僕はずっと一定の節約マインドを持ち続けています。
それは、FIRE前もFIRE後も、資産が少ないときも資産が増えても、変わらず一定です。
節約マインドは、「家計簿をつける」とか「予算を持て」などの習慣から来るものでもありません。
僕の場合、その根底には「安心感を得たい」という想いがあります。
不思議なことに、節約によって安心感が得られると、同時に「大切なことにはお金を使う勇気」も湧いてきます。
今回は、僕にとっての節約マインドの源泉=安心感、そしてそれがFIRE後には「良いお金の使い方」を促すようになるという、ある種の“ダブルスタンダード構造”について綴ってみたいと思います。
節約マインドの源泉は安心感
僕の節約マインドの中心には、「お金への不信感」があります。そしてそれが、節約という習慣を自然に生み出しています。
たとえば、投資資産は常に評価額が上下するので、「暴落が来たらどうしよう」とか「投資先の企業が倒産したら、全てを失うかもしれない」といった警戒心が、心のどこかに常にあります。
かといって、現預金で持っていたとしても、「インフレで価値が目減りするかもしれない」、「預金封鎖があったら引き出せないのでは」といった別の不安が浮かびます。
もちろん、こうしたリスクが現実になる可能性は低いと理解していて、慎重に判断したうえで投資をしています。
それでも、投資と節約は別の話で、「お金は必ずしもそのままあり続けるとは限らない」という根底の感覚が、僕の中にあるのです。
だからこそ、「浪費せず、きちんと節約しよう」という意識が自然と生まれ、結果として心の「安心感」につながっています。
節約マインドは生涯不変
この「お金はどうなるかわからない」という認識も、節約マインドも、僕の中では人生を通じて変わらないものです。
サラリーマン時代、貯蓄目標を持っていた頃も、順調に貯蓄が進んでいるからといって無駄遣いをしようとは思いませんでした。
それは、目標に向かっていたからというだけではなく、「お金は不確かなもの」という意識があったからです。つまり、油断せず、コツコツと貯め続ける感覚です。
そしてアーリーリタイア後も、そのマインドは変わっていません。
むしろ資産を取り崩しながら生きている日々だからこそ、なおさら「お金はいつもそこにあるとは限らない」という感覚が、無駄遣いへの抑制につながっています。
資産が増えたからといって、安心しているわけではなく、「お金との距離感を一定に保つ」ことが、僕にとって大切なスタンスなのです。
節約マインドと健全な支出は相反しない
ただし、「無駄遣いをしない」節約マインドがあるからといって、「まったくお金を使わない」というわけではありません。
むしろ、「本当に大切なこと」「意味のある経験」にはお金を使いたいという気持ちは、FIRE後にむしろ高まっています。
節約マインドによって無駄な出費を抑えつつ、価値ある支出にはお金を惜しまない。この「ダブルスタンダード」ともいえる考え方は、一見矛盾しているようで、実際にはとてもバランスの取れた金銭感覚だと感じています。
ちなみに、リタイアから2年経過して昨今、財布のひもを緩めている理由は、生活収支が明確になったこと、加齢による質の追求、支出に溺れない精神といった観点だとこちらで記事にしています。
また、リタイア後の生活変化で支出は増えていましたが、その内訳として増えた支出や減って支出についての分析記事です。
終わりに
僕にとって、節約マインドの根底にあるのは「お金は予測できない存在だ」という不信感です。それが無駄遣いを抑える力となり、節約習慣を自然に育んできました。
だからといって、お金をただ貯め込むのではなく、FIRE後は「意味のある支出」には積極的でいられます。
お金は魔物とも言われる存在ですが、ビビりな僕には、このように「節約による制御」と「健全な支出の開放」というダブルスタンダードで付き合っていくスタイルが、気楽でちょうどいいのだと感じています。
お金との向き合い方は、人それぞれのスタイルがあります。
もし僕のこの感覚が、誰かにとっての参考になれば幸いです。
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