リタイアをしてからどうもFIREっていう定義がはっきりしないまま2年も過ぎて気持ちが悪いままです。
しかも人によって捉える立ち位置や角度が違います。
もちろん文字通りの定義は「Financial Independence (FI);経済的自立」と「Retire Early (RE);早期リタイア」を示すわけで、その究極の目的は幸せになる(いる)ことです。
その「幸せ」という主観的で大雑把な括り方をブレイクダウンし、またFIとREを分離して考えると、いかにFIRE(というFIとREの集合体)が幸せに直結するか、相関が明確になった気がします。
今日はそのブレイクダウンとFIとREの相関を綴ります。
幸福のブレイクダウン
幸せになる(いる)方法は人生のステージや置かれた状況で変化するように思えます。
基本的には以下が僕にとっての幸せの構成要素です。
まずリタイアした今は「①心身の健康と平穏」で、それはストレスや不安の少ない状態で心の平穏が保たれていることです。
でも現役時代は「②自己成長と目標達成」といった仕事の目標達成と報酬(お金)の両得で達成感というなかに一時的幸福があったとも思います。
仕事の問題は苦痛や我慢を自分で強いることで、いつもストレスや不安が共存しました。
現役中の成長や達成を求めるなかで背負った「ストレスや不安という負債」をリタイアで帳消ししている面もあります。
その清算方法の基本が「③ウェルビーイング」というものです。
心身とも健康にいて、日々、適度に運動と睡眠を取り、穏やかな時間を過ごして幸福感を噛みしめるものです。
人によっては(僕も)現役とかリタイアに関わらず「④人間関係」として家族や友人等との良好な関係を持つことも大事です。
またリタイア後はこれまで恩義を受けた社会やものごとに「⑤意義ある活動と貢献」で恩返しすることも大事にしています。
幸福の成立条件
幸福が成立するのはこうしたブレイクダウン(構成要素)の組み合わせが必要で、最低でも「上記の①~⑤の少なくても1つは持っていること」が不可欠に思えます。
そのほか幸福が成立する根底には常時「⑥自己肯定感と楽しみ」があると思っています。
僕にとっては「多様性を尊重してポジティブな感情や楽しい経験を得ること」で、これは子供の頃から現役時代もリタイア後も共通するものです。
もちろん自己肯定感なんて主観的なもので自分がそう感じれば良いだけのものです。
人によっては「他人の思考行動を批判し自己肯定する心理」も広い意味では自己肯定行為でやはり人間には必要なものだと思ってしまいます。(そのやり方は疑問には思いますが)。
幸せとFI/REの相関
以上の幸福の構成要素をFI/REにわけて関連づけしてみました。
僕の場合、経済的自立をしてからもサラリーマンをしていたので、現役時代(FI)とリタイア後(RE)が明確に分かれています。
現役時代(FI)の幸福の構成要素
現役時代は
現役時代=(⑥自己肯定感と楽しみ)+(②自己成長と目標達成)+(④人間関係)
が幸せの構成要素でした。
RE(早期リタイア)を目的としてFI(経済的自立)をしたわけでもなかったので、経済的自立がもたらすメリットとして、
・経済的な不安がないなかで仕事をするので「いつでも辞められる」と心の余裕がある
・その結果、仕事への耐ストレス性もあった
・仕事以外の心配(将来の不確実性や予期せぬ出来事)は気にしないですむ
・いつでも仕事を辞めて理想のライフスタイル実現や趣味・興味の追求にシフトできると感じていた
がありました。
それがストレスや不安が少なく、人生選択をできる状態がメリットと感じました。
ただ、仕事をするからには自分時間は制限があって、犠牲にしていたものがあります。
リタイア後の幸福の構成要素
リタイアのいまは仕事時間で奪われた犠牲を取り戻せるので、幸福の構成要素は、
リタイア後=(⑥自己肯定感と楽しみ)+(①心身の健康と平穏)+(③ウェルビーイング)+(④人間関係)+(⑤意義ある活動と貢献)
となっています。
リタイア前後で比較するとリタイア後が数は多くなっています。
ですが数だけでなく質(主観的に重要性をどう捉えるか)の問題もあります。
主観的には質と量の「総合点」として、
現役時代(⑥+②+④)≦リタイア(⑥+①+③+④+⑤)、
と、リタイア後が同等かやや優位な感じがします。
現役時代は必ずしも常時「⑥自己肯定感と楽しみ」があったわけではなく、仕事がうまくいかなくて肯定感も楽しみも持てない時期もありましたし、人生時間のロスもストレスでした。
とはいえ仕事で嫌な環境でもいずれ人間関係や役割は異動と共に変わりますし、総じて「⑥自己肯定感と楽しみ」を感じられる職場環境だったと思います。
ということで、これらを表にするとこのようになります。
終わりに
以上は僕の個人的な見解であって、人によっては働き方や仕事環境で①~⑥が著しく疎外され「とにかく早期リタイア(RE)が大事だ」といった「FI<RE」の志向者もいらっしゃいますし、そんな働くことが幸福を疎外するなら辞める自体に価値があるのだと思います。
一方で、僕のような仕事に不幸な要素が少ないと感じている人は「FI>RE」と早期リタイア(RE)が優先目標ではない場合もあるかと思います。
それでも「人生残り時間」のカウントダウンを感じると時間の大切さも無視できませんし早期リタイアの価値が相対的に高まります。
実際に辞めれば、FI+REの「FIRE完全状態」となって心身の健康(①)を取り戻し、ウエルビーイング(③)を味わい、意義ある活動と貢献(⑤)や趣味などの楽しみ(⑥)に日々を費やせることができます。
ちょっと難しい「幸せ」という抽象的テーマをFIREで解こうと思ったわけですが、「幸福は失って初めて気が付くことも多い」といった透明ではかない面もあるので、自分の感覚で明文化してあぶり出そうとあがいてしまいました。
皆さんの幸せ論の考えるきっかけになれば幸いです。
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