アーリーリタイア生活で人間関係をスムースにするためのスキルは、現役時代のそれとはまったく違うと感じます。
今回、人間関係を育てるとき、会話を盛り上げるとき、といったシチュエーションで有益なスキルについて、現役時代とアーリーリタイア生活を比べてみたいと思います。
いずれも個人的な体験から綴るものである点はご了承ください。
人間関係をつなぐ些細な能力
現役時代の、特に新たな人間関係は、仕事を通じて発展していくのがほとんどです。
共通の業務や目標があるからこそ自然に会話が生まれ、その延長で趣味や家庭、将来の話に広がりが出るというものです。
広がりが無い場合でも、「ゴルフ」といった「ビジネス界の最後の砦」が接着剤の役割を果たしてくれたりもします。
しかしリタイア後はこの構造はすっかり変わります。
会社という共通の場がなくなるので、人とつながる「とっかかり」は自分でつくり、またそれを発展させるのも「きっかけ」が必要です。
そこで大事になるのが、些細な能力です。
僕の「些細な能力」
これまで何度か、友人宅でペットに懐かれると、想像以上に歓迎される経験をしました。
「この子(ペット)がこんなに懐くなんて珍しい」と言われると、それだけで会話が広がったり、相手の表情も和らぎます。
ペットに限らず、赤ちゃんや小さな子どもの場合も同じです。
相手が大切にしている動物や子供が「なぜかすごく懐いている」という印象は信頼を生むのだと実感はします。
僕としては、これまでペットを飼った経験や、YOUTUBEでペットとふざける動画をみたりなどで些細な能力がついているのかもしれません。
会社員時代は使いもしないスキルです。
*ただ、ある外資企業の日本法人に勤める友人から、「社長(海外から着任)の自宅の犬の面倒をみることで出世した奴がいる」という逸話は聞いたことがあるので、これが使える場面もあるのかもしれません・・。
会話を盛り上げるスキル
リタイア生活での人間関係は仕事の話題をしないので、それにとってかわる会話のネタが重要です。
活動ネタが新しい肩書きにもなる
まずは「活動ネタ」です。
リタイア後に必ずといっていいほど聞かれる質問が、「で、毎日何をしているの?」というものです。
現役時代なら「いまは〇〇の仕事をしていて・・」と答えられたものの、仕事をしないいまは自分の活動そのものをネタにしないといけません。
旅行、語学の学び直し、新しい趣味へ挑戦してる・・など、具体的に動いていることや体験を語ることで会話が広がって人間関係も育つことにつながります。
さらに面白いのは、その活動が友人経由で「WATARUはこんなことをやっているんだ」と広まっていくことです。
自分の取り組みがそのまま新しい肩書のようなものになったりします。
ちなみに、定番の旅行ネタ以外でも「四国88箇所のお寺を巡礼した」、「空き家を買ってDIYしてる」、「戸籍を取り寄せて家系図を作った」、「目一杯お金を体験に使う実験した」とか、いろいろあります。
相手も興味の分野によって「へぇ~、それおもしろいなあ。で、どんな感じだったの?」と話題は広がるものです。
孤独の楽しみもスキルになる
なお、それは活動ネタでなくても良いのかもしれません。
むしろリタイア後には、現役時代以上に一人で過ごす時間が増えるため、「孤独を楽しむこと」として何をしているかも話題になります。
映画や読書をじっくり味わうとか、庭仕事や散歩で季節の移ろいを感じる、特定のテーマを掘り下げて調べてみた・・・などです。
こうした一人の楽しみ方が心を豊かにしますし、その体験や感覚がリタイア後の人間関係での会話にもつながります。
自分が楽しんでいれば相手も「この人は面白そうだ」という印象を持ったりもするので、リタイア生活で無理に孤独を避ける必要はなく、積極的に楽しむことが良いのだと思います。
終わりに
リタイア後の生活では、会社という基盤に支えられた人間関係や肩書きがなくなり、自分自身の力でつながりや楽しみを育てる必要があります。
そのために、僕の場合は、ペットや子どもと仲良くなるといった些細な能力であったり、日々の活動を語れることや、孤独を前向きに楽しむ力などが役立っています。
結局のところ、リタイア後に必要なのは「生き方を楽しむスキル」だとも感じます。
自分が楽しんでいれば、それを聞く知り合いや友人も興味を持つもので、リタイア4年目の今は、そうした「ネタ作り」も頭によぎりながら、新しいことに取り組みだしています。
↓