完全リタイア、いわゆるFIREをすると、意外と悩ましいのが「ご職業は?」と聞かれたときです。
申込書などの職業欄には「無職」と書けばよいのか。それとも、投資やブログなどをしていれば「個人事業主」や「自営業」と説明できるのか。
僕自身は、FIRE後の職業について「公式な手続き」と「プライベートな自己紹介」を分けて考えています。
公式な場面では実態に即して職業を伝え、私的な場面では「いま何をして暮らしているのか」も含めて説明する。
今回は、こうした完全リタイア後の職業の説明パターンを2つの場面に分けて紹介します。
公式場面におけるリタイア民の職業説明
基本、契約や申込手続きなどの正式な場面では慎重に対応しています。
完全リタイアして仕事をしていなければ「無職」。一方、FIRE後も継続的に事業や執筆などを行っているのであれば、実態に応じて「個人事業主」「自営業」「フリーランス」などが選択肢になります。
ですが「無職」という説明では不利となる場合、事実の範囲でこれまでの「会社員」に変わる表現をしています。
僕の場合、FIRE後も投資や当ブログの執筆など、いくつかの活動をしています。
ただ、投資といっても頻繁に売買しているわけではなく、ブログも基本的には趣味として続けているものです。そのため、「日々やっていること」がいろいろあっても、それがそのまま「職業」になるとは考えていません。
それでも、収益が上がるか否かは結果論ですし、いまのところ「個人事業主」あるいは「フリーランス」として名乗ることで基本的には手続き上、問題となったことはありません。
なお、個人事業主の場合は開業届の提出が「所得税法上の義務」とはなっていますが、実際、開業届を提出しなくても罰則を課せられることもありません。
仮に説明を求められても「収益が出た段階で開業届を出すという前提で進めている」と説明できれば良いとの前提で進めています。それが僕の実態に近いからです。
ただし、保証人(息子の賃貸契約の保証人になる際に職業の記載欄がありました)になる場合は、無職と書いたら「預金残高を示せ」という対応になりました。そんなケースもあります。
個人事業主の説明パターン
では、FIRE後も何らかの活動を続けている場合、「個人事業主」として説明するとしたら、どんなパターンが考えられるのでしょうか。
僕自身のいまの生活に当てはめて、総務省の「日本標準職業分類」も参考にしながら考えてみました。
あくまで僕の活動を職業として説明するとしたら、という一例ですが、こんな3つのパターンがあります。
①投資家という説明
職業:個人事業主
屋号:個人投資家WATARU
職種:該当は難しい(*)
*日本標準職業分類には、自己資金を運用する「個人投資家」にそのまま該当する職業分類は見当たりません。
近いものには「有価証券売買・仲立人、金融仲立人」(333)があり、「株式トレーダー」なども例示されています。ただし、これは有価証券の売買などを仕事として行う人の分類なので、自分の資産を運用する一般的な個人投資家とは意味が異なります。
そのため僕の場合は、無理に職業分類へ当てはめず、「個人投資家」「資産運用」と活動内容をそのまま説明する方が実態に近いと考えています。
②ブログなどの執筆家という説明
職業:個人事業主
屋号:Blogger-WATARU
職種:「著述家」(211)*
③FIREなどのライフスタイル研究家という説明
職業:個人事業主
屋号:FIREブロガーWATARU
職種:「人文・社会が学系等研究者」(052)*
*総務省の定める”日本標準職業分類(平成21年12月統計基準設定)分類項目名”に準じたもの
いずれも個人事業主としての活動を説明でうる方法です。
私的場面での職業説明パターン
一方、プライベートな場で「仕事は何をしているんですか?」と聞かれた場合は、公式な職業欄とは違ってかなり柔軟に答えています。
完全リタイア後は、「無職」と答えることもあれば、いま取り組んでいることを加えて説明することもあります。相手との関係やその場の状況によって使い分けています。
①無職と正直に伝える場合
友人や知人、趣味仲間など、ある程度僕のことを知っている相手なら、「無職」と伝えたところで特に驚かれることもありません。
ときに「無職で毎日何してるの?」という定番の質問をされます。
そんなときは、「旅行やスポーツをしたり、語学を勉強したり、親との時間を取ったり。年を取ってからではやりにくくなることを、いま優先してやっているよ」といった程度の説明をしています。
実際、完全リタイアして仕事をしていなくても、何もしていないわけではありません。「無職」という職業上の区分と、日々何をして過ごしているかは別の話だと思っています。
②「いま何をしているか」も一緒に伝える場合
一方、まだそれほど親しくない相手に「無職です」とだけ答えると、そこで会話が止まってしまうこともあります。
そんなときは仕事をしているように見せるというより、「いま何をしているのか」も一緒に伝えるようにしています。
例えば、「完全リタイアをして、投資から趣味までいろいろやっていますよ」とか、「サラリーマン時代に手薄だった健康や趣味に時間を使いながら、仕事とは真逆の資格や勉強にもチャレンジしています」といった感じです。
「無職」という肩書きだけでは伝わらない現在の生活を少し加えることで、相手も興味のある話題を見つけやすくなり、その後の情報交換や会話にもつながりやすくなります。
終わりに
完全リタイアすると、「職業は何ですか?」という会社員時代には何でもなかった質問が、意外と答えにくくなります。
公式な手続きでは、実態に即して職業を伝える。一方、プライベートでは「無職」という肩書きだけではなく、「いま何をして暮らしているのか」まで含めて伝える。僕はいま、そんなふうに使い分けています。
実際、「無職です」と答えると、「毎日何をしているの?」「どうやって生活しているの?」と、その後の暮らし方に話が広がることも少なくありません。
完全リタイアしてみて気づいたのは、会社を辞めると「会社員」という自分を簡単に説明してくれる肩書きもなくなるということです。
FIRE後は、「何の仕事をしている人か」よりも、「自分の時間を何に使っている人なのか」の方が、その人の生活をよく表すのかもしれません。
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