リタイア後の生活を考えるとき、「趣味をどう楽しむか」は大きなテーマになります。
僕自身も、大学時代からサラリーマン時代、そしてリタイア後と、同じ趣味でもその意味合いが変化してきたと実感します。
特に旅行を例に比べると、その動機やスタイル、感じ方の違いが鮮明です。
今日は、大学時代・サラリーマン時代・リタイア後という3つの段階を比較しながら、趣味の向き合い方の変化を綴ります。
大学生の旅行:自分探しと未知への衝動
大学時代の旅行は、とにかく「外の世界を知りたい」という衝動が原動力でした。
いま振り返ると恥ずかしいほどですが、動機はどこか「自分探し」に近いものでした。
未知の土地や文化に触れ、人との出会いを通して「自分が何に心を動かされるのか」を探ろうとしていたのです。
スタイルは安さ重視で、貧乏旅行が当たり前。安宿や夜行バス、バックパックを駆使し、体力の限界を試すような旅も冒険の一部でした。
意味合いとしては「自分の可能性や限界を外の世界を通して確かめる」ことであり、趣味というより自己形成の手段だったといえます。
サラリーマンの旅行:息抜きと自己確認
社会人になると、旅行の役割は一変します。
平日は仕事に追われ、長期休暇も限られているため、旅行は「本業の合間に差し込む息抜き」になりました。
動機はリフレッシュやストレス解消。観光地やリゾートが中心で、効率と安心感を重視し、休暇を無駄にしないよう予定を詰め込みがちです。
多少の贅沢も「頑張ったご褒美」として正当化されます。
つまり、サラリーマン時代の旅行は「非日常の短期消費」であり、社会の中で働く自分を確認する手段でもありました。
リタイア後の旅行:人生を豊かにする体験へ
リタイア後には、旅行の意味合いはさらに変わります。
もはや「自分探し」は微塵もなく「息抜き」も必要ありません。その代わりに求めるのは「質のある体験」です。
自然の豊かさ、歴史の奥行き、食や文化の深みをじっくり味わい、感性に響く瞬間や感動を大切にします。
スタイルは快適さや安心感をベースにしつつ、大学時代の冒険心を少し取り込みます。
なので、旅行は、「リフレッシュを目的とした消費活動」から「感動体験や思い出資産を作る投資活動」になったのです。
感動や思い出の蓄積が大きく深いほど、友人や家族とそれを語り合う再活用の場面も多く、味わい深くなります。
終わりに~消費から生産へ変化
こうして、旅行は人生のステージごとに役割が変わってきました。
大学時代は「可能性を試す場」、サラリーマン時代は「非日常の消費と自己確認」、そしてリタイア後は「人生を豊かにする資産づくり」。
リタイア後に旅行という趣味が重要になる理由は、単なる余暇としての消費から、体験を通じた「思い出の資産形成」へと質的変化があったからです。
その結果として、時間の密度が高まったとも感じます。
決して、意識して変えたわけではなく、「自然にそうなっていた」だけのことですが、自分には大きな意味のある発見でした。
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