【円安時代の教育論】円で稼ぎ、円で育て、円で老いるリスク

2026-02-04

人生

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今日は、高校進学を控えた姪っ子から進路や教育について相談を受けたことをきっかけに、僕がいま考えている「教育とリスクヘッジ」の話を整理してみたいと思います。

結論から言えば、これからの時代における教育の価値は、「成功するかどうか」より、「どれだけ人生の選択肢を分散できたか」で測るのが良いと考えます。

その背景には、日本経済を国際的な視点で見たときの、ある程度は避けられない構造的な変化があります。

1億円の価値が目減りする現実

かつて日本では、「1億円あれば人生は安泰」という感覚がありました。

しかし、今の環境ではその前提自体が崩れています。

仮に、今後15年間、日本のインフレ率が年2.5%程度で定着し、為替が現在の1ドル=155円から180円まで円安が進んだとします。(この条件は極端な悲観ではなく、むしろ国際環境を踏まえれば十分に起こり得るシナリオです)。

仮にインフレ率が年2.5%で定着した場合、15年後の物価水準は約1.45倍(1.025¹⁵ ≒ 1.45)になります。

この場合、1億円の国内購買力は約6,900万円相当まで低下します。

さらに国際的な視点で見れば、円安の影響も重なり、実質的な価値は約6,000万円程度にまで目減りします。

1億円という金額は、日本という国の通貨価値、ひいては国際的な立ち位置を個人レベルに引き直した象徴として算定してみました。

僕が「構造的にインフレは避けられない」と考える理由

このインフレは一時的な現象ではなく、構造的に続く可能性が高いと僕は見ています。

理由は単純です。

世界全体がインフレ基調にあり、日本が輸入に依存している資材・エネルギー・食料は、すでに現地通貨ベースで高くなっている。そこに円安が重なれば、輸入コストは二重に上昇します。

一方で国内では、労働人口の減少により労働市場の流動性が高まります。人手不足を背景に賃金を上げなければ人材を確保できない状況が進みます。

企業も、長年のコスト削減で吸収余力は小さく、さらに外国人労働力への依存にも社会的な制約や批判が強まりつつあります。

結果として日本は、輸入コストと労働コストの両面から、持続的にインフレ圧力を受ける構造になるわけです。

これは個人の努力や節約でどうにかなる話ではありません。

問題は「円で稼ぐこと」ではなく「円に閉じること」

誤解してほしくないのですが、日本で働き、日本円を稼ぐこと自体が悪いわけではありません。

円で収入を得て、その一部を外貨建て資産に投資することも、立派なリスクヘッジです。

ただ、僕がより重要だと思うのは、自分のスキルや経験が、日本円の外でも通用するかを、若い人は一度は試しておくことのメリットです。

必要になったとき、日本の外でも生きられる可能性を持っているかどうかは、貨幣価値の劣化に対する個人レベルの「防御力」になります。

ちなみに1989年時点の日本企業の勢いはすさまじく、世界の時価総額トップ10に7社が入っているわけです。もはや時代は変遷していまいました。

(引用元)1989年の史上最高値目前だけど、日本企業の存在感は乏しいまま 「時価総額ランキング」の今と昔

海外に出る価値は「成功」ではなく「希少性」

いま世界はどの国も自国ファーストへと傾き、日本では円安によって海外に関わる教育コストが上がっています。

その結果、多くの家庭が合理的に国内の塾や進学にお金を使う選択をします。

この流れ自体は自然ですが、結果として経験が均質化し、人生の選択肢が無意識のうちに国内に閉じていく(=日本の同調主義レールに乗る)のは、僕は強いリスクを感じます。

教育無償化の恩恵を受けるなら、その原資を使ってあえて留学などを通じて、「グローバル」というテーマに実際に向き合う・・そんな経験はこれからますます希少になります。

重要なのは、海外で成功することではありません。

語学が思ったほど身につかなくてもいいし、途中で帰ってきてもいい。ただ、自分は一度、日本の外に身を置き、別の通貨圏・別の価値観の中で生きることを本気で試した、という事実そのものが人生の分散になります。

それは、日本国内から海外まで自分の選択肢を広く持てる状態をつくるという意味での希少性です。

終わりに

経済面も個人生活面も、構造的に厳しくなっていく日本において、教育は「人生を一つの国、一つの通貨、一つの価値観に固定しないためのリスク分散」だと考えています。

特に昨今、円安とインフレの時代、多くの人が内向きになります。だからこそ、誰もが海外留学をしていた時代と今はちがうゆえ、その経験ははるかに大きな希少価値を生みます。

これは個人の見通しとリスクヘッジのアイデアでしかなく、やはり子供たちは多様な意見に触れ、その中から自分なりに腑に落ちるものを選べばいいとは思います。

親としては、子供が学びながら選択肢を広げる生き方を応援していくことしかできませんが、それが何より大事だと思っています。


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自己紹介

2022年3末に完全リタイア。FIREの自由で創る”自分らしいセカンドライフ” としてFIRE-Driven Lifestyle Innovationをテーマに、日々の気づきや経験を発信して精神的に豊かなFIREを応援します。
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