今回はミリオネア数の国別比率を分析してみました。
目的は、世界のミリオネアの総人口に占める国別割合として、日本が相当の富裕層(≒ミリオネア)を抱え、世界的なプレゼンスがきちんとあるのかを把握するためです。
これはUBSが発行する「世界の家計の富に関する年次報告書(The Global Wealth Report)2024」に基づいて集計するものです。
当レポートで採用しているミリオネア(*)の人口をもとに国別分布のグラフを作成しました。
*純資産で100万米ドル以上保有と定義されています
世界におけるミリオネア数の国別比率
2023年末時点、より多くミリオネアを有するのはアメリカで、世界のミリオネア全数の約39%とトップに君臨しています。
アメリカに続くのは中国(11%)でこれも想定通りです。
それ以下は横並びで、イギリス(5%;306万人)、フランス(5%;287万人)、日本(5%;283万人)、ドイツ(5%;282万人)となっています。
日本のミリオネアは多いといえるのか
当グラフから日本は世界でもトップ5位のミリオネア輩出となるわけです。
ですが、日本はそれらG7主要諸国(イギリス、フランス、ドイツ等)と横並びにはあるものの、成人人口は日本が最も多いことを踏まえると、日本の実力(5%を輩出するという比率は)見劣りする結果とも言えます。
他方、成長著しいインドにしても、人口は多いものの実質的なミリオネア数は世界の2%と少ない現状です。
アメリカの独り勝ち、そして巨大人口を有する中国と続き、先進諸国が並んでいるわけですが、下位にある新興国は急速に成長しているのではないかと伺えます。
終わりに
今回はミリオネア(米ドル建ての億万長者、以下の図の黄色部分)に注目し、その世界の総数に対する国別比率を作成しました。
なお、世界の富の全数分布(ピラミッド全体)は以下の通りで、これは前回の記事にて紹介しています。
(https://www.ubs.com/global/en/media/display-page-ndp/en-20240710-gwr-2024.html)
次回、主要国のミリオネア数が直近の数年でどのように変化しているかのトレンドを分析し、そこでの「円安」による資産目減りの影響などもみていきます。
ランキングも参加してますのでぜひポチっとお願いします。