FIRE(経済的自立と早期リタイア)が遅すぎると、結果として“損な人生”になりかねません。
その損得を測る物差しは大きく2つあって、「過去の犠牲の回収」と「将来の夢(やりたいことの全消化)」です。
学生時代の受験戦争、社会人時代の仕事・・そうしたやむを得ない自己犠牲を払った分、FIRE後は「楽しみの時間」を増やして犠牲を回収したいですし、やりたいことをすべてやりきりたいと思っています。
ただし、ここで問題となるのが“健康寿命”という時間的な制約です。
今日はそんな健康寿命という限られた範囲で最大の回収をするための分岐点について綴りたいと思います。
人生の「損益分岐点」とは何か?
この「過去の犠牲」と「将来の夢」を両方とも満たせるかどうか・・その可否を分けるのが、「人生の損益分岐点」です。
・犠牲を回収でき、やりたいこともやりきれる ⇒ 人生の「利益」
・どちらかが中途半端に終わる ⇒ 人生の「損失」
この分岐点をどこ(何歳)に設定するかが、FIREの質を大きく左右します。
図解イメージ:FIREの損益分岐点
損益分岐点は、2本の曲線でイメージできます。
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損失曲線(A):受験や仕事などの「我慢」の累積。社会人スタートから右肩上がりに増えていきます。
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利益曲線(B):FIREによって得られる「自由・楽しみ」の量。FIREをした瞬間から急激に上昇します。
このBがAを追い越す地点が、「損益分岐点」です。
この2つの曲線をばらしたものが以下で、両者を合体させ損益分岐したのが上の絵です。
FIREのタイミングが遅いと回収できない
ところがFIREのタイミングが遅れると、この交点も後ろへズレていきます。
たとえば、FIREを45歳から60歳に遅らせたとしましょう。損失は15年分積み上がる一方で、自由に楽しめる時間が短くなり、分岐点は90歳…つまり人生の終盤ギリギリになります。
これは現実的に「回収しきれない」可能性を意味しています。
*FIREの段階から損失曲線は横ばいと考える方法もあります。
FIREとは「悔いを残さないための手段」
この損益分岐点を目指すのは、何も「人生で得をしたい」という打算からではありません。
最終的には、誰しも「悔いのない人生を送りたい」と願うものです。
僕自身にとって、それは「過去の犠牲の回収」と「やりたいことの消化」ができている状態です。
それを実現できれば、「もう悔いはない」と心から思えるので、その回収しきる感覚を損益分岐点という言葉で表しています。
分岐点についての個人的見解は過去に記事にしています。
FIREの価値
僕はFIREしてからもうすぐ丸2年になります。
この間、「何もしない息抜き」や「自由なチャレンジ」をしてきましたが、ふと立ち止まって「どこへ向かっているのか?」と考える瞬間もあります。
最終的にたどり着いたのは、やはり「悔いを残したくない」というシンプルな結論です。
損益分岐点とは、「そこに到達できればもう十分だ」と思えるそんな後悔のない納得感のある生き方を実現する地点です。
だからこそ今は、健康を維持しながら「過去の犠牲の回収」と「やりたいことの全消化」に取り組んでいます。
終わりに
FIREは「人生の悔いが残る・残らない」の損益分岐点に早く到達させる最善の手段
と表現できる気がしています。
YOLO(You Only Live Once)。
人生は一度きりなので、だからこそ、計画的かつ大胆に「損益分岐点」を意識しながらFIREすることが、賢い人生戦略だと思います。
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