先日、ネットでこういった文章をみて驚きました。
節約と倹約では、ニュアンスにも違いがあり、節約は合理的に無駄を省き切り詰めることで、プラスの印象を与えるが、倹約は無駄を省いて出費をできる限り少なくすることで、けち臭い印象を与える。(出典)https://chigai-allguide.com/cw0368/
「倹約」って、ケチという範疇に入るものですか?
合理的に無駄を省くのが節約でしたっけ?
こうした言葉から受ける感覚(ニュアンス)は人によって違うので、モヤモヤ感を解消する意味で、節約と倹約の違いについて考えてみることにしました。
そもそもケチとは?
ケチとは、本来必要なものまで削ったり、極度にお金を出し渋ったり、人には使わず自分にだけ使うような、そんな「一線を越えた自分よがり」な使い方だと思っています。
節約や倹約のどちらも行き過ぎると「ケチ」ですし、健全な節約や倹約であれば「ケチ」とは感じません。
例えば、節約では、食費の切り詰めて家族がお腹を十分に満たせないのはケチですが、特売で安くなった食材を買って食費は切りつめつつも、お腹いっぱい美味しい料理を作るのは節約上手です。
倹約も、古くて傷んだり服をいつまでも着続けるのはケチですが、自分に合った服をブランドショップではなくユニクロで買って着るのは質素で上手な倹約です。
どうも「倹約はケチ臭い印象を与える」には違和感があります。
節約も倹約も、一線を越えればどちらもケチ臭いですし、上手に倹約することにケチくささは感じません。
そもそも合理的に無駄を省くとは?
「節約」と「倹約」の定義を辞書で調べました。
広辞苑によると、
節約は「無駄を省いて、費用を切り詰めること」
倹約は「費用を切り詰めて、無駄遣いしないこと」
(広辞苑)
どちらも「無駄の無い」という観点に立っていますが、「合理的だから節約だ」というニュアンスは無いように思えます。
合理的な節約の例
例えば、賞味期限間近で安くなった食材を多めに買って、食材を冷凍したり、違う調理方法で美味しく食べつくす、そんな工夫で使い切る上手な使い方が、合理的な節約だと思います。
でもそれは、倹約も同じです。
合理的な倹約の例
賞味期限間近で安くなった食材を、自分に必要な量だけを買って、そして食べきる。そんな無駄のない買い方が、合理性な倹約です。
節約は「無駄のないやりくりすること」で合理性(効率性)が生まれ、倹約は「無駄のない買い方」に合理性(効率性)があると思います。
それゆえ、「節約=合理的といったニュアンスで使われている」には違和感を感じました。
節約と倹約の違いは?
節約と倹約を、イメージしやすいように「節約家」と「倹約家」として比較します。
節約家とは
節約家は、全方位を切り詰め、少ないなかでのやりくり上手な印象です。
やりくり上手ゆえに、大量に安く食材を買っても、合理的に使い切ります。
また、特売の安い食材も美味しく調理をして、その値段の何倍も価値を感じるような合理的(というか、効率的な)使い方をします。
倹約家とは
倹約家は、お金を貯める目的があったり、お金の使い方の価値観がはっきりあって、そのなかで無駄なお金を使わない買い物上手の印象です。
無駄のない買い物をするゆえに、質素に徹してお金を切り詰めますが、それは裏を返すと自分の大切なもののために倹約をしている、支出の最適化が倹約家のイメージです。
コスパとタイパ
ところで、費用に見合った価値を得ることをコスパ(コストパフォーマンス)が高いとか、時間に対してもタイパ(タイムパフォーマンス)が高いという考えがあります。
これはまた、節約や倹約といった無駄を省くやり方という軸ではなく、自分の使った費用や時間に対するリターン(効率性)で考えるものです。
コスパの高い節約(お金を効率的に節約する)や、タイパの高い節約(時間を節約して効率的に使う)というものの見方がありますよね。
終わりに
さて、節約と倹約、どっちがケチというものではありませんでした。
それぞれ、無駄の無いアプローチが、やりくり上手(節約家)と買い物上手(倹約家)で、それは両立できそうです。
そこにコスパやタイパも意識していけば最強ですね。
ただ、いつもお金や時間ばかり気にして生活するのも、本末転倒で窮屈です。
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