その豊かさは「支出スタイル」によって左右されると最近強く感じます。
それは単に「体験にお金を使うようになった」という教科書のようなことではなく、より本質的な変化です。
結論をいえば、「会社員時代=節約」から「アーリーリタイア生活=倹約」へと切り替わることで、リタイア生活の満足度や時間の質が高まるという変化です。
今日はこの節約から倹約にシフトする意義を綴ります。
節約と倹約の違い
まず言葉の整理をしておきます。
節約とは「目標達成のために支出を切り詰める行為」です。例えば「年間300万円で生活する」と目標を定めれば、それに従い「とにかく出費を抑える」ことが節約です。
一方、倹約とは「無駄を省き、価値あるものを選んでお金を使うこと」です。
言い換えれば、「節約=資産の最大化」であり、「倹約=価値の最大化」となります。
僕の支出スタイル
サラリーマン時代は節約が中心でした。
外食に行っても回転寿司や格安焼肉が定番で、食べ盛りの子どもと一緒に楽しみつつ、貯蓄を最優先にしていました。
振り返ると、この節約は「基礎体力づくり」でした。
同じ味を繰り返し体験したからこそ、後に「この500円のマグロは100円のマグロより明確に美味しい」と価値の違いを感じ取れるようになったのです。
つまりサラリーマン時代の節約は単なる資産形成だけでなく、価値判断の土台を養う訓練期間でもありました。
リタイア後に倹約が効いてくる理由
アーリーリタイア生活では、時間もお金も「質」が中心になります。
最安値ばかりを選ぶと自由を楽しめず、逆に高額でも価値を感じられない支出は浪費です。
例えばホテル選びです。
サラリーマン時代の旅行は節約ゆえ「安さ」が正解でしたが、今は自分が求める価値を基準に正解を探します。
プラス〇千円で「オーシャンビューで自然を感じたい」、「広い部屋で解放感を得たい」、「ラウンジアクセスをつけて特別感を得たい」など、求める価値とその値付けで最適な選択をします。
節約志向で最安値を選ぶばかりの選択の窮屈さはなく、かといって、価値があっても値付けが高すぎると浪費に感じます。
価値と価格の折り合いも踏まえた最適を選択したいのであって、仮に何十億のお金を持っていても毎回「最も高い部屋」ばかりは選ばないでしょう。
お金で選ばず、価値で選ぶからです。
倹約が育てる目
こうしてリタイア後に倹約志向となると、自然に「価値を見極める目」が養われます。
例えば、ホテルなら節約時代はさほど気づきもしない「入口ドアの重厚感があるか」とか「バスローブやタオルが大く、質感や吸水性が高いか」といった具合です。
食事なら素材の良さ、味の奥行き、手間のかけ具合・・に注目するようになります。
以前は気にしなかった細部に気づき、より深く体験を味わえるようになります。
つまり、倹約は「無駄を省きつつ、最も価値あるものに投じる」行為なので、倹約を続けることは価値を吟味評価する能力を培うことにもなります。
結果として、人生の質を引き上げたり、質を見る目を養うことにつながります。
終わりに
こうして、サラリーマン時代は主に節約によって資産と価値判断の土台を築き、アーリーリタイア後は倹約に完全に切り替えて、生活の質を高めてきました。
この「節約から倹約への切り替え」が無ければ、リタイア生活は節約の延長のままで、お金を使わないことに勤しむ窮屈な日々となっていたでしょう。
なので、リタイア後に倹約マインドに切り替えることは重要ですし、それが生活のなかの質を吟味する能力も高めたり、豊かさを感じる源泉になります。
とはいえ・・今でも時に回転寿司や格安焼肉店にも行きます。
節約というより、味の基準値を再確認したり、ホッと感じられる懐かしさがあるからです。
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