公的年金とは別に個人で積み立てる年金が「個人年金保険」で、その世帯加入率は24.3%です。
*出典:2021年度「生命保険に関する全国実態調査」(生命保険文化センター)
もしあなたがお持ちの個人年金保険が業界用語でいう「お宝保険」ならば(あるいは十分にリターンが高ければ)有効な活用方法があります。
今回、こうした個人年金保険を最大限に活用した資産形成の方法をご案内します。お宝保険とは
「お宝保険」とはおよそ1996年頃までに契約された予定利率の高い保険です。
いまの超低金利時代での予定利率は0.5~1%前後なので、バブル前から1996年頃までの高金利時代、予定利率が5~6%の保険があったと聞くと誰もが驚きます。
しかも多くが定額年金型という「契約時に支払額と将来の年金受給額が確定する」ものです。
(→変額年金のように運用実績で年金額が変動しません)
つまり、途中解約さえしなければ「元本割れリスクのない予定利率5~6%もある運用商品」という、まさにバブル期の申し子が「お宝保険」の正体です。
お宝保険の種類
個人年金保険は、一定の年齢まで毎月(または毎年)定額の保険料を支払い、満期後から定められた金額を受給できます。
例えば、
・60歳まで年19万円を30年間支払う
・60歳から10年等の定められた期間(もしくは一生涯)年100万円を受給される
といった感じです。
こうした「5年や10年といった定められた期間」を年金形式で受給できるのが「確定年金」です。
もうひとつが「被保険者が生きている限り年金を受け取れる(10年以内に死亡しても10年分は支払が保証される)」といった「10年保証付終身年金等」です。
もちろん人生100年時代、その後者が「お宝中のお宝保険」になります。
お宝保険の活用の裏技2選
お持ちの保険が、そこまでのお宝級でないとしても、保険料に対する受取総額の条件が良い場合は、ぜひ2つの活用方法を検討してはいかがでしょうか?
1つは「増額」といって、既存の契約の増額条項に基づき、例えば受給額を年100万円から150万円に増額するといったようなものです。
もう1つは「繰下げ」といって、受取開始年齢をずらすことで受取額を増やすものです。
今回は僕が実施した「増額」に特化してお話します。
増額対応について
もう何年も前のことですが、契約中の「終身年金保険」の増額のためコールセンターに電話をしましたが、正直、埒があきませんでした。
結果的には「セールス担当経由で説明する」に落ち着きました。
そもそも、セールス担当は、お宝保険の増額を受けたところで営業成績にもならなければ、こうした保険は会社に負担が増えるお荷物でしかありません。
「増額ができるか?」といった質問に対しても「持ち帰り検討します」といった状況でした。
また、僕の方も警戒心がマックスでした。
「増額する」といいつつ契約変更に持ち込まれたり、別の商品にすり替えられたりということが無いとはいえません。相当、用心深く対応しました。
そして2,3回の打ち合わせをして、ようやく契約約款を手に入れ、増額条件については「契約額の50%の増額までが可能」ということが判明しました。
ただ、実際に受給額をアップするときの変更掛金は「個別に見積もりを出す」ということになりました。予定利率から一定の社内コストを引いて支払額が決まるので、個別に試算が必要だという理由です。
増額における掛金が妥当か?
およそ5つの増額パターンをもらい、加入時点の予定利率がきちんと守られているかをシュミレーションをして確認しました。
結果的には、満額まで増額をし(約款上の50%の増額)、保険会社発行の契約内容変更明細書をもって間違いないことを確認でき、一件落着です。
全体の工程で3、4か月を要したと思います。
こうした増額を実施するには、満期になってしまってからでは手遅れです。
終身年金保険のメリット
僕からみたこの終身年金保険のメリットを整理すると、
・契約中(掛金を支払い中)はその額が給与の控除対象になる
・受給開始から8年で支払額の元はとれ、受給25年後で掛金の3倍になる(*)
・投資上はほぼリスクフリー(保険会社の倒産等がなければ)
ということになります。
*もちろん、お持ちの保険によって提供条件は異なるのでご確認ください。
終わりに
こうした終身年金保険は「受け取りがまだまだ先だ」と眠ったままになりがちです。
そのまま満期を迎えると増額や繰り下げが行使できません。
世間で4世帯に1世帯は契約されているという個人年金保険。
もし、ご自身が保険をお持ちであるならば、ぜひ内容に目を通したらいかがでしょうか?
利率が良いか、そうであれば増額の可否やメリットの有無など確認し、良い条件なら最大限活かすことをお勧めします。
この情報が、そうした眠った保険を活かすような機会になれば幸いです。
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