FIRE(経済的自立と早期リタイア)を実現してから、時間にも場所にも縛られない自由な生活をするようになりましたが、その中で思わぬ“難しさ”に直面します。
それが、人づきあいの中で感じる「経済観念の違い」です。
これはFIRE生活だからこそ生まれる、会社員時代にはなかった感覚のズレとも言えます。
今日はそんな「FIRE後ならではの人づきあいの難しさ」を綴ります。
土台のない関係に生まれるズレ
会社員時代には、同じ企業に属しているというだけで、ある程度の経済感覚や生活水準に共通の前提がありました。
給与レンジやボーナス時期も近く、飲み会や旅行でも「このくらいの価格帯なら大丈夫だろう」と、無言の了解がありました。
しかし、FIRE後はこうした経済観念は人によって大きく変わる場合もあります。
会社関係者にとってはFIREをした僕を誘う時は、「FIRE後だから遊ぶお金も少ないかもしれない」と経済観念の変化の行方が難しく感じるでしょう。
また僕自身もまた会社外の交友関係も増えるので、そこは年齢も生活スタイルも収入もまちまちで、相手が「どれくらいの支出を心地よく感じるか」が見えにくくて時に厄介です。
食事ひとつでも読み違える
たとえば僕は、「ビール1杯190円」をアピールする格安居酒屋から、1万5000円ほどのレストランまで幅広く楽しめるタイプです。
なので誘われる場合はどういったレンジでも対応できることが多いです。
でも、僕が相手を誘う場合はそうとは限りません。
特にFIRE同士で会う場合、相手がどの程度の支出を許容しているかは、もはや会社員時代の延長線では測れません。
僕にとって「これくらいなら普通」と思った価格帯でも、相手にとっては「ちょっと高すぎる」と感じているかもしれないですし、その逆も然りです。
一度その“予算感”がずれると、次回の誘いをためらったり、関係がぎくしゃくしてしまうことさえありえます。
経済観念は「話しにくい壁」になる
ただ、「お金の使い方の価値観」は話題にしやすくても、「いくらなら心地よいか」という経済感覚の違いは、意外と口にしづらいものです。
価値観とは、どういった投資をしているかや、お金の使い方として何が多いのか・・というもので話しやすい内容です。
たとえば「このお店で8000円くらいになるけど大丈夫かな?」と聞いたとき、相手は表面上は「いいよ」と答えていても、内心では負担に感じていることもあります。
その逆もありえます。気を遣って安い店を選んだ結果、「この人はいつも節約志向だから、高めの店には誘いづらいな」と思われてしまうことも。
こうして「金銭感覚のズレ」は口にしにくいですし、関係に微妙な距離を生んだり無理を生じさせてしまうのです。
必要なのは、柔軟性と相手への観察軟性と観察力
FIRE後の人づきあいでは、「どの価格帯でも楽しめる自分でいること」と「相手の快適ゾーンを自然に察すること」がとても重要になります。
僕自身は、安い店でも清潔で雰囲気が良ければまったく構いませんし、少し高級な店でも会話や体験を重視したいときには喜んで選びます。
そうした柔軟さが、FIRE後の多様な交友関係を豊かに保つ鍵になると思っています。
終わりに
FIRE後の生活は、時間もお金も自分の裁量で使える自由があります。けれどその自由には、共通の基準がないからこそ生まれる“ズレ”という難しさもあるのです。
とくに「経済観念の違い」は、本人同士のやり取りでは見えにくく、だからこそ意識的に丁寧に扱う必要があります。
相手が心地よいと感じる範囲を察し、自分の感覚を押しつけすぎない。そんなバランス感覚が、FIRE後の人間関係を長く良好に保つために、とても大事なことなのだと思います。
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