アーリーリタイア以降の全収支(収入・支出・資産運用損益)を洗い出しました。
今回確認したかったのは、次の4点です。
①収支の全体像
FIRE後、実際にどれだけ収入・支出があり、資産がどう変化したのか。
②支出ピーク比率
趣味や習い事に目いっぱいお金と時間を使った期間の生活費が、FIRE後の平均生活費に対してどこまで増えたのか。
③生活可能年月
FIRE後の実際の支出と収入をもとに、現在の資産で何年間生活できるのか。
④現金収入と評価増の比率
「キャッシュイン(実際に入ってきた収入)」と「資産評価額の増加(ペーパー上の収益)」が、それぞれどの程度だったのか。
この4点を実際の数字から分析してみました。
FIRE後の収支支出分析の前提
僕がリタイアしたのは2022年3月末です。
そこから2か月間の調整期間を置き、2022年5月末時点を「リタイア時の資産額」として基準点にしています。
会社の各種清算金や退職金の入金、引っ越しや車関連の支出など、退職直後の4月、5月は資金の出入りが激しく、通常の生活とは異なるためです。
今回は、この基準日(2022年5月末)から2023年6月末までの13か月間を分析しました。
FIRE後の収支の全体像
この13か月間の結果は次の通りです。
資産額の推移:100%→102.4%
総支出:基準資産額の5%相当
総収入(キャッシュインの金額):基準資産額の3.1%相当
資産評価益:基準資産額の4.3%相当
なお、まだアーリーリタイア期間なので、公的年金、個人年金、企業年金(60歳から終身で受けるもの)は発生していません。
支出ピーク比率(生活費全体平均と最大値平均費)
2023年1月から6月までの6か月間は、あえて「趣味や習い事に目いっぱいお金と時間を使うとどうなるか」を試してみました。
その結果、この6か月間の平均生活費は、FIRE後13か月間の平均に対して114%でした。
さらに、特に活動量を増やした2023年1月から3月の「全力アタック期間」でも128%です。
目いっぱい行動したつもりでも、半年平均では14%増にしかなりませんでした。
実際にやってみると、お金を使うにも時間とエネルギーが必要です。
たとえば資格取得なら、受験料やテキスト代そのものは1万円程度でも、勉強にはかなりの時間がかかります。高額な資格やスクールも、複数を同時にやろうとすれば時間も体力も必要です。
旅行も僕にとっては趣味ですが、目的は体験です。高級ホテルや温泉旅館ばかりを利用して、単純に支出額を増やしたいわけでもありません。
そのため、FIREして自由な時間が増えても、
・「無駄・無意味だと感じるものにはお金を使わない」という習慣は変わらない
・価値があると思うことに目いっぱいお金を使おうとしても、時間や体力が必要なので、支出額は際限なく増えるわけではない
といった支出感覚がわかってきました。
当時の感覚としては、健康に活動できる70歳頃までは、通常の生活費に25%程度を上乗せして見ておけば十分ではないか。逆に、その後活動量が落ちれば20%程度減る可能性もあるのではないか、と考えていました。
この実績を、今後の生涯収支シミュレーションにも反映していく予定です。
生活可能年月の算出
今回は、2つのシミュレーションをしました。
現時点の資産を全てキャッシュにした場合
現時点の資産を運用せず、すべて現金として保有し、資産運用リスクをなくした前提で考えました。
もちろん、この場合でもインフレリスクは残ります。
FIRE後の平均支出額だけを使い、配当金や不動産収入などのキャッシュインを含めずに単純計算すると、
270か月(22.5年)
となりました。
現在のキャッシュインが続く場合
次に、直近6か月(2023年1月〜6月)の少し多めの平均支出額を使い、現在の配当金や不動産収入などのキャッシュインがある前提で計算しました。
結果は、
401か月(33.4年)
です。
かなり単純化した2つの試算ですが、ここには今後受け取る予定の年金等も含めていません。
そのため、現時点では「もう少しハイペースで使っても大丈夫そうだ」という感触を持ちました。
もちろん、今後「想定外」の支出が発生する可能性もあるため、その余裕をどう考えるかは別途必要です。
現金収入と評価増の比率
一方、配当金や不動産収入など、実際にキャッシュとして入ってきた金額は、リタイア時の資産額の3.1%相当でした。
これに対して、資産評価額の増加は4.3%相当です。
つまり、この期間は実際に入ってきたお金よりも、ペーパー上の資産増加の方が大きかったことになります。
僕は、こうした評価益については、基本的に現金化するまでは使えるお金として当てにしないようにしています。
資産総額が102.4%に増えているからといって、それだけを見て「収支に余裕がある」と考えないようにする必要があります。
分析結果
今回の分析で、次のことが分かりました。
①収支の全体像
キャッシュベースでは支出が収入を上回っているものの、資産評価益によって、資産額はリタイア時の102.4%となりました。
②生活費
趣味や習い事に目いっぱいお金と時間を使った6か月間でも、生活費はFIRE後平均の114%でした。
お金を使うにも、時間とエネルギーが必要です。この実績を、今後の生涯収支シミュレーションにも反映していきます。
③生活可能年月
今回の単純計算では、現時点の資産をすべてキャッシュにしても270か月(22.5年)、現在のキャッシュインを含めれば401か月(33.4年)となりました。
今後は年金等も加わるため、むしろこれまで節約しすぎて、過去に使える機会を逃していたのではないかとも感じます。
「貯蓄ゼロで死ぬ」というテーマについては、後世に残す必要がある資産を除いたうえで、残りをどう段階的に使っていくかも考えていきたいと思います。
④現金収入と評価増の比率
この期間は、資産所得によるキャッシュインより、資産評価額の増加の方が大きくなりました。
資産総額が減っていないのは、あくまで評価額ベースでもあります。その点は気を引き締めて見ておく必要があります。
終わりに
今回は、FIRE後の収支について、これまでモヤモヤしていた部分を実際の数字で確認してみました。
なかでも意外だったのは、目いっぱいお金と時間を使って活動したつもりでも、生活費は思ったほど増えなかったことです。
自由な時間が増えたからといって、支出まで際限なく増えるわけではありません。お金を経験へ変えるには、時間も体力も必要です。
一方、今回の試算からは、現時点ではもう少しお金を使っても大丈夫そうだという感触も得られました。
今後、生涯収支もあらためて計算しながら、自分にとってのお金の使い方を考えていきたいと思います。
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