りて恵まれているなあ」と感じることは幸せの1つです。
あなたにとって「あ~幸せ~」と声に出てしまう状態はどんな時でしょう?
僕の日常の幸せ
バツイチのリタイア生活となったいまは、以前の「家族団らん」や「仕事で感謝されたり褒められたとき」といった幸せは新しいものに入れ替わりました。
いま、例えば10個以上をあげるとしたら、
①美味しいものを味わうとき
②温泉の素をいれてお風呂に浸かるとき
③お風呂上りにビールを飲み干すとき、ゆっくり晩酌するとき
④家族(息子たち)との食事や友人仲間と盛り上がっているとき
⑤布団に入っていつもの体制で寝るとき
⑥いつもより格段に綺麗な色合いの夕陽が見えるとき
⑦好きな音楽を聴いてモチベーションがあがったり、しんみりするとき
⑧ペットや子供の動画に癒されるとき
⑨日に干した布団をしまうときに包って暖かさを感じるとき
⑩都内で緑豊かな自然を感じたり季節の花をみれたとき
⑪映画をみて感動したとき
⑫好きな音楽を聴きながら心地よいドライブしているとき
⑬作ってみたい料理を作り上げて味見する瞬間
⑭お年寄りに優しくして「ありがとう」と笑顔で感謝されるとき
・・・・
いろいろあがってしまうので、ここまでにします。
ちなみに、高価な物を買ったりお金を散財することそのものには、僕は幸せを感じないのでリストに出てきません。
ここでは、多額のお金を消費することで幸せを感じることや、お金で幸せをかうようなものごとがあってもいったんは外し、日常のささやかな幸せを並べてみてください。
日常の幸せとは
何気ない小さな日常のものごとから沢山の幸せに感じることがリストアップできましたか?
お金をかけることなく、時間もかけることなく、日常で幸せを感じることはできるのです。
ところで、逆の見方をするとどうでしょう?
「もし健康を害していたら」、「もし家族や仲間がいなかったら」と考えると、その幸せを味わうことができなくなります。
つまり、なんでもない日常の幸せは、実は当たり前であったりいつまでも続くものではないのです。とても希少価値が高いのです。
パスカルの「人間が幸福になるためには、多少の不幸が必要だ」とは、まさにこのことです。
だからこそ、美味しいビールを飲むために運動したり、家族で外食に出かける日には子供に「お腹空かしておきなさい」と言って、あえて不足状態を作るような知恵も、人間にはあるのです。
日常の幸せは競争や比較がないもの
ちなみに僕がリストアップした日常の幸せは社会での競争やら他人との比較というものはありません。
自分の居場所やあり方に関わるものです。
つまり、純粋で損得のない幸せともいえます。
1ミリたりとも「こうあるべきだ」といった要素はなく、100%、自分基準で感じる幸せです。
そんな小さな幸せを沢山積み上げることこそ、大きな幸せになっていきます。
日常の幸せは年齢によって変化する
僕のリストには結婚をしていた時の「家族団らん」という幸せは出てきません。
ですが、若いころにはなかった「自然、花」といったものが新しく存在します。
つまり「いま感じる日常の幸せ」は永遠に続くものではありません。
だからこそ、逆の観点でいけば、その時にしか味わえない賞味期限のある幸せです。
泣いて泣いてどうしようもない赤ちゃんに対して、もう限界・・と思っても、「でも、こうして泣かれて困るのも今だけ。いつか懐かしく思うかも」と、物事の見方を変えて、幸せを見い出す心を持つことだってできるようになります。
日常の幸せを感じるコツ
誰もが同じような日常の幸せを持っています。
ぼーっとすることでも、ゲームをしてうまくいったときでも、なんでも構いません。
幸せと感じる「心」を意識し、そして大切にすることが何よりです。
日常の辛いことでさえ「無くなったらどうなるか」ととらえ直すと、その辛さや大変さもつかの間の幸せと捉えられるようになります。
「幸せはいつも自分が心が決めるもの」という格言、まさによく言い表しています。
終わりに
人というのは特別に良くなろうとしがちな存在です。
「結婚したら幸せになる」、「お金持ちになれば幸せになる」といった将来の幸せを手に入れようとするあまり、いま自分が手にしている幸せを感じる「心」を疎かにしがちです。
人生の最大の失敗は、利益を得ようと欲を持ちすぎたり、特別な幸運を得ようと幻想を持ちすぎることから始まります。
自分の日常の幸せを知り、感謝の気持ちや居場所を感じる心をまずは作ることが、幸せの第一歩です。
将来、手に入れたいと思う夢を幻想をもってまで追い続けて重い状態を、いまの幸せの重さをもってテコの原理で押し上げると、両者が綺麗にバランスします。
これが、幸せを手に入れる極意です。
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