日本たばこ産業(JT)の配当金を受領しました。
2023年3月の「第38期:期末配当金」は
【配当金単価】113円
【受領配当額】11,300円です。
同社は昨年2月、株主優待制度の廃止を宣言し、より公平に配当金還元を重視するように転換しています。
僕としては、いちいち食品やらを郵送されて「優待です!」とされるより(そんなコストも含めて)配当金で還元されるほうが歓迎なので、良い方向に変わっています。
ということも含め、今回、FIRE生活からみたJT株への投資について綴ります。
JT株の取得は少し割高な時期だった
僕が株式を取得したのは、アーリーリタイアをする4年前の2018年秋です。
2,891円で100株(289,100円)を取得しました。
当時はまだFIRE生活を意識することもない現役サラリーマン時代の真っ只中です。
なので「高配当株狙い」という意図ではなく、正直言うと「NISA枠120万円の残金の30万円で買える手ごろな銘柄は?」という探し方でたどり着きました。
なお、JT株は、2016年2月1日に4,850円をつけてから株価は下落続きでした。僕が買う時点ではずっと下落基調というイケてない雰囲気で迷うところはありました。
ですが、配当金のインカムもそこそこ安定して狙えそうですし、もしかしたらキャピタル益も狙えるかもという下心があったのは、同社の事業の特殊さです。
日本たばこ産業の事業の特殊さ
JTは1985年に日本専売公社から業務を継承した特殊法人で、全株式のうち3分の1以上を日本国政府(財務省)が保有しなければいけません。
2022年12月時点、政府および地方公共団体の所有率(発行済株式総数に対する所有株式数の割合比率)は33.35%となっています(*)
(*出典:https://www.jti.co.jp/investors/stock/overview/index.html)
つまり、政府側も株式放出で財源となるので「JT株の資産価値は落としたくない」というインセンティブが働く政治銘柄ともいえます。
JTの事業環境について思うこと
健康志向のトレンドのなかではJTの事業環境は不利ですが、少なくても日本国内は一気に逆風が吹くことにはならない(させない)と読んでいました。
ただ、良くも悪くも、JTの売上高比率の6割が海外事業です。
世界の市場で考えると、まだまだタバコという嗜好品に緩い国も多いですし、そうした国は人口が膨らみつつある発展途上国も含まれ、低所得者が中間層となっていく過程で購買力もあります。人間の欲という本質では需要は継続するとみています。
ただしリスクとして怖いのは、M&Aで事業拡大をする同社が買収戦略で失敗したり、それに伴い減損処理をしたり、あるいは一時噂となったような、ロシア事業撤退などといった社会情勢でのリスクです。
また、株式投資を取り巻く環境としては、ESG(環境;Environment、社会;Social、ガバナンス;Governance)の観点で同社を投資対象から外す機関投資家も増えてくるなど、ファンド撤退での株価下げも一時的に覚悟しないといけない局面があると思いました。
直近の業績と配当金のトレンド
僕が株式を取得以降、業績は低迷していて、2021年2月の決算では大規模なリストラを発表しましたし、上場後初の減配となりました。
その後は、海外事業は比較的利益の源泉として順調に推移したうえ、為替の円安傾向が業績にプラスとなっています。
2022年度は増収増益で、為替や特殊要因を除いた営業利益もたばこ事業による貢献からプラスとなっています。
配当推移としてはこのような感じです。
年 配当推移 配当性向
2015年 118 53.2
2016年 130 55.2
2017年 140 63.9
2018年 150 69.7
2019年 154 78.6
2020年 154 88.1
2022年 188 75.4
2023年 188 75.8(予想)
(出典:https://www.jti.co.jp/investors/finance/yield/index.html)
JT株式投資の収支(現時点)
僕自身のJT株投資の収支としては、
取得金額 289,100円
取得以降の配当金受領総額 71,100円 - - (a)
本日(2023年3月28日)時点の時価評価額 277,600円 - - (b)
(a) + (b) = 348,700円
評価損益 +59,600円、 年利3.5%の複利運用相当
*全てNISA口座での運用のため非課税
収支についての所感
現時点の株価が取得時点よりも下回っているのでキャピタルとしては赤字です。
ですが、高配当株としてのメリットを享受しているので、過去の配当金受領総額を含むと収支は約6万円のプラスです。
これは年利3.5%で5年半を複利運用するのと同じですね。
年利3.5%というのは良い成績とはいえませんが、まあ政治銘柄として安定株と思いますし、主力の海外事業も局部的なミスや局地的な事業の行き詰まりは手広い海外市場で補完できるとすれば、円安基調である限り、安心感はあるなと個人的には感じています。
NISAによる非課税も、いずれキャピタル狙いで売却できる日がくればそのインパクトは少なくないなと思います。
でも、僕は非喫煙者なので、喫煙を応援しているものではありません。今は応援したい企業に投資するような形なので、「リタイア生活で配当金が欲しいから」というだけで積極的に買い増すかは、何とも言えないところです。
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