「貯蓄ゼロで死ぬ」と意気込む人の落とし穴

2023-07-16

資産形成・資産運用 人生

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「貯蓄ゼロで死ぬのが良い」という考えが流行っています。

僕も基本はこの考え方です。

お金の不安感から無意味に貯め込んだりせず健康年齢のうちに正しくお金を使う。

一方でリスクとなるのは、「貯蓄ゼロが目的だ」とせっかくの貯蓄を無意味なことに浪費したり、老齢になってからのメンタリティーを想像せずに「お金があることの安心を過小評価」することです。

今日はそんな「貯蓄ゼロで死ぬ」についてのリスクを書きたいと思います。

貯蓄ゼロというコスパが大切なのか?

いくら頑張って貯蓄をしても、お金は来世に持っていくことができません。

それゆえ「貯蓄を残して死んでしまっては働き損だ」というコスパ的見解は理解できます。

一方で、人生ってそんなコスパだけで考えるものでもないと思います。

コスパ良い人生が「幸せなる人生」の源泉ではないことは、死を目の前にした人がどういう思いであるのかを調べれば見えてきます。

死に際に「もっとお金を使えば良かった」という後悔はない

いろいろなソースで「人生の後悔」としてリストされるものをさぐりました。

概ね、

①やりたいことをやらない人生だった(=もっと挑戦や冒険をしておけばよかった)

②自分に正直な人生を送れば良かった(=夢を追いかけたり叶えることを怠った)

③仕事に人生を捧げてしまっていた

④大切な人に思いを伝えきれていない(=家族や人間関係)

⑤健康を疎かにしてしまっていた

となります。

つまり、

人生の後悔リストには「もっとお金を使っておけば良かった」っていうものはない

ということです。

そりゃそうですよね。

死ぬ間際になって見えてくる大切なことって、「お金を使う」ということではなく「人生でのやり残し」がないか否かです。

「後悔のない人生」のためにお金を使う

自分の人生を後悔がないよう生きるには「やりたいこと」をやって「人生のやり残し」を作らないことです。

例えば、①のように、人生でやりたいことに挑戦したり体験するにもお金がかかります。

世界一周だとか、起業するとか・・。

また、②のように、自分に正直な人生を送るにもお金がいるかもしれません。

子供の頃の夢であったことをやり直すためにセミリタイアをするといったことなどです。

こうした生きる目的があって、そこに資産を振り分け、勇気持って使う。

その結果としてお金を使い切れば「コスパ良い人生を送れた」ということになります。

「貯蓄ゼロ」はせいぜい目標感として持っておくべきで、自分の人生をどうしたいかの意思やグランドデザインこそ幸せなる人生に必要なことになります。

僕が80代の母親と接して思うこと

僕もそうですが、50代の健康で元気なうちなら、お金の使い道もいろいろあります。

お金があればやりたいことってすぐにリストアップできます。

でも、高齢の人はそんな感覚とはまるで違っていて「お金を使え」といっても使い道がないのです。

80代の僕の母親に、日頃いつも「もっとお金を使えば」とは言ってます。

せいぜい、昔の習慣か、高級デパートで「漬物」を買うぐらいです。

お金を使えと言っても「使えない」「いざのために持っておく」と言います。

そこにあるメンタリティーって「子供の世話にはなりたくない。だからお金は持っておくほうがいい」という感じです。

こんな老人のメンタリティーって周囲でも結構聞くことが多く、親と同居の友人も、親の介護を始めた友人も、共通して指摘しています。

果たして、これは今の高齢者世代固有の特性であり「世代ギャップ」から来るのか、あるいは世代に関わらず「人間の本質」から来るのかまだわかりません。

でも僕自身、少なからず「老齢になれば子供の世話になるぞ~。だから有り金は全部使っちゃえ。」なんてことは微塵にも思いません。

資産を使い果たさないと「ため損」か?

じゃあ、せっせと仕事や投資でお金を増やしてきましたが、お金を使わなかいと「ため損」になるのか?

唯一「ため損」と感じるとしたら、それは「やりたいことも我慢して仕事をした」とか「投資や資産運用ばかりに労力を費やして他には何もしなかった」という状況です。

つまり、時間の使い方を誤った時です。

もちろん仕事や投資が好きだというのなら、どんどんやるべきです。

僕は時間をもっと自分のために使いたいと思いアーリーリタイアをしました。

定年まで働かずに済む(=自由時間を買った)ということもあるので、たとえ貯蓄を残して死んでしまっても、時間を得ている分、「ため損だ」とは思わないはずです。

それは、状況の違う他の方も同じだと思います。

経済状況や仕事環境は人それぞれですが、たとえば「70歳まで働かないと老後が不安だ」という人が、頑張って資産を作って「65歳でリタイアした」となれば、「自由時間を得た」と思うはずです。

比べるのは自分自身のなかの生き方ですから。。。

そんな「時間を買えた」ということで貯蓄の価値はあるわけですし、あとは焦らずに、自分らしい生き方を目的にお金を使うのが良いのだと思います。

僕の結論

大事なことは「後悔の無い人生を送ること」です。

そのために「やりたいことをやる」「夢を叶える」など、やり残しがない生き方をしようと、いま、必要なお金は使い始めています。

その結果として、目標感で持っている「たまたま貯蓄ゼロ」ならば、なおさら良いという感じです。

寿命なんてわかりませんし、加齢で「やりたいこと」が減ってきますからね。

決して「ハイコスパ人生だ」なんてせこいコスパ目線でお金を使いきろうとか、無駄遣いをしないようにと不必要に節約したりと、極端すぎないように自戒してます。

ちなみに、僕は「貯蓄ゼロ」にはしないと思います。

今の「やりたいこと」(自分に限らず子供や人間関係を含めて)にしっかりお金を使いつつ、老齢になってからも「子供の世話になりたくない」という自分のプライドを保つための不安のないお金は持っておきたいと思っています。

それに老後は「ある程度お金があったほうが大切にされるかも」と思うこともあります。

終わりに

「若いうちの1万円は、歳をとってからの1万円より価値が高い」という人も世の中にいますよね。

それは若い頃の「欲のある状態」だから、そう思うのであって、年をとると「1万円を孫にわたすと喜んでくれて嬉しい」という使い方から絶大な価値を感じる人だっています。

「お金は若い時にしか価値がない」と決めつけるのはどうかと思います。

大切な人に愛情と一緒にお金を還元することも大事で、最終的にはそうやって支出調整もできると思います。

貯蓄ゼロで死ぬは難しいテーマです。

今の自分固有の視点だけで結論を急ぐのは危険で、老齢の人の感覚にも敏感になったり、広い視点でお金の使い方を考えたいなと思います。


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自己紹介

2022年3末に完全リタイア。FIREの自由で創る”自分らしいセカンドライフ” としてFIRE-Driven Lifestyle Innovationをテーマに、日々の気づきや経験を発信して精神的に豊かなFIREを応援します。
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