前回の記事では、FIRE後に自由な時間が増えても、それを使いこなすには「好奇心」が重要だ、という話を書きました。
その好奇心を育てるうえで、実は「目標を持つ」というサラリーマン的な発想が、新しいものへの反応を鈍らせている、というパラドクスにも触れました。
目標があると、テレビやネットで何かに引っかかっても、「今やる意味があるか」、「目標に関係あるか」と無意識に選別してしまう。
なので目標を手放すことで、即反応が増え、結果として好奇心が育つ・・が前回の結論でした。
ただ、それを実践していく中で、もう一段深い落とし穴があることに気づきました。
それが「アイデンティティ」です。
好奇心の向き先は、アイデンティティに縛られる
好奇心は、即反応という行動で鍛えられます。
けれど、そもそも何に反応するかは、もっと深い層(自分のアイデンティティ)に強く左右されています。
FIREをすると、人に会っても「何をしている人なのか」、「どんな人間なのか」を即答しずらくなります。会社員というアイデンティティを捨てたからです。
これは想定内でしたが、その空白を埋めるために、中小企業診断士やビジネススクールのような“分かりやすい学び”が、FIRE当初、頭に浮かんだのも事実です。
サラリーマン的学びは、過去の自分を強化する
冷静に考えると、それはサラリーマン時代の自分を、別の形で延長しようとしているだけでした。
どんなスキルを得るか、どんな肩書きを持つか・・という発想自体が、過去のアイデンティティに縛られていたからです。
この前提で好奇心を使おうとすると、向かう先は結局、「昔の自分が評価しそうな分野」に限定されます。
それでは、新しい好奇心は生まれません。
あえて「関係のない学び」を選ぶ
そこで僕は、あえて「サラリーマン時代と関係のない学び」に時間を徹底して使いました。
FIRE後の3年間で取った資格や学びは、天文宇宙検定、夜景観光士、船舶一級、料理教室、語学教室、カメラ教室・・などです。
あえてサラリーマン時代にはやらないものほど、新たな発見や感覚を得られました。
そして何より、その学びが「サラリーマンというアイデンティティを捨てること」に拍車をかけました。
その結果、好奇心の方向も広がったと思います。
終わりに
好奇心を本当に全開にするには、目標を手放すだけでは足りません。
好奇心の向き先を縛っている、(特に古い)アイデンティティそのものを一度はがす必要があります。
FIREとは、自由な時間を得ること以上に、「何者であろうとする自分」から距離を取るプロセスなのかもしれません。
その先でようやく、好奇心は機敏に制約なく育つという実感があります。
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