コロナ禍以降、ミリオネア(≒富裕層)の数は世界的に増加しています。
同様に日本のミリオネア人口も増加しているのか、その点は確信が持てません。
この数年で円安が加速し、日本人の個人資産をドル建てでミリオネア判定(純資産で100万米ドル以上)するにも人口ベースで目減りしてると思えるからです。
そこで今回、世界(ドル建て)から見た日本人のミリオネア数の推移や実態を把握してみました。
これはUBSが発行する「世界の家計の富に関する年次報告書(The Global Wealth Report)」の過去数年分を使い独自集計した結果です。
日本と主要国のミリオネア数の推移
以下が日本を含む主要国のミリオネア数の過去3年(2021〜2023)の推移です。
結論からいうと日本のミリオネア人口は2023年に少し持ち直しています。
まず、ミリオネア人口で圧倒的トップのアメリカは、この過去3年はずっと減少傾向です。
一方、イギリスやドイツなどの上位欧州勢は2021年から2022年にかけてコロナ禍でのロックダウン等での影響でミリオネア人口が減少したものの、2023年はV字回復しています。
そうしたなか、残念ながら日本はV字回復とまではいえず、微増という失速状態です。
2021年:3224(千人)
2022年:2757(千人)
2023年:2828(千人)
日本のミリオネア人口失速の要因
日本のミリオネア人口が2023年から2024年にかけて十分に回復していないのは円安に原因があるといえます。
同レポートは現地通貨とドル建て換算によって集計しています。
それゆえ以下の図の通り、2023年から2024年の日本全体の富の推移をみると、現地通貨(円)ベースでは9%の増加と高いものの、米ドル建て換算における成長は2%でしかありません。
それだけ円安が強まりドル換算では実質7%相当分が目減りしているということです。
日本国内で生活しているとこうした失速を実感しませんが、海外の機関投資家や海外企業からすると、為替マジックとはいえ「日本の個人資産の伸び率が鈍化している」と見えてしまうのでしょう。
日本の将来は明るい?
しかしながらバッドニュースばかりではありません。
少し明るいニュースとしては、2028年までに「日本のミリオネア人口が25%以上増加する」との予測を立てています。
これはミリオネア人口の成長で最多が見込まれる台湾(成長率50%)に続いて世界でも第2位のポジションです。
この成長は人工知能ブームの恩恵を受ける台湾の半導体産業やその関連での恩恵が織り込まれているようです。
終わりに
今回はミリオネア(米ドル建ての億万長者)の推移と将来予測を洗い出してみました。
日本のなかにいると「日本が豊かになる」という感覚はピンときませんが、海外からの視点では「日本のミリオネアは今後5年で20%増加する」という見立てであることが新鮮な驚きでした。
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