片道切符で完全リタイアをした僕にとって「リタイア時点の資産額で人生をやりくりすること」が死守すべき重要テーマです。
万が一、それが困難となれば、少しでも働いたり、不本意に節約したり、無理な投資で資産をリスクに晒すなど、望ましくないことをやらざるをえません。
そうならぬよう、資産防衛に敏感に、3つのリスク(20年スパンで起こりえると思うこと)を自分なりに想定し防衛策を考えています。
僕が織り込んでいるリスクは、①医療費5割負担、②税負担増(消費税アップ、資産課税等)、③インフレ、です。
今日はこんなFIRE生活の破綻になりかねない3つのリスクと防衛策を綴ります。
防衛策の基本方針
まず、医療費の負担増も、税負担増も、意表をついて突然発生することはなくそれなりの議論があってからの導入となるでしょう。
インフレもじわじわと効いてくるので、急に資産が大きく減るものでもありません。
それゆえ状況の変化をみながら資産額をシュミレーションし軌道修正する時間的余裕もあります。
ただ、その結果として働かないといけないとか、不本意に節約するなどが発生しないよう、リスクを織り込んでリタイア資産額を準備してきました。
これらの気になる3点は、その動向を自分なりに追いかけるようにもしています。
そこで、いまの僕の捉え方を少しお話します。
医療費の負担増
令和4年10月にも、現役並み所得者を除き、75歳以上の方等で一定以上の所得がある人は医療費の窓口負担割合が1割から2割に変わりました。
今後も負担増の流れは加速し、老後生活での支出における医療費は増えていくと考えています。
なにしろ総人口に占めるシニアの割合は、1994年は14%から、2005年に20%、2023年は29.1%と増える一方です。
2035年には33.4%で、3人に1人となるとの予測です。
いつまでもシニア層の医療費負担に優しい状態が続くのも構造的にいびつだと思えるのです。
税負担増
所得税もさまざまな控除が減額されたり条件が厳しくなり、サラリーマンの手取り額は益々減ってきています。
そんな限界点まできた今、国の考える今後の税源の源泉といえば、やはり消費税だと思っています。
今の10%消費税は世界的には高くはありません。
EU圏は消費税率は最低15%との取り決めで上限は27%だったりします。
なお、基本的な生活必需品(未加工の食料品、医薬品、子供用品、書籍等)は税率が安いという品目ジャンルでの軽減税率で「調整」があります。
所得が低い層が生活する上で、生活必需品には税率を低くして不満を抑え、全体としての税負担が無理なく公平に増やす、そんな制度へ向かうと個人的に(残念ながら)想像しています。
インフレ問題
今の日本は、決して景気が良いとの体感がないコストプッシュのインフレです。
円安による原材料の輸入価格高騰、輸送コストや人件費などの高騰など、コスト増でのインフレです。
昨今も賃上げがインフレ負けしてるとのニュースもありました。
でも国としては、こんな筋の悪い「悪性インフレ」でも内心は歓迎しているとさえ思えます。
インフレで貨幣価値が落ちる分、国の借金返済は楽になってホクホクです。
円安で株式市場が好調となり、海外からの投資も誘致できます。
株が高値をつければその「高値をつけた」というだけで政権の手柄となるでしょう。
新NISAがリリースされて、国民は「投資への関心」を抱きます。
円安でインバウンドでの景気刺激にもなれば、コロナで疲弊した観光産業も復興できます。
結果的に「物価高対策」として税収の一部を「配る」ということで政権の得票につなげる魂胆だってあるでしょう。
国は円安には手をうちたがらないのが本音だと個人的には感じています。
3つのリスクは永続的
これら3つ(医療費負担、税負担、インフレ)のリスクは構造上の問題であり永続的な問題だと想定しています。
なので資産の半分を外貨ベースで構成運用してリスクヘッジしたり、資産の7割を元本保証に近い防衛的構成にしながらインフレ程度の2%年利を最低限取れるよう留意してきました。
関連記事はこちらです。
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悩ましいのは、今後の投資先です。
これだけ株高なのでオルタナティブ投資として思いつく「金」をみても、さほど買い相場ではないと思えます。金は金利を生まず複利の恩恵がありませんからね。
かといって、中国の低迷で中国投資マネーが日本に流入しているのも株高の要因なので、中国経済の復活で日本市場が苦しくなるなどを踏まえ、あえて中国に投資して分散させる手もあるかもしれません。が、どこか気も進みません。
なのでやはり、日本の成長を願って日本株投資かもしれません。
終わりに
以上、かなり個人的な見解を綴りました。
あくまでもこれは自分なりに「起こりうる」と直感しているリスク・ストーリーを綴ったもので、個々人、いろいろ見解が分かれるとは思います。
自分のリタイア資産額や資産配分の決定は、こうしたリスクを反映しています。
ちなみに年金リスクを除外したのは、僕の場合、開始時期も受取額もブレはない所まで来たからで、もし僕が40代以下ならば年金もリスクとして加味していると思います。
いずれにしても、こうしたマイナス要因を考えることは気持ち良い想像ではありません。
ですが、
自分が譲れない人生での苦渋(僕は完全リタイア後の「労働に戻る」、「不本意な節約」等)を背負うなら、マイナス要因に対処し、FIRE実行に臨むほうがはるかにましだ
との思いがあるので、今回、あえて記事にさせていただきました。
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